MainStory〜第一部〜
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遊木「扉を開けたね、泉さん」
瀬名「あ、あれ?ゆうくん、顔を潰したんじゃあ…?」
遊木「ふっふっふ、まんまと引っかかった〜♪やりましたね、紡さん!」
『ふっふ…ふぐ…っく…』
遊木「紡さんが笑いを堪えるのに必死みたいだ…
飲みかけのペットボトルで音を作ったんだよ♪あたかも顔を潰している風に聞こえるように放送委員と作曲家を侮るなよ〜♪このくらいお手のものだ!」
面白すぎて、腹筋が鍛えられそうだ…遊木くんはドヤ顔で自慢しているし、泉は騙されて生意気だ!と怒っている。拉致監禁よりはただの子供のお遊びだ、このくらい泉がやったことに比べればどうってことない。
真くんがさっき言った通りに外に出ることを優先したので私も約束どおり泉のそばにいく。
遊木「それはともかく、ぼうっと立ち話している余裕ないから!ちょっとごめんね、失礼するよ〜?」
瀬名「あっ、しまった⁉︎待てっ、逃がさないからねぇ!」
『待てはこっちのセリフだから!散々人に迷惑かけて!2人とも早く行って!』
遊木「紡さん、ありがとう!逃げよう、明星くん!」
瀬名「ちょっ!紡離しなよ!」
近くによった私は泉が走り出す前に泉の腰に抱きついて動きを止める。その間にスバルくんと真くんは走り去っていった。泉は私を振り払うことはなく、ただ走っていく真くんに「許さないよ、ゆうくん!」と声を荒げていた。
私はそんな泉をしっかりとそこに止めるしかなかった。
泉はすぐに落ち着いて私が抱き締めている腕を軽く叩いた。
瀬名「離しなよねぇ…全く女の子軽々しく男に抱きつかないの…」
『泉…ごめん…』
瀬名「いいよ…俺こそ…はぁ…」
『とりあえず着替えよ。ユニット衣装に…みんなが待ってるから』
瀬名「そうだね…急ぐよ。全く…あんたもゆうくんも…馬鹿ばっかり…」
『泉もね…』
泉は「はぁ⁉︎」と言いながらユニット衣装があるセナハウスへと2人で向かった。『Trickstar』はどうなってしまっただろう、すでに緒戦は開幕しているが、あんずちゃんからは負けましたという報告はない。ただ1人ではユニットとして認められない。この『DDD』でいったい誰が『Trickstar』を支えているのか…北斗くんか、真緒くんか…誰かが戻ってきてくれていれば良いのだけれど…
とにかく、今はステージに戻って状況の把握をしなくてはいけない…
=屋外ステージ=
着替え終わった泉と一緒に『Trickstar』と『Knights』が戦っているであろうステージへと急いだ。
そこには、先ほど走っていったスバルくんと真くん、そしてステージに置いてきてしまったあんずちゃんそれから…真緒くんの姿があった…
なるほど、真緒くんが戻ってきたからユニットとして認められて踏ん張っていれたのか、『Trickstar』の3人が揃っていた。それに彼らの瞳にはまだ光が残っている。
むしろ、それ以上に輝いてる。まだ希望は残っているーー。
すると泉がこっちを一度むき口を開ける。
瀬名「あんたには悪いけど、しっかり見てなよねぇ…『Trickstar』はここで捻り潰しちゃうから」
『ふふふ…どうかなぁ…でも、過信しすぎず、前を見据えて頑張って泉』
そういうと、泉は片手を上げてステージへと上がっていった。
しかし、ズルイ話だがこのステージはあんずちゃんの転校前の学校の友達やあんず弟くんが呼んでくれた普通科の生徒など…それに私が声をかけておいた音楽科の生徒もいる…つまり、『Knights』には申し訳ないが、ただの一般客がいるステージではない。
その観客達を引き込みきれれば『Knights』の実力だが、どうなるかは神様しかしらない。それに場所がいい、一般客が来ずらいここは『Trickstar』の客しかいないと言ってもいい。
泉が戻って来てから真くんの様子を見た真緒くんが、マイクを持って話しだす。
その内容で『Knights』は完全に悪者の立場に置かれている。それにメンバーの状態もよくない。
泉は暴走しているのは変わってないし、凛月は日がさしていて力を出しきれない。司くんはその素直さ故に真緒くんの言葉を丸呑みして泉に反抗的になってしまうし…
