MainStory〜第一部〜
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『DDD』当日ーーーー
先生たちの先生の声をきっかけに生徒達が動き始めた。
それぞれが、思い思いの屋外ステージに散っていく。『Knights』はのんびり動き始める、セッちゃんは前半不参加の可能性、と凛月から連絡があった。
最終確認のためにあんずちゃん達の元へと向かった。『ユニット』衣装を身に纏ったスバルくんとさらに覆面をかぶせられてるあんずちゃんの姿があった
あんず「紡先輩!来てくださったんですね!」
明星「紡ちゃん先輩!」
『2人ともお疲れ!準備はできてる?とりあえず、緒戦の準備して…もう場所取りがはじまってる!』
明星「本当に!?大変だ!急げ転校生っ!」
あんず「う…うん!」
あんずちゃんの腕を持ってスバルくんは走り出す。私もそれについていく。様々な場所に設置された屋外ステージはすでに様々なユニットが場所取りを終えていて、空いているステージを探し回っていた。
『スバルくん!あっち、あそこなら空いてる!』
明星「ああ〜端だけどしょうがない!行こう!」
『とにかく相手が来るのを待とう!』
学院の端に位置する場所に隠れたように設置されていた屋外ステージ観客が大勢くるかどうか怪しいが…
それでもステージに出なければ『DDD』は始まらない…。
『とにかく、『fine』のことは千秋たちに任せて、私達は緒戦の相手に集中しよう。あんずちゃんはバレないようにダンスだけで、歌は歌わないこと。』
あんず「はい!」
『スバルくんは、目一杯パフォーマンスに集中して。とにかく勝つことを目標に』
明星「わかった…!任せてよ!」
2人の頭を撫でる。不安はつのるばかりだが…それでも今できる最善は尽くした。あとは彼らの頑張り次第だ。私にできることはこの2人を見届けること。私の力で勝利に導いてはあげられないけど、それでもできるだけのことはして来た。あの天祥院くんを負かすために必要なのはこの2人の輝きを消さないこと。そして、他の輝きを取り戻すことだ…。
ギリギリまで特訓していた所為か、こんな端っこのステージだからか、対戦相手は現れる気配がなかった。
たぶん、ここも『DDD』のステージなのだが…不安に思っていたら魔王様が現れた
明星「うう、でも不安だ〜!やばい、緊張しているのかもっ!」
零「くっくっく♪珍しくテンパっておるようじゃのう、まぁ無理もないがのう?」
『零さん…』
零「おぬしらは、すでに戦場のかにおる。狼狽していては、戦えんぞい?」
明星「相変わらず神出鬼没だなぁ、何か用?」
零さんはどうやら校舎の影にある屋外ステージで他のユニットと対決するようで、零さんが言う方向からは晃牙の演奏が聞こえる。スバルくんが『UNDEAD』と戦うことにならなかった事に安堵するなか、私も一安心していた。トーナメント形式のこの戦いでいきなり強豪ユニットに当たるのは今の『Trickstar』には厳しいものがある。
零「紡ちゃんや転校生の嬢ちゃんがついておる…とはいえ、『Trickstar』は瀕死じゃ。死にものぐるいで努めねば、この戦場を生き延びることはできんぞ?」
『そうだよね…2人じゃ足りない事だらけだよ…』
明星「実質、戦力は俺1人だから、一対多の構図になるからね、最初から不利な戦いだよ」
『弱音を吐いてる…』
零「まったくじゃ…珍しいのう。だいぶ憔悴しておるのう、天祥院くんも相変わらずエゲツない真似をしよる」
『…そのくらいピンチなんだよ…』
ピンチ、なのは事実だ。『DDD』では他のユニットへの協力は認められていない。だから私も『Trickstar』としてパフォーマンスをすることはできないし、スバルくんが言うように他のユニットからメンバーを一時的に借りるなんてことはできない。
零さんもわかっていることだから、スバルくんを諭す。
零「そもそも、我輩たち『UNDEAD』も主力のひとり、薫くんが『序盤は任せるよ〜☆』とか言って屋上でサボっておるからのう」
『薫くん…じゃあ『UNDEAD』も人に貸せる力は今ないって感じだ…』
零「そうじゃ、それに先日の『B1』で『fine』に大敗を喫した我らは、どうも侮れておるようでのう?」
『相手がナメてかかって来てるわけね…バカだねぇ…勘違い過ぎて』
