再構築*涙と誓いの戴冠式
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*凛月said
なにが、『二人の騎士に守られて、女王と時を共にした場所へ』だよ〜、すごく待たせてくれるじゃん…。
だいたい、女王様ってもう実質退任?なんじゃないのかなぁ…時を共にしたって…中庭ぁ?ガーデンテラス…?屋上…いや、紡のことだ。これは音楽室一択だよね。そう思って、入った音楽室には誰も居なくて、俺はウトウトとピアノに腕をかけて目を閉じる。きっと、いつかくるでしょ…
『凛月…!おはよっ!また、朝まで音楽室にいたの?もう七不思議の一つが身内なんて恥ずかしいから。いい加減、家に帰りなよね?』
凛月「紡…あれ…?朝…?」
『なに寝ぼけてるの?あぁ!待って言わないで妄想するから!』
凛月「待って、卒業したんじゃないの…?」
『はい…?まだまだ現役ですけど』
ふと目をつぶって眠りこければ、すぐ揺すられ声をかけられる。紡は見慣れた制服を着て俺の顔を覗き込み頭に?を浮かべていた。
『凛月?珍しいね、寝坊助さん…?』
凛月「寝坊助…なのかなぁ…」
『ふふふ、私たちは卒業するんだから。凛月が、しっかりしないと』
凛月「卒業…?」
『うん。凛月が後輩を守るんだよ…?』
あぁ、そうだ。夏頃にそんなこと言われた気がする。そんな前のことすっかり忘れてた。あの時はまだ紡たちが卒業することや、『Knights』がどうなるかなんて俺にはさほど興味なかったかもしれない…。
でも今ならわかるよ。紡が言ってたこと、理解してる。三人が卒業した今、俺が長男だもんね。ふふっ、大丈夫だよ。紡に言われなくても、そのつもり…。俺もみんなと『Knights』を守るから…
『お〜やっぱり凛月がいる♪ピアノ弾いてもらいながら入場すると、これまた女王様の感覚を取り戻すなぁ〜♪ふふふっ』
凛月「紡…」
朱桜「凛月先輩!ここにいらっしゃったのですね!」
『ナルちゃん?『王さま』を連れてって』
鳴上「は〜い♪じゃあねっ、凛月ちゃんまた後で会いましょっ♪」
まるで嵐のような…そんな光景だよねこれ…。急に三人が現れたと思ったら、一気に二人っきりにされてしまった。
紡が笑って二人を見送ってから、俺の元へと近づいてくる。いつもみたいにピアノ椅子を二人で分け合う。
凛月「いいの?こんなとこ王さま見たら怒るよ?」
『ふふっ♪王さまはさっき見てたでしょ?』
凛月「えっと…、レオくん…?」
『レオくん…!あははっ!凛月が?レオくん!可愛い〜〜!』
しょうがないでしょ…まだ迷ってるんだ。今までずっと『王さま』って呼んでいたから、なんて呼んでいいかわからないまま。そのうち俺オリジナルのあだ名にするから…♪
すると、紡は鍵盤に手を置き俺にアイコンタクトを送る。俺もそれに合わせて鍵盤に手を置く。でも、何の曲を…?
『ねぇ凛月。君には意外と何度も何度も伝えたけど…
改めて言わせて?
朔間凛月くん、出会ってくれてありがとう、それと『友達』になってくれてありがとう♪『Knights』に入ってくれてありがとう♪
一緒にピアノを弾いてくれて、一緒に歌ってくれて、一緒に昼寝してくれて…一緒に居てくれてありがとう
私の悩みを解決してくれて、本当に君はエスパーみたいだっ!ってずっと思ってた!たぶんね?私がこの世で一番感謝を伝えたい人って両親を除けば絶対凛月!だからさっ!こうやってピアノで感謝を伝えるっ!』
凛月「ちょっと!アレンジしないでよ!合わせらんないっ!」
『あははっ!それでも合わせられるのが凛月!』
凛月「っていうか、感謝伝えたいのって俺よりセッちゃんとかレオくんでしょ?」
『レオは愛を!泉には激励を!』
凛月「それはレオくんに直接言ってあげなよ」
『馬鹿だなぁ…好きな人には愛を囁いてほしいのっ』
凛月「うゲェ…身内のそんな話聞きたくないんだけど」
『自分で聞いたんでしょっ!』
そう言うと紡はまた鍵盤に指を滑らせて、俺の知らない曲を曲中に加える。それに対応するのに苦労する、全くワガママな子だなぁ…
『凛月!愛してるよっ♪』
凛月「なっ…それはレオくんに言ってあげなよっ!」
『私の大事な『友達』。かけがえのない『宝物』だよっ♪』
凛月「宝物…あぁ、そう言うことねっ」
息を合わせて、曲を終わらせると紡は伸びをしてから窓際へと歩いてから振り返る。
宝物…紡の事かと持ってたけど、紡の宝物って事だったんだね…。
『凛月、もう独りじゃないよ。一緒に陽の光を見に行こう、辛くなったらいつでも言って?私が日傘をさしてあげる。眠くなったら陰に連れていってあげる。出遅れても私が一緒に歩いてあげるよ!これからはみんなと一緒に頑張ろう!
だって、凛月は『Knights』の最高のメンバー朔間凛月で、私の大事な世界一大事な『友達』の朔間凛月だからっ!』
凛月「うん、もう……今は孤独じゃないね。『Knights』のみんなが俺を光の中に入れてくれた。そのきっかけは全部全部紡だったかもね…俺も紡に出会えてよかった。俺も紡のこと愛してるよっ♪」
『あははっ、異性からの愛の言葉はレオ以外受け付かないからごめんなさいっ!』
凛月「あはは、今すっごく殴りたい」
『あはは、ごめんね?』
まったく、この子は…最近予測不能すぎる俺にもわからない。何だか、よく夫婦は似るっていうけどそれなのかなぁ…
凛月「紡とレオくんの子供ができたら、まず一番に俺に抱っこさせてね?」
『え…なんの話?怖すぎる…』
凛月「ふふ…こっちの話」
『明らかに聞き慣れた固有名詞が、聞こえたけど…』
紡は頭の上に?を乗せてウンウンと唸っていたけど、俺は?を払うように撫でれば、紡は顔をあげて俺と目線を合わせる。
凛月「紡…いや、夜永 紡さん♪ご卒業おめでとうございます。
君に出会えて本当に良かった。俺を朔間凛月じゃなくてただの凛月として見てくれてありがとう。これからもずっと『友達』でいてね。これからも、よろしく♪」
『にゃはは…面と向かって言われると照れるなぁ…うん、凛月♪これからもよろしくねっ!』
紡と俺は握手を交わしてから一緒に音楽室を後にする。宝石磨きに宝石自ら女王様との思い出を辿るなんて…。まったく紡らしいよね…だから、紡からはいつまでたっても目が離せない。ほんと、俺を見つけてくれてありがとうね
ーーー紡
今は孤独じゃないね
凛月「ほんとは、もっと前から孤独じゃなかった。君がいたから」
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