ジャッジ!白と黒のデュエル
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放送室を出る前、泉に「どこいる?」と連絡をすれば思ったより早く返信が返ってきて「屋上」という素っ気ない返事にため息をつきつつゆっくりとした足取りで屋上へと向かうと着いた先で見慣れた後ろ姿が「ん〜」と唸っていた。その姿を見つけてゆっくり近づいていく。
瀬名「見つからないなぁ、ゆうくん
どこ行っちゃったんだろ。心配だなぁ、ほんとに『困ったちゃん』なんだから……♪」
『瀬名さんの方が困ったちゃん、ですけどね』
瀬名「っうわぁ!なんだ、女王様か…なぁに?困ったちゃんって」
『また真くんに迷惑かけてるんでしょ?やめてよね…『Trickstar』には何かとご迷惑をかけてるんだから…』
瀬名「はぁ?迷惑ってなぁに?俺とゆうくんは引かれあい、巡り合う運命なんだよぉ……♪ほぉらゆうくん、早く出てきて、早く〜♪」
『真くんは猫か何かか…』
瀬名「俺がいちばんゆうくんのことを理解してるんだって証明してあげる、どこにも逃げられないからねぇ?うふふふふ……♪
まったくもう。せっかく『Knights』と『Trickstar』が合同練習することになったのに、ゆうくんが参加しないんじゃ意味ないじゃ〜ん?
首根っこを引っ掴んででも、ゆうくんを見つけだして一緒にレッスンするんだ。昔みたいに、俺が手取り足取り……うふふふふ♪」
『堂々と、人を無視してすごいことを言っている自覚あるのかぁ…?』
瀬名「……ん?」
瀬名泉はどうやら、私の存在をついに空気と認識したようで話を勝手に進めていく。すると、向こう側からあんずちゃんがはしってくるのを私と泉が気づく
瀬名「あっれぇ、足音がすると思ったら……。なぁに、転校生?何か用〜?」
あんず「紡先輩!そろそろ『合同練習』が…」
『あぁ…泉も参加しないと…』
瀬名「『合同練習』には、ちゃんと参加するから安心して。女王様のご命令でもあるしねぇ〜、でもゆうくんを見つけだしたらねぇ、だからちょっと待って〜?
ていうか。生意気だよねぇ、素人どうぜんの『なんちゃってプロデューサー』のくせに女王様さしおいて『Knights』に……この俺に、いったい何を教えられるっていうの?
女王様が、俺が知らないことを、ひとつでも知ってるわけ?知ってるなら教えてよ、ほら早くぅ?黙ってないで、なんとか言えばぁ?」
『泉も最初はアイドルのこと知らなかったくせによく言う…あんずちゃんも気にしなくていいからね?』
あんず「…いえ…事実ですし…、でも遊木くんを見つける方法を知ってます…!」
瀬名「ふぅん。それが事実なら、ちょっと見直してあげる。期待はしてないけど、いちおう言うだけ言ってみて?」
あんずちゃんは私がナズに伝えたことをそっくりそのまま泉に伝える。
泉は少し考えてからあんずちゃんに言葉を返す
瀬名「…ふぅん。成る程、それは有効かもねぇ。『そういう放送』をすれば、逃げだしたゆうくんも姿を見せるかも?ゆうくん素直だから、まんまと引っかかるだろうねぇ♪なかなか面白いこと思いつくじゃん、転校生」
あんず「いや…これは仁兎先輩が紡先輩に聞いて…」
瀬名「…はぁ⁉︎女王様の入れ知恵なわけぇ…‼︎」
『入れ知恵って…ただの提案でしょ?』
あんず「それで…、一応決行済みなんですけど…」
『じゃあ…あとは真くんが来るだけかな…?』
瀬名「おっと、足音がする。目論みどおり、ゆうくんが誘きだされてきたのかな?」
耳をすますと、こちらに向かって走って来る音が聞こえてくる。その足音に泉の表情は徐々に疑い顔からニヤニヤ顔に変化していく。作戦通りに誘きよせられているとすればもう私は来ているでろう真くんに黙祷を捧げることしかできなかった…
遊木「あんずちゃん!
