MainStory〜第一部〜
NameChange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あのあと、凛月は重い瞼を擦りながら『Knights』の練習へと向かっていった。
その間に私は15曲あった楽曲を10曲に絞った。10曲あるうちから好きなものを選んでもらうことにしよう…そう思って、立ち上がるとちょうどいいタイミングであんずちゃんから連絡がきていた。
『今から、防音練習室…あぁ…あそこか、了解です…と、よし向かうか』
独り言を口にしながら鞄を持って『Trickstar』が練習しているであろう、防音練習室へと小走りで向かった
=防音練習室=
あんずちゃんの指示通り、防音練習室の前へたどり着いた。
後輩たちを驚く姿が見たい、と思いこっそりと練習室の扉を開ける。
あんずちゃんの姿はなかったが、『Trickstar』のメンバーが話し合っていた。
氷鷹「ピンときた曲があったら言ってくれ、演目に組み込めないか考慮する
俺たち『Trickstar』の持ち歌は、たったの2曲
そこにアクセントとして三曲ほど、軽音部の新譜を組みこむ。そして最後に、新曲を披露するつもりだ。
計六曲、死ぬ気で覚えてパフォーマンスとして完成させよう」
『私の曲もアクセントの候補にしてくれる?』
北斗くんの発言にグッドタイミングだと思い、声をかけると4人が一斉にこちらを見る。
すると真くんがこちらを見てキラキラした目でこちらを見る
遊木「私の曲って、もしかして紡先輩の曲!?あの依頼書を書いても30%しか通らないって言う狭き門を僕たち知らぬ間に潜ってた!?」
衣更「それって大丈夫なんすか?紡先輩の曲って『Knights』以外作ってもらえないって言われるくらい狭い門って聞きましたけど」
『自分が書きたいって思えば、いくらでも書くよ。実は10曲くらいあるんだけど好きなの使ってもらえれば』
氷鷹「じゅっ…あ…ありがたいが、夜永先輩がそこまでしてくれる理由が俺には…わからない…」
『後輩が頑張ってるのに、頑張らない先輩なんていないよ…君たちに出会ってから私は『Trickstar』のファンだから♪ファンはアイドルを応援してサポートしたいものだよ。』
明星「わーい!紡ちゃん先輩の曲、俺大好き!ホッケ〜早く聞こう!」
みんな嬉しそうにしてくれて本当に良かった。嬉しそうに近づいてきた真くんが「データお預かりします」って言うのでデモを渡して候補の10曲のトラック番号を伝えた。
手際よく曲を取り込み、彼らは掃除しながら楽曲を聞き始めた。
贔屓目が無いようにシャッフルで曲が流れるようにして、流れる曲に耳を傾けていた。
シャッフルの中には一曲、クオリティが違うものがあった。その曲に関してはみんないい曲だと言っていた。これはプロの作品だ。私も作曲家の端くれ、ある程度聞けばどんな人が作ったのかはわかる。
それでも、私には確信があった。あの曲はこの曲にも勝る。絶対勝てる、と確信している自分がいた。
遊木「これで全部だよ、氷鷹くん!」
氷鷹「あぁ、一度休憩にして楽曲については休憩があけたら曲を決めよう。」
衣更「じゃあ、俺転校生迎えに行ってくるよ、流石に遅すぎて心配だし」
氷鷹「そうだな、衣更頼めるか」
北斗くんが真緒くんにあんずちゃんを迎えに行くことをお願いし、真緒くんも了承するように片手を上げて練習室から出て行く。
明星「紡ちゃん先輩が、俺たちのために作った曲!どれだろ!」
遊木「僕、わかる気がするなぁ♪」
2人が楽しそうに会話する姿を見ながら、微笑んでいると北斗くんが近づいてくる
氷鷹「夜永先輩、曲ありがとうございました。どれも素晴らしかったです。」
『そっか、北斗くんは一通りの曲をすでに知っているんだっけ…』
氷鷹「はい…だから先輩が作った曲はわかりました。正直、俺が頼んだプロの曲にも引けを取らない作品でした。もし他の奴らが先輩の曲を一番だといったら曲の順番も変えようと思います。」
『それはプロの方に申し訳ないなぁ…』
プライドに触れる可能性がある。大切な問題だーープロでは無いがもし私が勝つための曲を書いてその曲をボツにされたらその人達の曲は今後一切書かない気持ちになる。
氷鷹「いいんだ、相手にも勝つために手段を選んでいられない、とは伝えてある。」
『ん〜、じゃあ満場一致だったら、いいよ。好きに使っていいっていったのは私だし、そこまでは意見しないでおくね』
氷鷹「ああ、改めて感謝する」
『どういたしまして』
2人でそのような会話をしていると
練習室のドアがゆっくりと開いていく。そこにはたくさんの差し入れを持ったあんずちゃんと真緒くんがいた。
あんず「紡先輩、すみません。ガーデンテラスに行ってて…」
『大丈夫だよ、おかえりあんずちゃん』
ところで、あんずちゃんが持っているその形容しがたい黒い物体は何だろう…
おにぎり…にしては大きい、男の子の手の中でも少し溢れるくらいのサイズだ…
持ってきた食料達を行儀悪いが床に置いてそれらを中心に『Trickstar』のみんなが座り、あんずちゃんは私の隣にパイプ椅子を持ってきて並んで座った。帰ってきたあんずちゃんは少し疲れた顔をしていたので慰め程度に頭を撫でてやると「ありがとうございます」と苦笑いをされた。
あんず「あれは一年生の仙谷くん…?が教えてくれました。」
『あぁ…千秋のところの1年生か、あんずちゃんすごいな誰とでも仲良くなれちゃうね。』
あんず「そんなことは…」
照れた顔でいうあんずちゃんは女の子らしく可愛かった。そう思っていたら、あんずちゃんの頭を撫でてしまった。
そうしてると北斗くんたちも近づいてきてあんずちゃんに差し入れの感謝をしていく…
金平糖シュークリームに興味を持つ北斗くんや独り占めにしようとする北斗くんに突っかかるスバルくん…賑やかな空間がそこには広がっていた。
そこには間違いなく新しいとはいえ、一蓮托生とされるユニットの姿があった…
防音練習室
『練習してないのに、食べたら太っちゃうよ?』
→