MainStory〜第一部〜
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楽しい時間も束の間、
『Trickstar』のユニット練習が始まっていた。
まずは一通りダンス,歌とをあんずちゃんに見てもらい素人の意見を聞いた上で『S1』での演目を決めたい、とのことで現在『Trickstar』は歌って踊ってとあんずちゃんに自分たちのパフォーマンスを披露していく。
たまに意見を求められると、あんずちゃんは不安そうな顔でこちらを見るが、私が口を出せることでは無いのでその度に私は首を振る。
そうすれば、彼女は不安そうな顔をしつつも彼らに自分の意見を言葉にしていく、彼らがあんずちゃんを『プロデューサー』に選んだのだから、助言はしても答えはあげられない。
『Trickstar』のプロデュースはあんずちゃんがしないといけないことなんだ…。
それから、
『あんずちゃん、難しいことは考えないでいいんだよ。楽しんでいいよ。もっと楽しんでいこ』
そういうと曲をランダムで流される防音練習室のなかで、スバルくんが「あんずもこっちにおいでよ〜」と誘ってくるので笑ってあんずちゃんの背中を教えてやった。
すると、あんずちゃんは戸惑った顔をしながら『Trickstar』の輪の中に混ざっていった。
その姿はまるで『Knights』の結成されたばかりの私と彼と泉の姿を連想させた。
将来に夢を膨らませて、語り合って、笑いあった。
あの日々に、また一歩近づいた気がして、心が締めつけられる思いで防音練習室を後にした。
=音楽室=
防音練習室を後にした私の足が向かっていったのは作曲部屋の一つ『音楽室』だった。
『Trickstar』の輝く姿を見てはいつかの自分を重ねていた。
輝いて、一生懸命だった。ただ自分たちの夢を叶えるために、走っていく彼に必死に泉と共についていった。
でも瞬きをした瞬間に走っていたはずの道は崩れて視線の先には目の前に剣を突き立てられ、崩れ落ちる彼の姿だった。
そんな彼を見てから、半年以上経っただろうか。その日から『Knights』の歯車はズレていった。私はそれを見ていられなかった
なのに私はプロデュース科の生徒として選ばれ彼らの前に毎日姿を出さなくてはならなくなった。嬉しいと思う半面、私は逃げた自分に恥ずかしさを覚えた。それを払拭するように、また騎士の1人として王様に忠誠を誓えるように、革命児に力を貸して革命を成し遂げようとしていた。
少しでも、この状況が変わるように…
ピアノと向かい合って弾かずに見ていると携帯が連絡が来たことを伝える…
あんずちゃんからだ…、
内容はこう…
「楽曲が決まった。
全六曲、そのうち一曲ずつ各メンバーがメインを張ることになった
最初の曲は持ち歌
加えてもう一曲の持ち歌とプロが書いた一曲,私の曲が二曲
計四曲をメンバー、一人一人がメインを張る
そして、最後の曲は全員に見せ場を持たせる。メインの誰かが崩れても最後の曲で挽回する。
そういう構成にしたらしい。
そして、最後の曲は私の曲だったーーー」
プロの方には申し訳ないが、達成感を感じた。
プロに勝てたというのは作曲家冥利に尽きる。自分の実力が認められたそんな感じだ。
『私の曲は、彼らの革命に必要な曲に選ばれたんだ…よかったぁ…』
改めて、鍵盤に手を置いた。音楽室の電気はつけず月明かりだけが手元を照らしていた。
彼らはきっと解散したんだろう。楽曲も決まったし、ひと段落して明日に備えて…というところだろう。あんずちゃん無事に帰れるといいんだけど…
まぁ誰かが送ってくれる、かな
その時は知らなかった。泉が静かに暴走してるなんてーーーー
私の頭の中はあの日々に戻れるような予感に心踊っていた。一歩一歩確実に前進している感覚が私の心を踊らせて目の前の鍵盤がそれを形にするようメロディーを産み出していく。
『これは…そうだなぁ…階段を登る曲。次は世界が広がる曲…これから弾くのは…レオが戻ってくる…いやレオに戻って来てほしい曲…』
流れるメロディーに一区切りして曲に名前をつけていくと、最後に呟いた曲名にメロディーと一緒に涙が流れてきた…
その涙を私以外は知らない、だろう
過去を想う
「一人泣くなんてチョ〜うざい…」
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