崖っぷち!続かない五線譜
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鳴上「んもぅ!心配したんだからねェ!」
朱桜「ひどいです!お姉様!瀬名先輩や凛月先輩には会って司には会ってくださらないなんて!あんまりです!」
『ぬぅ…申し訳ないと思っております…。』
検査入院二日目、優雅に昼食を食べていると病室の扉が勢いよく開く…、現れたのは倒れてから顔を合わせていなかった騎士だった。2人は早口で抗議してくる。事実ではあるのでとりあえず謝罪をしておく。
すると、ナルちゃんはお見舞いで持ってきた花を飾るために花瓶と花を手に持ち、病室を出ていく。司くんはベッドの近くに椅子を持ってきてそこに座る。
朱桜「事情は瀬名先輩から聞きましたが…、その後はいかがでしょうか…?」
『んん〜元気だよ。朝の日差しがいい感じに入ってきて、目覚めがバッチリ!』
朱桜「お姉様!そういうことを言っているのでは…!」
『大丈夫、きっとね』
朱桜「その自信はいったいどこからくるのですか…」
司くんは呆れて言葉も出ませんという顔をして顔を左右にふる。するとナルちゃんが綺麗な花を持って帰ってきた「綺麗だね」というとナルちゃんは「私が選んだんだもの、当然よォ」と返す。
鳴上「それにしても、倒れた時は本当にどうなるかと思ったわァ」
朱桜「まったくです!生きた心地がしないとはこのことですよ!なのに、お姉様は面会拒絶なんて…shockでした…」
『ごめんね?でも、もう大丈夫だよ!』
鳴上「あら!じゃあもう曲は書けるようになったのねェ!」
『…へ?』
朱桜「え…違うのですか?」
『いやぁ〜…あはは…』
鳴上「違うのねェ⁉︎体は⁉︎体調面が大丈夫ってことォ…?」
『うん…体は平気、作曲は…試してない』
朱桜「試してない…?あのお姉様がペンもメモ帳も握ってないのですか…?」
『うん…いっかなぁ〜って』
にへら、と笑うと2人はギョッとした顔をするが少しすれば微笑んだ。
きっと今は何もしなくていい、そのうち私の中に音楽は戻ってくるだろう。昨日の夜、彼がフラッと帰ってきて夢のような時間を過ごせたように、フラッと戻ってきてくれるハズ…だと思う。
鳴上「そうねェ、紡ちゃんがいいと思うならあたしも大賛成よォ♪」
朱桜「はい♪お姉様に聞きたいことがあれば今のうちですね…♪」
『聞きたいことはいつでも聞いてくれていいんだけど…』
朱桜「ふふ…♪せっかくですし、お茶とお菓子でも用意しましょう♪」
鳴上「あらやだ!司ちゃんったら太るわよォ」
朱桜「む…、そのくらいで太ったりしません!適度に運動してからsweetを食べているので!」
気づけば、司くんはすっかり末っ子が板についたようで、ナルちゃんとのやりとりも案外自然なやりとりに見えた。
司くんはどうやらお菓子、特に駄菓子の類が好きなようで最近は泉にそれを見つかっては怒られるというのがよく見かける光景らしい。
『あぁ…じゃあそこの引き出しのお菓子あげる。お母さんが置いていったんだけど、私は好きな味入ってなかったから…』
鳴上「あらあら!女王様まで末っ子を甘やかしちゃって!泉ちゃんがみたら怒っちゃうわヨォ」
瀬名「誰が、怒るってぇ?」
凛月「女王様、おい〜っす♪」
『凛月に泉…どうして?』
瀬名「今日は『Knights』のレッスン日なんだけど、肝心の『プロデューサー』がいないからねぇ、お見舞いにきてあげたの〜かさくんもなるくんも会いたい会いたいうるさいしねぇ」
凛月「…とか言ってるけど、セッちゃんもずっとソワソワしてたんだよ…♪」
朱桜「そうです!昨日の瀬名先輩はずっとおかしかったのです!」
鳴上「会えないって瞬間ショボンってしてたのよォ?連れて帰るのが大変だったわァ!」
瀬名「あぁ!うるさいなぁ!」
『ふふ…♪…みんなには心配かけたね?でも大丈夫だよ。体調もいいし、みんなの声がよく聞こえる。入院もあくまで検査のためで、明日には退院するしね』
そういえば、昨日は少し聞こえずらかったがレオとの夢を見てから綺麗に音が聞こえるようになった気がする…。一日何もせず過ごした意味はあったのかもしれない…。
体調も顔色は悪かったものの1日経てば顔色はよくなったと褒められた…。
騎士達も安心した顔で私を見る…みんなには心配をかけてしまったが、すぐにみんな揃って会いにきてくれるなんてなんだかんだ個人主義と謳ってるくせしていい人たちだ…。
瀬名「退院は普通にできそうなんだねぇ?異常なしならそれでよし」
朱桜「そういえば、お姉様とこうやって会話できるのも久しぶりな感じがしてしまいますね…♪」
凛月「まぁ、倒れるのは今後はやめてほしいけどねぇ…、いい安眠妨害だよ」
鳴上「ほんとよォ、あと行き倒れもやめてほしいわァ」
『…アッハハ…気をつけマス』
瀬名「気をつけるじゃなくて、もうしません!でしょぉ?」
あまり、心配かけすぎるとどちらが後輩かわからなくなってしまう。それでも心配して、色々助けてくれた。さらにはお見舞いもすぐに駆けつけてくれて、至れり尽くせりとはこのこと…女王様ですと世間に言っても「あぁ〜」と言われそうなほど甘やかされていると自覚はある…。
『大丈夫だよ…もう無理はしないから、みんなに心配かけない程度に頑張ります♪』
瀬名「ならいいけどぉ…、早く学校に戻ってきなよぉ、あんたがいない教室は退屈なんだからさぁ♪」
『すぐ戻るよ…!』
時間がきたようで、4人は病室から出ていった。騎士達も暇ではないだろうに…、一昨日、昨日、今日と…誰かしらくるなんて思いもしなかった。彼らになんとか…お礼はできないものだろうか…。
…彼らに返せるものなんて決まっていた。だけど、それは私にはまだできないことだ。でも、彼が言う通り元通りになるのなら、いつかその時は来ることだろう…。
時を待つ
『絶望の森を抜けてー。』
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