追憶*壊れたオルゴール
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2年の春ーーー
春と行っても夏が近づいてきた今日この頃
私は、幼馴染のレオに言われて『Knights』というユニットに加入…というより関わるようになった。
と言ってもメンバーはレオと瀬名くんと"くまくん"という人の3人で、先日行った『チェックメイト』を経てレオが愛してやまない『チェス』の本流を守ったユニットらしい。
詳しくはわからないけど、私は『Knights』の曲に詞をつけることを仕事にしている。
月永「紡〜!助けてくれ〜!!セナが俺をいじめるんだ!!」
『レオ…瀬名くんに迷惑かけたらダメでしょ?今度は何?レッスンサボった…?』
月永「そんなのいつもだろぉ〜?あははっ☆名曲のためにはレッスンもいけないこともある!」
瀬名「れ〜お〜く〜ん??ちょっとぉ!俺のノートに五線譜書くなっていったでしょ…!?夜永さんの後ろに隠れるのやめてくれるっ!?」
『あらぁ…真面目な授業ノートが子供のお絵描きノートに…』
瀬名「ほんっと!チョ〜うざぁい!」
月永「この名曲がわからないなんてセナもまだまだだなっ!紡ならわかるよな!この名曲の数々がっ!」
瀬名「俺が怒ってるのは俺のノートに書いたことなんだけどぉ!?」
『そうだよ…ルーズリーフとかならまだしも普通のノートに書いたら使い切るまでこのままだよ?』
月永「じゃあセナはそのノート使い切るまで俺と一緒も同然だなっ♪」
レオは「喜べ!」と高笑いをして瀬名くんは重いため息をついた。瀬名くんとは1年の夏から知り合いだが、レオが迷惑をかけてしまって毎回申し訳ない…。
少し暑くなってきたこの頃に2人は私の周りをグルグルと回って私がバターになってしまいそうだった…。
『ところで、今日の呼び出しはなに?私この後朔間さんのとこに行かないと…』
月永「また違うやつのとこ!紡はもう『Knights』の作詞家なんだから他の依頼なんて断っちゃえよ〜」
瀬名「そうもいかないでしょ〜?だいたい、夜永さんがアイドル科に入れるのはその制度があるおかげなんだからさぁ?」
『そうそう、でも優先順位は『Knights』だからいいでしょ?』
月永「当然だろ〜!紡は『Knights』の女王様だからなっ♪」
『女王様ぁ?なにそれっ…』
瀬名「いいんじゃない?女王様と王さま…幼馴染の二人にはお似合いじゃんっ♪」
『瀬名くんまで…あぁ…そろそろ、時間…』
朔間さんとの打ち合わせまでもう時間がなくなってしまい、話を遮るようで悪いがそろそろ向かうことを伝えるとレオがあわあわと慌てだし瀬名くんに「あれなに?」と聞くと肩を竦めて首を左右にふられる
瀬名「ほら、れおくん?女王様いっちゃうよ?」
月永「…っうぅ…」
『なに?なんか他にもある…?それともどっか痛い?怪我でもした…?最悪、朔間さんならリスケしても怒らないと思うけど…?』
月永「ちがうちがう!えっと…これ…」
『なにこれ…?『オルゴール』…?』
レオは背中に隠していた物をゆっくりと私の目の前に差し出す。それはダークブラウンの木材にチェスのナイトの形をしたマークが刻まれていた。
瀬名「それ『Knights』のユニットマーク、この間喧嘩してたでしょ?ハッキリ仲直りした!みたいな証しが欲しいってれおくんがわめいてさぁ?どう?悪くないと思うんだけど」
『すごい…素敵…』
レオ「…気に入った?…曲も『俺たちの曲』だ!」
『これこの間作ったばっかりのやつ…』
瀬名「知り合いにいい店知ってる人がいてさ、ちょっと優先で作ってもらったのぉ…感謝してよね…」
…裏のネジを回して蓋をひらけば、ついこの間3人で作った曲がオルゴール独特の綺麗な音色で流れる。その音色に顔が緩んでいるとレオが「どうどう?」と聞くのでレオと瀬名くんを見る。
『ありがとう…、瀬名くん、レオ…大事にするね…?』
月永「それももうやめろよ〜…!」
『えっ?』
月永「その”瀬名くん”ってやめよう〜?セナも”夜永さん”って長いだろ〜?」
瀬名「…俺はどっちでもいいけど、夜永さんに任せる…」
『私も…どっちでもいいんだけど…ファンに怒られそうで…』
瀬名「そんな理由…?だったら泉でいいよ…一応、もう”身内”なんだしさ」
月永「そうだそうだ!硬いのはナシにしよう!王さま命令だっ!」
『…ふふふっ、わかった…じゃあこれからもよろしくね?”泉”』
瀬名「…名曲をいっぱい生み出してよねぇ…”紡”」
改めて向きなおった私と泉は手をとって握手をかわした。2人の間レオが「仲良きことは素晴らしきかなっ♪」と笑っていたけど、なんだか我慢できなかったのか2人まとめて抱きしめてきて私と泉は苦笑いした。
”あんな事”があったあとだったのに、それが嘘かのように穏やかな時間が過ぎていった。
瀬名「そういえば、打ち合わせはいいの…?」
『あっ…!やばい!じゃあね!2人とも!今度新曲の歌詞持ってくるから…えっと、”くまくん”さん?にもよろしく!』
月永「お〜!紡の歌詞楽しみに待ってるぞ!」
瀬名「またね〜、前見て走りなよぉ」
レオと泉は手をふって私はそれを背に朔間さんの待つ生徒会室へと向かった。朔間さんと知り合ったのは今年の事だが、理由は不明だが気に入られたらしく海外から帰ってくると必ず声をかけてくる。
気づけば、生徒会長になっているし『五奇人』なんて名前をつけられて持て囃されていた。そんな朔間さんが私を気にかける理由はわからないけど、今日は朔間さんに話す話題もあるしその足取りは軽かった。
新しい宝物
『『Knights』のことも話したいな…』
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