零「じゃが、ここいらで汚名返上せんとな。これは我輩たち『UNDEAD』の名誉に関わる問題じゃ、絶対に手は抜けぬ」
『そうだね、お互いのやるべきことをやって、最善を尽くそう…。』
零「おや、紡ちゃんは今日は一段とやる気じゃのう…♪」
『そうだよ、やることが見えてて目標に向かって邁進中って感じ!』
零「よしよし♪我輩も最大限のパフォーマンスを発揮してこようぞ…正直、負ける気がせんわい……♪」
零さんはニヤリと笑う。零さんこそ顔にやる気満々です、と書いてある気がするが…
まぁ『Trickstar』が『UNDEAD』と当たるとしてもまだ先のことになりそうだ…
4人で雑談しているうちにどうやら対戦相手がやってきたようで、零さんがそれを見つける
零「むう……?」
『どうしたの、零さ…ん…』
鳴上「きゃぁん♪見て見て司ちゃん、あの対戦相手の子ったら超張り切っちゃってるわよォ!可愛い〜、頑張る男の子は世界の宝よねェ☆」
朱桜「はい!こちらも油断はできませんね…♪」
『ナルちゃんに、司くん…それと凛月も…』
凛月「あ〜…女王様だ…」
鳴上「ほんと!紡ちゃん、なんだか久しぶりねェ〜!」
そこにいたのは夢ノ咲学院でも強豪と謳われるユニット…我らが『Knights』だった…
どうやら泉の姿が見当たらないがどうやら『新入りのあの子』とやらに夢中らしい…。
おそらく真くんのことだが、どう言う状況でかかりきりになっているのか。その詳細は知らない。
どうやら泉を抜いたメンバーで緒戦は戦うらしい…
鳴上「あら、あら?見て見て凛月ちゃん、あなたのお兄さまがいるわよォ?」
凛月「あ〜……?」
零「むっ?おぉ、凛月!お兄ちゃんじゃよ〜♪」
凛月「………いや、知らない人だけど」
零「何てこと言うの凛月⁉︎お兄ちゃんじゃよ、おぬしのお兄ちゃんじゃよ〜!」
『零さん…かっこわるぃ…』
凛月「迷惑だなぁ、通報する?」
凛月を前にした零さんはすごくかっこ悪い。面白いけど、あとそのめげない姿はなんか…違う意味で尊敬する…
それにしても緒戦の相手が『Knights』だなんて、分が悪い。いくら泉が不在とはいえ、個人の能力が高い『Knights』と人員が欠けて壊滅状態の『Trickstar』と、では勝敗なんて勝負しなくてもわかる…。
絶望的…ではあるが、スバルくんはあまり気にもとめていない様子で気にするのは『Knights』に移籍したであろう真くんのことだった。
『凛月…真くんは?いないの…泉がいないのと関係してるんでしょ?』
凛月「まぁね〜、でもいいの?今は『Trickstar』のこと見てなくて」
『凛月まで私には関係ないって言うの?』
凛月「そうじゃないよ〜、巻き込みたくないの…あぁ〜…日差しがしんどい〜…」
『あぁ〜、はい日傘さしてあげるから…』
凛月「ん〜…ありがと、女王様」
凛月が誤魔化すように暑いとしゃがみこむので日傘をさしてやると、力無い手で私の頭を撫でる。だいたい、凛月をこんな時間にこんな日差しが強いステージへ連れてくるなんて…ひどい話だ…まぁ仕方ないけど、配慮してくれる人間が今の『Knights』にはいないのだから…
凛月と会話しているとスバルくんとナルちゃんたちの間に零さんが入って会話する。
話の内容からするに、無理やり真くんを移籍させ『Trickstar』を一番に潰す。そして、帰る場所を奪って彼の自由を奪って…
零「『Knights』と言う名前が泣いておるぞ、それがおぬしらの騎士道か?
紡ちゃんの知らんところで、女王様の知らぬところでようやるわい…」
『知らないところで…』
バッと隣にいる凛月を見る、すると凛月は膝に腕をついてこちらから目を逸らしている。事実と言うことだ。
私の知らないところで、ウチの騎士は人様のものに手を出した、というのか。ナルちゃんが話すところによると泉が暴走して『Knights』としては不本意なことになっている。
『凛月…本当なんだね…』
凛月「まぁ…ナッちゃんが言ったまんまだよ。」
『報告されてない。』
凛月「してないからねぇ…」
そういう凛月に頭に血がのぼるのを感じた。すると、凛月はおもむろに立ち上がる。
凛月「あ〜……じゃあ、こうしよう…兄者」
開戦
騎士達の裏切り
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