MainStory〜第一部〜
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しっかり密封された封筒を開ける北斗くん。
日々樹くんがいうには、ガーデンテラスにいた美しいご婦人が声をかけてきて、この封筒を北斗くんに渡すように頼まれたらしい。
かなり、お歳を召しており、この『DDD』の爆音の中でお疲れだったようで静かに休めるところへ案内した、と日々樹くんは言っていた
日々樹「ふふふ。北斗くんは、ご両親よりむしろ祖母殿に似ているのですね…♪」
氷鷹「祖母だと?まさかこの手紙は、俺のおばあちゃんから?」
日々樹「ええ。私の数ある趣味のひとつ、俳諧の教室で顔見知りになっておりましてね」
『俳諧……じゃあ知り合いって知っててその手紙を日々樹くんに渡されたんだね…』
日々樹「はぁい♪ついでに、たっぷり茶飲み話などにもつきあわされました」
日々樹くんは、手紙を受け取ってから北斗くんのお祖母様と仲良くお茶をして北斗くんの話に華を咲かせていたそうで…最終的にはメアドまで交換して、いつからマダムキラーになったの日々樹くん…。よりによって演劇部の身内と…なんと…
日々樹「ともあれ、用件は以上です!私も大事なお手紙を読むのを邪魔するほど無粋ではありませんので、このへんで失礼しましょうっ♪北斗くん、あなたに幸あれ!さらばです!紡さんっ行きますよ〜ふは〜はっはっは☆」
『へっ⁉︎待って日々樹くん、俵抱きは良くない!さっき食べたお菓子がっ…うぶっ…』
日々樹くんは私を俵抱きにして、気球からのびた梯子に手をかける…。お菓子が出そうなので口に手を当てる…ていうか、重い私を肩に抱いてよく梯子に乗っていられるな…。お前の肩はどうなっているんだ…三奇人。おそるべし…
『日々樹くん、下ろして…』
日々樹「おろしたら、地面とこんにちはですよ、紡さん☆」
『ごめん、下ろさないでいいよ』
日々樹「はぁい♪」
『日々樹くんはいいね、楽しそう』
日々樹「私は、いつでも楽しいですよ…♪でも…昔のように紡さんに”渉”と呼んでもらえないのは寂しいですね…」
『へぇ…日々樹くんにも寂しいって感情あったんだ。初知り』
日々樹「私も人間ですから…♪」
そこから、私と日々樹くんは静かに気球に乗っていた…。到着したのは『UNDEAD』との戦いを前にした『fine』の楽屋だった…。日々樹くんに俵抱きにされたままの私の腰に伏見くんが制服の上着をかけてくれる…その瞬間何があったかわかってしまい顔を日々樹くんの背中に押し付ける。腰のあたりにグーでパンチをする。
『日々樹くん、おろして…』
日々樹「はぁい…」
『伏見くんも上着ありがとう…お目汚し、大変失礼しました…』
天祥院「そうかな…?いい景色だったけど…」
伏見「会長様…あまりそういうことを言うのは、お下品ですよ」
天祥院くんは、天使のような笑顔ですごいことを言ったが、それを伏見くんが制す。
しかし、ふざけた事を言う天祥院くんの顔は思った以上にいいとは言える様子ではない…これから戦う『UNDEAD』はそれを考慮してくれるほど甘くはない…。
『辞退、した方がいいんじゃない?』
その一言に『fine』全員が私を見る。当然だ、『DDD』で優勝した者が『SS』の出場権を得られる。ここまできてそれを諦めろと言っているのだから…
『ただの一般人の意見だけど、正直健康な人間のする顔色じゃない…あなたが倒れたら、それこそ世界の損失なんじゃない…?』
天祥院「嬉しいことを…、言ってくれるね。君にそんな高く評価してくれているとはね…」
『相手は零さん率いる『UNDEAD』だよ…。ただでは帰れない…と思う』
姫宮「さっきから黙って聞いてれば、庶民のくせに生意気だぞ〜!」
『でも、事実だよ。『fine』のみんなが一番わかってると思う…』
わかってるのは、きっと私よりユニットメンバーの彼らの方がわかっているはずだ。特に伏見くんはそう言う管理みたいなのは得意な分野のはずだ…。なのに何故誰も止めないのか…私には理解できない。『SS』の価値も一般人の私には到底理解できないことだった…
