MainStory〜第一部〜
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あれからあんずちゃんに連絡をもらい、『fine』のパフォーマンスを見たこと。『DDD』というイベントを開催することが決定されたことを教えてもらった。
『fine』というユニットを前に4人とも圧倒されていた。格の違いを目の前で見せられてしまった。受け入れきれていなかったように感じるとあんずちゃんは報告された。
また『DDD』はアイドル業界の一大イベントである『SS』に出場する…真に『SS』に出場するのに相応しい、夢ノ咲学院の代表『ユニット』を選定するためのドリフェス…。この『S1』で勝利したユニットが、私たち夢ノ咲学院の名を背負って『SS』という名誉ある舞台に立つことができる、ということだ。
とんでもない話だ。なんでこのタイミングでそんなイベントごとを決めるのか…。しかも、今週末に開催なんて彼の考えてることは想像の遥か上、といったところだ。
翌日、『DDD』について教師から説明があった。
ほとんどのユニットが参加することになるだろうが、1週間後という短い期間で何から始めていいのか、わからないユニットは多いことだろう。その点、『Knights』は戦いごとに長けた人が多いから、新人の司くんの特訓あるのみと言ったところなのだが…。
『泉…?『DDD』出るんだよね?』
瀬名「何?珍しいね、あんたから俺に話しかけてくるなんて…出るつもりだけど、あんたは転校生のところへ行くんでしょ?まだ、1ヶ月たってないしねぇ〜」
『…どうだろ、一応サポートにつく予定だけどこんなイベントごとが発生するなんて予想してなかったし。『Knights』が出るなら私も『Knights』のことしないと、とは思ってる』
瀬名「へぇ…一応、『Knights』のプロデューサーって自覚はあったんだ」
『…泉?何か隠してるの?』
瀬名「何か…って何」
『わからないから聞いてる…。なんか泉変だよ…何隠してるの…?』
瀬名「あんたには、関係ない。」
『……』
瀬名「……っ、…とにかくあんたはあんたの仕事しなよ」
心臓が止まる感覚がした。泉は私の顔を見た瞬間、気まずい顔をして教室から出ていった。泉は、泉は天邪鬼みたいな子で…よく「うざい」とか「バカ」とか意地悪なことを言うけれど、それはいつも裏には彼なりの「好き」があった。けれど、今彼はなんと言った「関係ない」その言葉が私の足を床に止める。
彼の言う「私の仕事」には『Knights』のことは入っていない。そう言うことなのか、彼は私を『Knights』から存在を消したのか…そっか…
『…ははは、王様がいないと女王様なんて必要ない、かな。』
目から流れる液体が床に水溜りを作っていく。
放課後の誰もいない空間で私は1人下を向くことしかできなかった…。
中庭の木陰に座って泣き腫らした顔を冷やすために座っていた。こんなに悲しくて苦しくても、歌は流れてくる…。相棒のメモは使い切ってしまった。ペンを持ってただ絶望しましたって顔してボーッと空を見上げる。すると後ろから重い物体がのしかかる。
凛月「おい〜っす、こんなところで何してるの」
『ふにゃっ……り…りちゅ…』
凛月「舌回ってない…けど…何その顔…泣いたの?」
『あ〜…まぁ…歌詞書いてたら涙出てきて、みたいな』
凛月「誰」
『えっ…』
凛月「誰に泣かされたの」
『だから、歌詞書いてたら…』
凛月「うそ、そんな嘘を俺についてもバレバレだよ」
…凛月は真っ直ぐに私を見てくる。少し怒ったような顔はいつかの零さんに似ている…。でも言えるわけがない、泉に「お前には関係ない」って言われたから傷つきました。なんて言えるわけがない…
『誰に、とかはなくて…ただ自分の無力を嘆いているって言うか…』
凛月「『DDD』のこと、?エッちゃんが戻ってきて、なんか思い出すこともあったんじゃない?」
『天祥院くん、『Trickstar』を解散させて各チームにみんなをバラバラにしたじゃない?私、真くんが『Knights』に来るなんて知らなかった…私が最近『Knights』のことに一切触れないから、気づかない間に変な方向に『Knights』を巻き込んでる気がする』
凛月「ああ…あれはなんて言うかセッちゃんの暴走っていうか」
セッちゃんという言葉に肩を震わせる。すると、凛月は何かを察したように背中をさする。凛月はあったかい声で「女王様は、たまには他国のパーティーを見にいくことだってあるよ」と意味わからない例えをしてきた…。
でもこれは、他国のパーティーなんて可愛いものじゃない。これは戦争だ。やっと隣国を倒した優秀な兵士たちはその隣国をまとめる帝国に今国を脅かされてるんだ…
『凛月はさ、守ってた女王様が勝手に抜け出して…勝手に戻ってきたら…身勝手だ!って怒る?』
凛月「ん〜、怒るのはセッちゃんの仕事だからなぁ…、俺は女王様に無事でよかったってハグしてあげる、ほら♪」
『ふぎゃ……っ…もう…凛月はほんと猫さんみたいだね』
凛月の柔らかい頭を撫でながら、笑う。凛月はそうだ…いつもそう、私の考えが見えちゃうのかな…欲しい言葉がわかるのかな…
『ありがとう、凛月…もうちょっと待ってて、必ず見届けてから帰るから…だから、私を『Knights』のところに帰らせて…帰ってもいいかな…?』
凛月「当然♪紡は『Knights』の女王様だからね。前は寂しいって言ってたけど、今やらなきゃいけないこと…見えてるんでしょう?」
『うん…やらないと、後悔するし…たぶん彼に怒られちゃう「勿体無い事すんな!思いっきりやれ!」っていうと思うし…
あ…凛月…おねがいなんだけど…泉に、少し気を遣ってやって…なんか様子がおかしかったら…』
凛月「セッちゃん…?うん、わかった」
そういって散らばったメモを拾って凛月に一言伝えてから、その場を離れていった。凛月のおかげで身軽になった私はあんずちゃんに連絡をとってこの『DDD』について話し合うことにした。
あんずちゃんがいる限り、希望の光はまだ消えていないし、消させはしない…。
私の帰る場所
『本当は貴方のいるKnightsであってほしい』
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