連弾!月光とシンパサイザー
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夏の初めのある日、
凛月が「なぜ俺の気持ちがわかるのか」と言われてから数日答えは出せないままでいた。
なぜーーー?
こっちが聞きたい。いつも困ってるとひょっこり現れて解決して去っていく。
とんだ流浪の民だ…。
水*黄門か何かなのか…?
ずっと悩んでいた。それでも答えを見つけないと…きっと凛月のご機嫌が戻らない…。
あの日から凛月は
見つけると大人しくレッスンにいくし、昼寝せずに教室にいることもある。
レッスンになればいつも何かしら困り事を出すくせに、最近は真面目にレッスンをしやがる…。
いやいいことなんだ。素晴らしいことだ…。
しかし、その意外さに泉もナルちゃんも驚く始末…司くんにいたっては「目眩がしてきました…司は夢でも見てるのでしょうか…」というほど『Knights』にとっては現実では起こりえないことが起こっていた…。
原因はきっとそれなのだけど、私には上手い返答がわからなかった。
おそらく、凛月がほしいのは明確な答えではなく自分が納得できる理由なんだと思う。
なぜ、私が凛月の考えることがわかるのか
凛月がなぜ私の考えることがわかってしまうのか
この謎を解かないと…
凛月の体調も心配だし、何より私は凛月とお喋りできないのが嫌だ…
日常だと思っていたものがひとつでも欠けるというのはあまりよくない…、詞は浮かばないし、浮かんでもいいと思えるものにはならない。
大好きな中庭も、凛月が寝てるかもという期待から行こうかなと思うものの居ない可能性の方が今は高い、だから今向かっても意味が無いと諦めてしまう。
『ダメだー霊感(インスピレーション)がわかない…枯渇…枯れ井戸…過疎…限界集落…』
零「…新しい呪いの呪詛かなにかか…紡ちゃん」
『れ…零さん…』
零「女王様がお困りと聞いてな。どうやら噂通りのようじゃ…ウチの可愛い凛月が何かしたかや?」
『そこまでお見通しとは…さすが魔王…』
校舎の窓からガーデンテラスを遠目に見ていると、後ろから声がかかって…それは我が校を誇る物知り魔王の零さんだった。零さんは窓際に腰を寄せて体重をかけると私の方を改めて見る
零「なに…凛月もあまり本調子じゃないようでな、2人ともそのようでは関係があるのは明らかじゃろう…それで?何があったんじゃ、おじいちゃんに話してごらん…」
『そのおじいちゃんって言うのやめない…?それ続けると、私来年にはおばあちゃんになっちゃう…』
零「おや、紡ちゃんは何年たっても綺麗なままじゃよ。我輩が自信をもって言おうぞ…?」
『美形のじいちゃんにそんなこと言われても嬉しくないんだけど…まぁいいや!作曲の続きしに行く!じゃあね零さん!バイバイ!』
零「あっ…これ紡ちゃん…行ってしもうた…」
私は零さんの声を無視して廊下を走り去る。だいたいこんな昼間にウロウロしているなんて珍しい…
それは私のためか凛月のためか…わからなかったし、わかりたくなかった。この相手が凛月なら聞いてこずに何が理由なのかピタリと当ててくるんだろうな…。と余計なことまで頭を回って悩みは深まっていくばかりだった…。
プロローグ
悩みは尽きない
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