崖っぷち!続かない五線譜
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翌日、いつも通り学校へと向かうために着替えて家を出る。
家を出て、すぐ目の前の彼の家を見て「いってきます」と呟いてから通学路へと歩き出す。いつもならば、こんなことしないのだけど…なんとなく彼が見ている気がして、ちょっとやってみただけだった…
でも呟いた瞬間体が軽くなった気がして、いつもよりも軽い足取りで通学路に向かうことが叶った。
通学路は、いつも通りの風景でなんら変わりはなかった、まぁ数日通らなかっただけで変化があっては困るのだけど…、我が家は学院までそうは遠くないので思っていたよりすぐ到着した。
教室に入れば、待っていましたと言うように蓮巳くんが近寄ってきて私の腕を取り早足で教室をでて廊下を歩いていく。
『ま…待って蓮巳くん…早い…足がもつれ…る…ぁっ』
蓮巳「おっ…と…すまない…」
『ありがと…こけないですんだ…』
転びそうになった私を蓮巳くんが受け止めてくれる。2人が止まった先は生徒会室で、受け止めてくれた蓮巳くんはまた腕を持って生徒会室へと入っていく。
天祥院「やぁ、紡ちゃん。倒れたって聞いて心臓がとまるかと思ったよ…♪」
蓮巳「あまり、冗談に聞こえないことを言うものではないぞ…英智…。」
『本当に、よくない冗談だね…ここに呼んだってことは…『依頼書』の件かな…?』
天祥院「話を楽しむ隙もくれないなんて、女王様は仕事熱心だね」
『熱心な訳では…』
蓮巳「受諾率を60%にして貴様がまさか倒れるとは予想していなくてな…倒れてから色々大変だったんだぞ。また倒れてしまっては困るからな…現在完了しているものでお前の罰は…」
『あぁ…依頼でしょ?全部終わったよ?』
蓮巳「終わっただと…!?あと何十件予定していたと…!」
『えぇ…怒られている…でも終わったものは終わったんだし…目標達成、それでいいんじゃない?』
天祥院「本当に…全部やったのかい…?いつ…」
『昨日のうちに?少し休んだのもあってか…すごい名曲が浮かんできた…』
蓮見「お前は…まったく…度し難い」
『あとは打ち合わせ修正するだけだし、問題ないよ。』
2人は驚いた顔でこちらじっと見続ける。実はあのあと、作曲部屋にこもって少し過ごしたつもりがしっかり日付を超えていて、気づけば目標をゆうに超える曲数を作り上げていた。
驚くのも無理はないができたものは出来たんだ。せっかくならば依頼主に渡して歌ってもらいたいというのが私の願いではある…
天祥院「本当に、君は素晴らしいね…それじゃあ、完成まで頑張ってもらうかな?」
『もちろん、仕事は最後までやるよ』
蓮巳「だが…また倒れでもしたら…」
『大丈夫、騎士たちが心配するから無茶はしないって約束したの』
天祥院「そうだね…無茶はしないようにね。目標達成出来たら君の罰は終わりだよ」
『うん。ありがとうね、天祥院くん』
天祥院「こちらこそ、ありがとう。紡ちゃん」
天祥院くんの「ありがとう」の先が何に対してかはわからなかったけどそれに頷いて、私は生徒会室を後にした。
戻る間の廊下は前と同じ…いや前よりもっと綺麗な音で溢れていた。
廊下を歩いて角を曲がれば人がいることには気付かずぶつかってしまう、もちろん相手は男性の確率が高いので私は簡単に吹っ飛び尻餅をついてしまう相手はすぐに私によってきて手を差し出す。
『青葉くん…っと…ありがとう』
青葉「紡ちゃん、おはようございます♪」
『おはよう、ぶつかってごめんね?』
青葉「いえいえ、僕こそ前見てなくて…」
ぶつかったのは青葉つむぎくん…、隣のクラスの図書委員だ。そういえばこの先は図書室だし、朝からお仕事していたのだろう…仕事熱心っていうかなんていうかと思いながら彼の顔見ると少し申し訳なさそうにモジモジするので不思議に思い話しかける。
『なに?青葉くん…トイレ?』
青葉「紡ちゃん!女の子が、そんなことをいうもんじゃっ!」
『あぁ〜ごめんね?何か言いたいことあるのかな?』
青葉「あの…先日、紡ちゃんがいない間に『Knights』の皆さんを…」
『あぁ、フェアの話?いいよいいよ♪司くんから聞いたし、なんだったらまたこき使ってやって?』
青葉「あれは助かりました…けど、こき使うなんて…そんな」
『泉に関してはなんだかんだ遊木くんとお仕事できて喜んでたし、衣装まで作ってくれて…その節はお世話になりました』
青葉「えぇ⁉︎いきなりそんな他人行儀なんですか⁉︎」
『仕事は仕事だしね〜、不在の奴のことなんて気にしなくていいよ?あんずちゃんがうまくやってくれたでしょ?いやぁ…優秀な後輩を持つと楽だぁ…』
青葉「それでも『Knights』のプロデューサーは紡ちゃんですし、鳴上くんは紡ちゃんの言いつけを守るように「イメージアップのためだから〜」とおっしゃってました…」
『そっかそっか…微笑ましいことだ…それを聞けただけで充分儲け物…♪』
青葉くんの話は私がいない間に『Knights』を借りて仕事をしました。という報告だった、話は司くんやあんずちゃんから聞いていたので特に気にしていなかったが、青葉くんは仕事中の『Knights』の話をいっぱいしてくれた。
そんな話をしながら、私たちは教室へと向かっていった。
戻ってきた日常
『女王様の言いつけを守るなんて、忠実な騎士だねぇ』
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