MainStory〜第一部〜
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一週間が経って、地獄の特訓から本日よりユニット練習に入る『Trickstar』ー。
放課後には始まるだろうか。書き続けた楽譜をもっていくとして、その前に零さんのところへ…いや、その前に…
このあとの予定について頭を巡らせていく。この一週間は本当にあんずちゃんにこの身を捧げるかのごとく
学校へ行っては授業とあんずちゃんの特訓に注力していた。授業のない時間はあんずちゃんの元へ行き、それはまるで通い妻のようだと隣の席の薫くんが笑っていた。
今日のお昼は話があるのでとあんずちゃんとの特訓は断っていた。
昼休みに入り、職員室へと向かう。最近の学校生活についての話を数分行なった後に戻っていいとのことで、教室へと戻っていく。
そういえば、あんずちゃんが放課後に武道場に来いと果たし状?のようなもらったと聞いた。その話のついでに例の件についてお願いできないか、鬼龍くんに聞いておこう。
そう思って、鬼龍くんに会いに行くことを決め、隣のクラスへと足を向けて行った。
隣のクラス 3ーBには、初めて顔を出す気がする。クラスのドアからヒョコリと顔を出すと一番に気づいてくれたのはナズだった。
仁兎「紡ちん?珍しいな、こっちのクラスを覗きにくるなんて」
『ナズ、鬼龍くんっているかな?』
仁兎ナズナ、隣のクラスの3年生ではあるがその容姿は高校3年生男子には見えないほど愛らしい。なので、ユニットもそれに相応しい愛らしいユニット『Ra*bits』のリーダーをしている。普段は会話が成立するんだが一線を越えるとカミカミになってしまうのが玉に瑕だ。
仁兎「紅郎ちん?ぁあ、いるよ!ちょっと待ってろ!」
『うん、ありがとう』
そう言ってナズはタタタと走って行き、席に座っていた鬼龍くんといくつかの言葉をかわすと、鬼龍くんは席を立ちナズと一緒に戻ってきた。
鬼龍「どうした、紡。お前がくるなんて珍しいな」
『ごめんね、お昼休みに実はお願いがあって、他言無用でお願いしたいんだけど…』
鬼龍くんは首を傾げながらも私の話を真剣に聞いてくれた。
その内容に関しては少し難しい顔をしながらも「わかった」と返事をして頷いてくれた。
生徒会側である『紅月』に所属している鬼龍くんだが、その実現状に納得していない人物の1人だろう。
昼休みも終わる頃鬼龍くんと話し込んでしまったと思いつつ自分の教室へと戻っていった。
今日の授業も全て終わり、放課後が始まった。
あんずちゃんから「行かないと行けない場所があるので練習場所が決まったらご連絡します」と連絡があったので、私は了解の連絡を返し折り返しの返事を待つために、作曲場所の一つであるガーデンテラスへと足を向けた。
ガーデンテラスのソファーには先客が座っていた。
『凛月…』
凛月「ふぁあ、ふ…紡だぁ…会えるなんてラッキー♪」
『何してるの?昼寝?今日は練習ないの?』
凛月「いーや、少し経ってから練習があるから仮眠だよ、この時間のここ人少ないから…」
眠そうな目を擦りながら体を起こした凛月が隣をポンポンと叩く。座れってことだろうから、私も腰を下ろす。
凛月「最近、どーう?俺たちをほっといてま〜くんたちと色々してるみたいだけど」
『ま〜くん?』
凛月「衣更真緒。俺の幼馴染なんだよねぇ〜」
『あぁ真緒くんか…ん〜まぁそうだね色々してるけど正確には転校生のあんずちゃん、とって感じ』
そう曖昧に返しながら、鞄から楽譜を取り出す。
そんな私を見ながら凛月は話を続けた。
凛月「紡はさ、もっと俺を頼ってくれていいんだよ?今の紡は心配だなぁ…」
『ん〜、そんな心配されることしちゃってる?』
凛月「セッちゃんもナッちゃんも心配してる。『Knights』のとこに来てくれないってのもあるけど1人で走ってるって感じ…」
『1人で走ってる…?』
訳が分からず、楽譜の選別をしていた手を止め、凛月に対して首をかしげる。
1人で走る、私はいつ1人になったのだろうか。ここ最近はあんずちゃんとスバルくんと一緒にいた。クラスでも隣の席の薫くんが話しかけてくれているし、1人ってことは…
凛月「俺は寂しいなぁ…騎士は女王様を守るためにいるんだよ?」
『あぁ…そっか、凛月は寂しいんだ…そっか、そうだね。私も寂しかった』
凛月「え?」
『ほんとはね、『Knights』のみんなとS1出たかったんだ…実はね、『Knights』の曲こっそり書いてたの。でも器用じゃないから、どっちかしか選べなかった。』
私も騎士の1人なのに、『Knights』と『Trickstar』を勝手に天秤にかけて
あろうことか、革命を優先して『Trickstar』を選んでしまった。
凛月「ふふ…♪気づいたならいいよ。大丈夫、体調崩して倒れたりしたら俺でも怒るけど
紡もたまにはやりたいことを優先したっていいの。
作った曲は次のライブで披露しよう♪早く聞いていっぱい歌いたいなぁ…」
凛月は言葉にしていない私の言葉を汲み取ったのかのように頭を撫でて大丈夫大丈夫と言ってくる、それはまるで皆まで言うなと言っているようで私もそんな凛月に甘えて、再び目を離した楽譜に戻す。
凛月はまたわかりきったような顔で私の肩に頭をのせた
気づかなかったこと
『凛月練習行かないの?』
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