何よりナルちゃんだ。この状況を冷静に見れるのはナルちゃんだけなのに、ナルちゃんは呆れてる…というか諦めている。この勝負というよりはこのやり方自体にノリ気ではなかったのだろう。戦う意思はあれど、特別勝ちに執着していないのがわかる。
『Knights』は個人主義のユニットだ…、利害関係で纏まっているユニットだからこそ、この状況においての『Knights』は『Trickstar』との相性が悪い。この仲違いしている…歯車が狂っている状況ではいくら強豪ユニットとはいえ勝ちづらい。
『強豪なんでしょ…、頑張って綺麗に散りなよぉ?悪い騎士さん達…』
お説教は終わってからたっぷりしようねぇ…
そう考えながらステージを眺めていると、そろそろ結果発表の時間だったのか。結果はすぐに発表された。
予想通り歯車が狂った『Knights』は『Trickstar』に破れ、『Trickstar』は勝利を勝ち取った。
『Knights』と『Trickstar』がステージ裏へと戻ってくる。
明星「紡ちゃん先輩!さっきはありがとね!無事にウッキ〜も、それからサリ〜も戻って来たよ〜」
『おめでとう、スバルくん。それと、おかえり真緒くん』
衣更「あぁ〜、はいっす。やっぱ俺も『Trickstar』だったみたいで…」
『そうだね、『紅月』なんてお堅いところより『Trickstar』で輝いてる方が真緒くんらしいよ。』
衣更「ありがとうございます♪」
勝利した『Trickstar』が先に私の方へとやってきて、話していると。
後ろから、トボトボと『Knights』のみんなが戻ってくる。私は『Trickstar』の間から抜け出して、『Knights』の方へと向かう。
泉の前に行くと、下を向いてた泉がゆっくり私を見る…
目が合った瞬間、泉の肩にパンチする…
瀬名「…なに…っった…はぁ!?」
『もう、巫山戯たことしないで泉、あなたは『Knights』の看板に泥を塗ったこと忘れないで』
瀬名「…っ…」
鳴上「紡ちゃん、泉ちゃんも反省してるのォ」
『ナルちゃんはそれを見てみぬフリした。』
司「お姉様…」
『司くんは何も知らなかった。先輩が何も教えないから…
凛月も見て見ぬフリをして、なおかつ『Trickstar』の不戦勝を促した
先輩なのに、みんなかっこ悪いことをしないで、みんなは騎士なんだからいくら個人主義でも『Knights』の名前に泥を塗るのは許さない。』
あんず「紡先輩…」
『『Trickstar』のみんな、本当にごめんんさい。私から謝るわ…
私のユニットがとんでもない迷惑をかけた…その事実に心から謝ります…ごめんなさい』
深々と『Trickstar』の方を向いて頭を下げる。それにみんなが驚く。
でもこれはケジメだ、私を名ばかりとはいえ『Knightsの女王様』というのならば、この責任は監督しきれなかった私の責任。
もっと早く異変に気づいていれば、動き出せれば…たらればの話なんていくらでもできるが、今できるのは『Trickstar』のみんなに心から謝罪することだけだった…
遊木「紡さん!もういいんだよ、頭を下げないで!」
衣更「そ〜ですよ!紡先輩は何もしてないじゃないですか!」
明星「そうだよ!むしろ紡ちゃん先輩には助けてもらってしかないし!お礼を言わないといけないくらいで!」
『でも…申し訳なくて…』
あんず「紡先輩…ここは紡先輩にかけてる迷惑とおあいこってことにしましょう?もう言いっこなしで…」
明星「そうだよ!そうしよう!」
あんずちゃんが言うと他の3人も頷く。
心の広い子達で本当に助かった…。私が頷くと4人は安堵した表情でこちらによってくる…
『ありがとう…みんな…私は『Knights』が心配だから、私は『Knights』のところへ行くね…何かあったら連絡して準決勝までには戻るから、それまで負けないでね?』
明星「任せてよ!それまでにホッケ〜が戻って来ればいいんだけど!」
そういって笑うスバルくん、この後も戦いは続くけどきっと…きっとみんながこの『Trickstar』を勝利に導いてくれる。そう信じて、私は『Knights』と一緒に校舎へと帰っていった。
個人主義ということ
『何に喜び、何に悲しめばいいのか。私にはわからない』
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