MainStory〜第一部〜
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新築の自宅の庭に小さな男の子と女の子が座って絵本を読んでいる。
小さな庭にものはなく芝生と1本の大きな木が植えられており、2人にとってそこは遊び場ではなく音楽であふれている場所で
そこで絵本を読むと自然の音がまるでBGMのようで楽しめると2人にとってツボであった。
絵本はいつも女の子が選ぶものだから、王子様とお姫様が出てきて2人は逆境を乗り越えて、ハッピーエンドを迎える。
読み終えた女の子はキラキラした目で話し出す
『いいなぁ…わたしもいつかおうじさまがむかえにきてくれるかなぁ?』
**「…ぇ…ぁ…こ…こないよ!」
『…えっ』
**「だって、紡ちゃんにはおれがいるだろっ!」
『…**くんが紡のおうじさまになってくれるの…?』
**「とうぜんだろっ!だっておれは紡ちゃんのことがっ……」
そう彼がいいかけて…
『夢からさめる…っと…』
彼がいなくなってからというものこんな子供の頃の夢を定期的に見てしまうようになったなんて誰にも言うことが出来ない…。
あんなにキラキラした目でお姫様になりたいとか王子様に迎えに来てほしいなんて言ってた少女が、いつからだろうか…お姫様なんてものにはなれないと気づいたのは、いつからそんな可愛らしい夢を見なくなって現実しか見なくなってしまったのは…
『まぁ…大人に近づいた証拠か…てか、新学期か…思いやられるな…あっ…まってこの憂鬱を詞にしないと…』
そう言いながらベッドから起き上がり洗面所に向かいながら相棒のノートに詞を書き込む。
私は夜永 紡。元夢ノ咲学院音楽科の生徒で、今日から夢ノ咲学院プロデュース科の3年生
趣味はご覧の通り作詞で、常に脳内にはメロディーが流れている…
『憂鬱すぎて、陰鬱な曲ができそうだな…ダメだ、ボツだなこりゃ…』
ちなみに、転科することを聞いたのは、先月のこと2年生の期末試験を終えて無事に首席キープした私だが、職員室へ呼び出され進路指導室に連れて行かれ神妙な顔つきの教師に告げられた。
教師「夜永さん、突然なんだけどあなたは3年生からアイドル科の校舎に通ってもらいます。」
『…はい?』
教師「驚くのも無理はないんだけど、実は来年度から新設されるプロデュース科にテストケースの女の子が転校してくるんだけど、その子のプロデュースや学校生活でのサポートをしてくれる女子生徒を探していたそうなの…」
『それで何かとアイドル科と関わりのある私に白羽の矢がたった…と…』
探していると言ってもその案が出てきた時点でアイドル科の教師陣は私を指名するつもりだったんだろうけど…
首席生徒としてアイドル科に出入りしていてアイドル科の仕組みや周知事項を知っていて、特別ミーハーでもない私はまさに適役というわけか。
教師「まぁ…そういうことね…」
『そういうことなら…仕方ないですね…(仕方ないのかな…?)』
教師「ごめんなさいね、この学院でアイドル科は何かと優遇されているから断れなくて、音楽科としても私としても、あなたには3年間通ってて欲しかったんだけど」
『(実績の為に通っててほしかっただけだと思うけど…)私も残念です…けど向こうでも精一杯頑張ります。』
教師「えぇ…頑張ってね…」
『はい…じゃあ失礼します。』
私は、そう言いながら進路指導室を後にした。
そんな会話をしたのは3月の半ばのこと
それから半月程が過ぎ、今日から新学期。
私は彼のいないアイドル科で3年生になった。
心機一転
『いってきまーす』
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