放送、聞こえたよ!『大事な話がある』って、どういうことっ?『屋上で待ってる』ってことだけど……
うひぃっ、泉さん⁉︎」
『猛獣に見つかった兎の如く、彼は怯えた顔で固まったーーーー』
遊木「そんな描写表現はいらないよっ紡さん!」
瀬名「ようこそ、ゆうくん!俺に会いにきてくれて嬉しいよ〜っ♪」
遊木「あ、あんたがいると知ってたら屋上に近づかなかったから!くそ〜っ、騙された!これは、あんたの策略か〜⁉︎」
瀬名「いやいや、勘違いしないでねぇ
俺がこの場所にいたのは、『たまたま』だから。たまたま天の神さまが、俺とゆうくんの小指に運命の赤い糸を……♪」
うわぁ…と私とあんずちゃんから声が漏れる…。真くんは聞きたくないと耳を塞ぎ頭をふる。この一瞬でやつれた顔をした真くんがゆっくりとこちらを見る。
遊木「う〜……。あぁ、あんずちゃんもいるね。ほんとに、泉さんは間が悪くこの場所にいただけ?」
あんず「いや…あのぉ…」
『私と泉は偶然だよ!そんな『大事な話』の邪魔はしないよ!』
遊木「そういえば、あんずちゃん。どうして、僕を呼び出したの?『大事な話』ってなぁに?
あ、愛の告白とかだったら困っちゃうなぁ〜?いや、すっごく嬉しいけどっ♪」
『…真くん…』
瀬名「……その場合、まず転校生を屋上から落とす。そのあと、ゆうくんを落として俺も落ちる。それをしっかりと見届けてね女王様」
『え…⁉︎なにそれ怖い‼︎せめてあんずちゃんは置いてってくれる⁉︎勝手に二人で落ちて⁉︎』
遊木「恐ろしいことを言わないでっ⁉︎」
とてつもなく、恐ろしいことをいう騎士に私は目眩がおきフラつくとあんずちゃんがそれを支えてくれ、真くんに事情を説明する。要は、真くんが逃げ回るから放送で呼び出した。それだけの内容だ…。
遊木「…あぁ、僕が行方知れずになったから探してたんだね。放送で僕を呼び出したのは、そういう理由か。むう、チキンでごめんね!
でも僕、ほんとに『Knights』が苦手で…
ていうか、そこにいる泉さんに『DDD』でヒドイ目に遭わされたからさ。トラウマなんだよ、気がついたら逃げてた!」
『…おぉ、返す言葉もございません!』
あんず「紡先輩!」
瀬名「逃げてもいいんだよ、ゆうくん。俺はゆうくんがどんな弱虫でも受け入れるからねぇ、優しく抱きしめてあげる…♪」
遊木「ううっ、そういうこと言うから嫌なんだってば!あんずちゃ〜ん、紡さんもっ!このひとが僕に変なことしないように見張っていてくれる?
そしたら僕、『合同練習』にも参加するから。恐怖を克服しないとね、僕も早く『Trickstar』のみんなに追いつきたいもん
『デュエル』は、その良い『きっかけ』になるかもね♪」
『泉はなにをしたらそんな嫌われるの…?』
あんず「確かに…ちょっと異常な…」
遊木「…えっ、僕が泉さんを嫌ってる理由?
まぁ、いつか機会があったら教えるよ。ちょっとね、過去に色々あったんだ
それよりも、もうだいぶ時間もおしちゃってるし……。他のみんなと、合流しよっか?心配してくれて、ありがとう。いつも、意気地なしでごめんね
さぁ行こう、あんずちゃん!紡さん!僕たちの、ステージへ」
瀬名「うん、一緒に行こうねぇ♪」
あんず「……」
『もう…勝手にして…』
遊木「しっし!あんたはどっか行ってくれるっ?マジで気持ち悪いんだけど!」
私を支えるあんずちゃんの背中を押して真くんが逃げようとするとルンルンの泉は真くんに近く「ヒィイ」という声を上げながら押される背中が強くなるのを感じた
瀬名「え〜?俺も『デュエル』に参加するんだもん。一緒に行動する必要があるでしょ、それに女王様もいるし♪
ふふふ、これから毎日ゆうくんとイチャイチャできる〜♪
楽しいドリフェスになりそうだねぇ、意外とっ♪」
頭痛の原因は新入りだけじゃない
『執着が激しい…』
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