再構築*涙と誓いの戴冠式
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私の言葉に『Knights』のみんなが笑う。それに安心して涙をタオルで拭って再度顔をあげると、レオがみんなにマイクをオフにして囲まれていた。
私は何が起きているのかわからず、その様子をじっと見つめる。すると、会議は終わったのか。泉に背中を押されてレオが一歩前に出る。
その表情はどこかステージに立つ時の緊張感ある表情ではなく、ただただ緊張してる顔…まるで、好きな子に告白するような…?
月永「…えっと…その…夜永紡さん!」
『へっ⁉︎は…はい…』
月永「結婚してください!」
『……へぇ⁉︎』
鳴上「ちょっとォ!順序!急展開すぎよォ!紡ちゃんがジェットコースターで急降下した時みたいな顔してるじゃない!」
朱桜「そ…そうです!ここまでいい雰囲気を作ったというのに!貴方はそれを台無しにするのですか⁉︎」
月永「だ…だって!女の子はストレートがいいものだろ⁉︎」
みんなは私を置いて、またステージ上で会議を始めた。私はというとレオの言葉が頭の中をループしていた。『結婚してください』…?彼は今そう言ったのかな…うん、そう言った。私の聞き間違いでなければ…。
月永「ん、んん!今の聞かなかったことにして!」
『はぁ⁉︎今のを⁉︎』
月永「記憶から消してくれ!」
『なんなの⁉︎何この人怖い!今まで一番怖い!』
月永「とりあえず聞いて!
おれ!小さいころから、紡のことが好きだった。けど、関係を壊すのが怖くてずっと…ずっと言えなかった。
戻ってきてからも、おまえを…『Knights』を捨てたおれが『Knights』からおまえを奪うなんて許されることじゃないって思ってた。だから、ずっと言えなくて…
だから…おまえに告白された時、本当に天にも昇る気持ちだった。その気持ちだけで、一曲…いや数百曲はかけるかと思ったぞ!
それから、おまえと恋人として過ごした時間はどの時間も愛しかった。幼馴染っていう枠をこえて、本当に恋人になったんだって実感できた。もちろん、アイドルとプロデューサーだし何かと制約がある…。きっとそれは、今もこれからもだと思う。おれは気にしないけど、おまえが気にしちゃうもんな…。それに、大人になるにつれいろんな人と関わって気が変わるかもしれない。
でもおれはこの間気づいたんだ!おれはきっとこれから先、どんな美人にあってもどんな性格がいい子に出会っても、おれは紡しか愛せないって気づいちゃったんだ…だから…だからさ紡…
これから先も俺だけのお姫様でいてくれる…?」
レオはどこから取り出したのか、可愛い花束を前に差し出す。私の中の答えなんてとっくに決まっている。ずっと…私も思ってた、きっとどんなに素敵な男性に出会っても貴方以上なんて存在しない。私もきっと貴方以外は愛せない。
『私もきっとレオなしじゃ生きられない…だからさ、私をレオだけのお姫様にして…?』
月永「あっ…う…うん…!大好きだ!愛してるよ、紡!」
『えっ…⁉︎えぇ⁉︎ちょっと待って!怖い!』
レオはステージから飛び降り、私の目の前にくると私をお姫様抱っこする。当然、客席はそんな振り回されるほど広くないためどうなるのかわかったものじゃない。それにレオと私はそんなに身長が変わらないため男女の差はあれど恐怖心は拭えない。
レオはそのまま私をぎゅっと自分に寄せる。おでこをコツリとぶつける、最初は目を閉じていたがずっとそのままだったのを不思議に思い、ゆっくりと目を開ければレオを目が合う。
月永「幸せだ。紡、ありがとう」
『……こっちこそ、ありがとう。私も幸せだよ、こんな素敵なライブ…素敵な言葉…それに素敵な王子様…レオ、ありがとう。大好き』
月永「あぁ…、紡改めて言わせて?」
『なに?』
月永「おれと結婚してください」
『はい、喜んでっ!レオくん!』
私がおでこを離して笑うとレオは再び私に顔を近づけて、また見つめる。そうすれば、どちらともなく目を閉じて唇が重なる。その柔らかい感覚にひたっていると後ろから「きゃ〜ん」と声が上がって二人してギョッとしてステージを見る。
そう言えば…みんながいるのをすっかり忘れていた。先ほど声をあげたであろうナルちゃんは両手を合わせてクネクネしつつ、時折凛月の肩をバンバンと叩いていた。肩を叩かれている凛月はニマニマと笑ってこちらを見る。司は両手で目を覆い指の間からこちらを見る。泉はそんな司の肩に腕を乗せ凛月同様、ニヤニヤとこちらを見ていたが、その顔はどこか涙目のようにも思えた。
レオは私のことをゆっくりと降ろし、みんなの方を向く。
月永「見ただろっ!紡はおれのだから!絶対手を出すなよ!特にスオ〜!」
朱桜「なっ!私がそんな真似するわけないでしょう⁉︎失礼にもほどがあります!」
鳴上「まぁまぁ、いいじゃないのォ!照れ隠しよォ!紡ちゃん!おめでとう!」
凛月「おめでとう、紡」
瀬名「紡、おめでとぉ〜」
『うん、ありがとう。みんなっ!』
月永「おまえら〜!そこはおれにも言えよなぁ〜!」
みんなが私に向かって祝福の声をかけてくれる。そのおかげで、なんとなくプロポーズされた実感が湧いてきた。小さい頃の自分に教えてあげたい、レオくんは本当に私の王子様になってくれたよって。レオが『Knights』を離れた時の私に教えてあげたい、レオは戻ってくるし私はちゃんとレオと向き合えたよって…。過去の私に教えてあげたい私は…。私は…
『レオっ!私は世界一幸せだよっ!』
月永「…!あぁっ、おれもだ!」
私たちはふたり、いや6人揃って笑いあった。紆余曲折あったけど、丸く収まったのかな…?
ううん、これも新しい始まりなんだよね…。きっとこれからもっともっといろんなことがある。それでも私たちの音楽は止まらない。
『これからもみんなで響かせよう、私たち『Knights』のアンサンブルをーーー!』
愛を込めて
これは最高の終曲であり、序曲にすぎない
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