追憶*壊れたオルゴール
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*凛月said
『七夕祭』当日ーーー
綺麗な星空が広がる七夕の夜、俺たち『Knights』は各々の休憩時間を過ごしていた
『七夕祭』はあんずが企画した特殊ルールで負けたユニットも時間をあければ参加できるとのこと…、休憩を挟みながらライブができるので大変気が楽ではある。
そんなドリフェスの休憩時間を俺は愛しのま〜くんと過ごしていた。普段は会えない時間に会えるというのはこれ幸いとユニットの壁を乗り越え休憩時間を共にしていた。
衣更「どうした?凛月、ニヤニヤしてさ」
凛月「ふふっ、俺の愛は『ユニット』の壁をも、超えるって思ったらさっ♪」
衣更「なんだよ、それ〜。でもいいのか?『Knights』の奴らと別行動でさ〜」
凛月「いいのいいのっ♪ま〜くんといるって伝えてるし、急ぎだったら女王様が迎えにくるから」
衣更「凛月は紡先輩にすごい懐いてるよな〜?」
凛月「ま〜くん、もしかしてヤキモチ…?大丈夫だよっ、俺にはま〜くんだけだからっ♪」
衣更「あぁ〜、違う違う。まったく、お前はそうやってすぐ誤魔化して」
凛月「誤魔化されてくれるま〜くんが俺は大好きだよ…?」
ま〜くんは「はいはい」と流して、空を見上げた。七夕の夜ということもあって、空は綺麗な星空が広がっていた。すると、なんとなく誰かが俺を呼ぶ声が聞こえてくる。
凛月「…今誰か俺のこと呼んだ…?」
衣更「…?いや、特に聞こえなかったけど」
凛月「……、いや聞こえる…」
俺の脳内に直接話しかけてくるかのような感覚に襲われる。どこからか「凛月、助けて」と声みたいなものが聞こえる…。その声に嫌な胸騒ぎが俺を襲う。『あの時』感じたものに似ているその感覚に俺はすぐさま携帯を取り出す。
凛月「ま〜くん、今『UNDEAD』って出番?」
衣更「いや、さっき大神がいたから多分休みだと思うけど…」
凛月「ありがとう………もしもし、?」
零「”凛月?凛月〜!凛月から電話なんて嬉しいぞ…!我輩に用かのぅ?お兄ちゃんになんのご用じゃ〜!”」
凛月「黙って、ねぇ女王様の居場所知らない?」
零「”紡ちゃんの居場所?あの子に何かあったのかや?”」
凛月「いいから、知らないなら切る」
零「”相変わらずの当たり強さじゃのう…まぁよい、紡ちゃんはおそらく音楽室あたりじゃと思うが…”」
凛月「わかった、ありがと…」
電話の向こうで騒ぐ声を聞かずに通話を切ってま〜くんの方を向くと驚いた顔をする。「ごめんね?急用」といってま〜くんから離れて、兄者が言っていた音楽室へと走り出す。
どうか、この予感が当たっていませんように
夜の廊下は静かで、誰も人がいない。そう感じるが、俺の嫌な予感は膨れ上がるばかりだった。
凛月「…紡っ……!くそっ……!衣装動きずらすぎっ…」
紡の声だと思われるその声は徐々に大きくなり、俺の心臓を大きく鼓動させる。冷や汗が頬に伝うのを感じながら音楽室へと、とにかく足を進めた。今が昼間ではなく夜で本当によかった。
昼よりも走るスピードが断然早い…あっという間に音楽室に到着した…音楽室にはどこか人の気配がしたが、一人じゃない…開けようとすると声が聞こえる
『ーーーっぁ…ごめんなさい…でもっ……』
その声に導かれ、勢いよく音楽室の扉を開ける
そこには女王様と3人の女がいた…
女王様は目をいっぱいに潤ませて、両手には楽譜を抱えていた。
凛月「…なに…してんの…」
女1「…ぇ…凛月君…?」
女2「私たち別に何も…?勝手に泣きそうになってるだけだよ?そこの”女王様”が」
凛月「ウチの女王様はそんな泣き虫じゃない…”また”あんたらが何かしたんだろ…」
女3「…凛月君に認知されてるなんて、嬉しいなっ!」
凛月「俺はあんたらの顔なんて一生見たくなかった…」
『凛月っ…!』
女2「そんなヒドイなぁ…いいの?騎士様がそんな事言って?」
凛月「…っ」
女1「そうそう、それに”女王様”のせいで”王さま”がいなくなったの事実でしょ?」
『それはっ!』
女1「何?反論?」
『…っあ……ごめんなさい…』
女2「あっっはは!こんなのが”女王様”ってなに?『DDD』でも『Knights』を活動停止にしてさぁ?何考えてんの…?」
女たちは俺が黙ってるのをいいことに口々に紡を罵倒していく…俺が我慢ならず間に入ろうとするのを誰かが止める。振り返ると、それは先ほど別れたはずのま〜くんだった
俺も、女たちも驚いた表情をする。
凛月「…ま〜くん…」
衣更「誰かは知らないけど、ドリフェス会場以外は立ち入り禁止のはずだぞ?出禁になりたくなかったら…って紡先輩…?なに…どういう状況…?」
女3「『Trickstar』の衣更真緒…⁉︎嘘っホンモノ…⁉︎」
女1「ちょっとテンション上がるとこじゃないでしょ…?出禁はやばいって!出よ!」
女2「…じゃあね、”女王様”。また守られてよかったね」
そういって女たちは音楽室から足早に去っていく
俺は足早に紡のもとに駆けよる、目立つ怪我はなさそうで安堵の息をつく。
衣更「…っおい!待っ…」
『真緒くん!いいの…やめて…』
凛月「紡っ…怪我は…?」
『大丈夫…勝手に転けただけだから…』
衣更「いいんっすか…?それこそ出禁にした方が…」
『あの人たち『Knights』のファンなの…だから、何も言わないで…。
生徒会にも、『Knights』のみんなにも、先生にも…、誰にも言わないで…私は大丈夫だから…”これ”が無事なら大丈夫…』
凛月「それ…」
紡が後ろに隠していたのは『Knights』のユニットマークが書かれた『オルゴール』だった。それを紡は大切そうに撫でて安心した顔をする。ま〜くんはそんな紡に?を頭につけていた
衣更「全然話が読めないんですけど…そのさっきの女子たちはいったい…」
凛月「それは…」
『凛月…いいの…こんな状況みてただ黙ってろって方がおかしいよね…』
衣更「大丈夫っすけど…」
『長い話になるんだけどね……去年のお話…』
衣更「去年…」
そう言って、落ち着いた紡はピアノの椅子に腰をかけて、ピアノの上に『オルゴール』を置いてから話し出す。
それは、俺と紡…そして『Knights』のお話。
プロローグ
『2年生の春だったかな…、』
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