時間になったのか、天祥院くんはゆっくりと立ち上がりこちらへと歩いてくる
天祥院「紡ちゃん、みんなはわかった上で僕をステージに立たせてくれているんだ。倒れかけても僕はいくよ。『UNDEAD』…君の尊敬する朔間零を倒して、君が可愛がっている『Trickstar』も叩き潰す…僕は、再び帝国を創り直すのさ…何度でもね…」
『そう…上手くは行かないと思うよ…』
言葉を聞きもせず、天祥院くんは姫宮くんの肩を借りながらステージへと上がっていた。魔物たちが待ち構える舞台へ、と
日々樹「紡さんは、相変わらず優しいですねぇ。憎き相手にやめとけなど、置いといて見殺しにしてしまえばいいのに…」
『…あれでも、あの人のお友達だったから、チェスが…ゲームが勝手に終わったら彼が怒るでしょ?だから、それなりには天祥院くんのことも大切にしてるよ』
日々樹「『王様』さんですか…、全く彼はいつまでもあなたの中心ですねぇ♪」
『…そんなことはどーでもいいでしょ!ほら、日々樹くんも行って!応援は…できないけど、ちゃんと見てるから』
日々樹「わかりました♪では、あなたにも素敵なパフォーマンスを届けましょう……☆」
日々樹くんは、3人の後に続いた。『UNDEAD』と『fine』の戦いはまさに戦争と言える戦いだった。お互いの魂の削り合い、奪い合い、そんな感じの時間が続く。結果発表をする頃には、天祥院くんは伏見くんの支えがなければ立っていられないほどだった…。だから言ったのに、その様子を見て零さんは天祥院くんを煽るような物言いをする。
天祥院「すまないけどね弓弦、支えてくれなくて結構だよ。きちんと、僕は胸を張って立てる。
入院中、こうして君たちとまたステージに立つのが夢だったんだ。たっぷり、堪能させてくれないかな?」
伏見「会長様がそう仰るなら、その御心に従う他ありませんが」
姫宮「無理はしないでね〜?決勝戦の相手ってあの『Trickstar』でしょ、ボクたちだけで『じゅうぶん』だから!あんな連中、かる〜く蹴散らしてやるっ☆」
天祥院「ありがとう、可愛い桃李。けれど心配はしなくても、僕はみじめに地べたに這いつくばることはない
僕は『皇帝』だ、威風堂々と君臨しつづけよう」
天祥院くんもただ『皇帝』として玉座に座っていたわけじゃない…病気と背中合わせで、家と学院に板挟みされて、それでも尚この学院を、アイドルたちを愛そうと尽力した彼だ。ただそれが、一部の人間の夢や…希望を喰らい尽くしてしまった。
それだけのことだ…そう、この世に正義があれば悪がある。けど悪からすれば正義こそが悪である。なんて場合もある…それだけのこと
天祥院「まず手始めに、『UNDEAD』を処刑する。不死者でも二度と蘇れないほどに、徹底的に断罪してあげよう
そして、『Trickstar』も処断し、『DDD』を制する
下克上などない。この内乱の、騒動の始末は、この僕がつける。もともと、これは僕が始めたことだからね」
日々樹「ふっふふふ♪悲壮な決意です、どこまでも純粋で誇り高い!だからこそあなたは面白い、Amazingと言わざるを得ません!
あなたは、決して『悪』ではない、『正義』であるのに暴虐をふるい、他社の涙を夢を全てを貪り喰らってしまう!
愛と憎悪。希望と絶望。夢と悪夢。矛盾し、相反した生き様を両立させています!そんなあなたにしか紡げない、物語がある。まだまだ、かたわらで拝見させていただきますよ。あなたの彩る、とびっきりの悲喜劇を……☆」
日々樹くんは、楽しそうに話すがどういう思いでそれを言うのかわからない…『三奇人』日々樹渉…と言うより『五奇人』は全員何を考えてるのか。よくわからない…
天祥院くんのさらに向こうにいる零さんは満足そうな顔をしてこちらを見た。
延長戦を乗り越えて、勝利したのは『fine』だったーーーーーー
準決勝
『不死者はそう簡単に死なんぞい♪って感じのドヤ顔だね』
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