追憶*壊れたオルゴール
NameChange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『プロデュース…?』
瀬名「そう、俺だけだと手が回らなくてさぁ…王さまも紡なら代わりにサインしても、怒らないしさぁ〜」
『泉がサインしても別にレオは怒らないと思うよ?』
「そうだけどぉ」と言葉を漏らす泉に苦笑いをすることしかできなかった。この間の練習から数日、今日は珍しく泉と2人でテラスで資料の整理を行っていた。『チェックメイト』の終わった今でも挑んでくる相手は多く、ドリフェスは前より頻度は下がったとはいえ行われていた。
私はレオに「『デュエル』の形式をとったドリフェスには来るな」と言われて見にいけないのだが、勝敗は噂にきく。学院内は不明だが学院外での『Knights』の評判は上々といったところだ、だから泉が手が回らなくなってしまうというのも頷ける…。それに泉はレオと凛月のお守りもあって書類とかそう言うの何もかも泉が背負ってしまうのは間違いなく負担になっているだろう
『プロデュースっていうかお手伝いするのはいいけど、私曲作り以外何かできるかなぁ…』
瀬名「できるでしょ…?レッスンのサポートとかさ、この間の差し入れもカロリー抑えめで悪くなかったし…?」
『悪くなかった…?レオが「セナの”悪くない”は”良い”って意味だっ!」て言ってたから美味しかったってこと?そっかそっかぁ…あのくらいならすぐできるしまた作ろっかな?』
瀬名「はぁ⁉︎そんなわけ…まぁいいよ…とにかく差し入れとかさ、イベントの書類とか手伝ってくれると助かるんだけど」
『レオも泉もそれがいいって言うなら私でよければ手伝うよ!放課後限定だけどっ』
曲作りしかできない。と思っていたのは自分だけで泉は「そんなことはない」と言ってくれた。レオはいつも「衣装のデザインとかさ!ステージのデザインとかさ!そういうのやってくれ〜!な?な?」と言うが、どこまで本気かがわからないでいたが…、泉が言うのならやってもいい…かな。
瀬名「じゃあ…頼んだよ、女王様?」
『じゃあ、騎士様がのびのびできるように頑張りますっ!…って、何その書類』
瀬名「王さまがためた書類だけど?一応、あとはサインだけ」
『え〜…レオにさせなよ〜…これは学校のドリフェス…これは『デュエル』…またするの…?』
瀬名「面倒だけど、それよりも面倒な相手を蹴散らせるなら問題ナシ、王さまと女王様が作った『武器』さえあれば負けナシだしねぇっ♪」
私は『デュエル』と言うドリフェスにあまり賛成していない、そのせいでレオと喧嘩はしてしまうし、めまぐるしさが拭えないのは事実だ。それに、中学の時に語っていたレオの思う『アイドル』はそんな殺し合いをするようなものではなかったと認識している。
『レオはそれでいいのかなぁ…』
瀬名「それでいいって…?」
『ご存知の通り、私はアイドルとかそういうの…よくわからない…だから中学の時にレオが言った『アイドル像』が私の思うアイドルだから…なんか、普段の『Knights』はそれに近いものを感じるけど…『デュエル』をしてる『Knights』は…違う気がして…ごめんね、うまく言えなくて…』
瀬名「……だから、見てほしくないんじゃない?女王様は『デュエル』見るなって言われてるんでしょ?れおくんもなんとなくそう思ってるんだよ
だから、夢を語った紡にはそんな姿見てほしくないんじゃないかなぁ?若い男心でしょ…わかってやればぁ?
『チェックメイト』の時も…そんなこと言ってたし…でもやらないといけないってことわかってるから…でもプロデューサーになればそうもいかないよ。本当に俺たち『Knights』のメンバーになったも同然なんだから…しっかり『デュエル』も見てもらうし、他のドリフェスも見てもらう。
紡は女王様であり、騎士の1人になるわけだしね…♪」
そういって、泉はふふと微笑む。
私に資料をサラリと渡して私も内容を確認してサインしていく。新しい制度が打ち立てられていく中で提出資料の内容も細かいものになっていく。参加できるユニットに制限があったり、成績が関わるようになりユニットにも人数の制限…、メンバーの質…
そして、楽曲の質も問われるようになってきたーー。
それは、『Knights』にとっては優位な話で、今は人数も少ないしメンバーは自由とは言えレベルの高い人物が集まっている。加えて、レオがいることでドリフェスで毎回のように新曲を出せる。ファンを飽きさせることのない『進化し続けるユニット』それがこのユニット……。それでもその期待の言葉は、時に誰かの重しになって返ってくる。
『泉が、レオの夢ノ咲で最初の友達になってくれてよかった…』
瀬名「なぁに?急にさ」
『いや…泉はレオのことよく知ってるなって…』
瀬名「紡ほどじゃないと思うけどぉ…」
『でも、私の前でよく泉のこと話すよ?ツンツンしてるけど本当はいい子なんだ〜とかママみたいにおせっかい焼いてくるとか…?あと努力家で一生懸命だから、泉のために何かしてあげたいって』
瀬名「アイツは…なんでそんな恥ずかしいことスラスラ言えるんだか…」
『それがレオの良いところだから…素直で真っ直ぐで…だから心配…でもあるんだけどね…』
瀬名「……そんなに変わったって思う…?」
『…え?変わった…変わったのかなぁ…よくわかんないや…んん〜この話はやめよう!ね!仕事しようっ』
自分が言い出したくせに頭が混乱してきて、これ以上考えると話が変な方向にいきそうでこの話を区切ることにした。
私が考えたところで、これからの道を決めていくのは王さまであるレオだから…私はただそれについていくだけのこと…王様に忠実な騎士のようにーーー。
忠実な騎士になった日
『女王であり、騎士である』
→