再構築*涙と誓いの戴冠式
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*鳴上said
紡ちゃんから渡されたメッセージカードには『陽だまりの中で、貴方と二人』と書かれていた。きっと、ガーデンテラスのことねェ。このメッセージを見た時に、去年の秋頃かしら、二人でガーデンテラスの席でお茶していた時に紡ちゃんが言ってたことを思い出す。
秋に入ったばかりの頃かしら…、二人でお話しながらお茶していて紡ちゃんがジーッと何かを見て、微笑んでいるのが気になって声をかける。
鳴上「紡ちゃん?どうしたのォ?よそ見して笑っちゃっていい男でもいた?」
『えっ…いい男って…ん〜、それなら目の前にいるよ?』
鳴上「あらやだ!口が上手ねっ、…でも本当にどうしたのォ?」
『あのへんの陽だまりで凛月がよく寝てそうだなぁ〜って…それと、ナルちゃんは『Knights』の陽だまりのような人だよなぁって…ふふ、な〜んて妄想してた』
鳴上「なぁに、急に?褒めても何もでないわよォ?」
『何もいらないよ…『Knights』にナルちゃんがいれば、それだけで充分♪』
鳴上「あらあら…」
なんて会話をした。去年の話だけど、それを思い出してしまったからにはきっとガーデンテラスが答えに違いないわねェ。
のんびりそっちの方へと向かえば、テラスに鼻歌を歌いながらメモをとっている紡ちゃんの姿があった。
目の前に座れば、アタシに気づいたようで「見つかっちゃった☆」と笑う。
鳴上「いったいどうしちゃったのォ?急に宝探しなんて」
『ふふふ、ナルちゃん』
鳴上「なぁに?紡ちゃん」
紡ちゃんは笑ったまま私の頭を髪型が崩れないように優しく撫でる。少し驚いた顔をすれば、紡ちゃんは「ごめんね?」と椅子に座り直す。
『鳴上嵐くん、『Knights』に入ってくれて…私と出会ってくれて、ありがとう。
あなたは心から信頼できる親友です。『Knights』では八方美人なんて言われちゃったけど、私にはいつも正直でいてくれてありがとう。
それだけで、少し優越感を感じていた私がいたの。嬉しかった…。でもこれからはもっとみんなに自分のことも話していこ?私もだけど…
ナルちゃんのこと私がもっとこうすれば、なんて思うのも烏滸がましいし後悔したってもう遅いよね?だから悲しい話題はやめるね?
…私にとっても『Knights』にとっても、ナルちゃんは陽だまりのような人だよ。
一緒にいると暖かくて、一緒にいると笑い合えて幸せを分かち合える…。そんな存在だった。
世界一綺麗で可憐で、強くて素敵な子、ナルちゃん!親友になってくれてありがとう!これからも、ずっと親友でいて?そして、これからは私もそして『Knights』のみんなもあなたの陽だまりになれるように頑張るから!これからも一緒に頑張っていこうね』
驚いた。正直、そんな風にアタシのことを考えてくれてる人がいるなんて思っていなくて、アタシはただ、貴女のことが大好きで可愛くて、年上だけど妹みたいで素敵な子…。
一緒に…そうねェ、アタシたちにはまだこれからがあるものね。後悔するより一緒にその先を見据えたほうがよっぽど有意義よねェ
気がつけばアタシの頬から水分が溢れてきて紡ちゃんが慌ててハンカチを差し出してくれたけど、それを断って自分のハンカチを取り出す。きっとこれからみんなのこと泣かせに行くんでしょォ…トップバッターに使うべきじゃないわァ…
鳴上「もう…急に何よォ…泣かせにくるなんてひどいわァ!」
『泣かせるつもりは…!あぁ…泣かないでよぉ…ナルちゃんは泣かないと思って最初にしたのに…!』
鳴上「泣くに決まってるわよ…もう…ステージ上だったらお客様に顔向けできないレベルよォ…」
『…でも、ここはステージじゃないから…ね?』
鳴上「紡ちゃん…アタシこそ感謝よ。貴女と出会えて、よかったわァ、おかげで一緒にいた時間全てがいい思い出だわ…辛いのも楽しいのも全部全部…紡ちゃん…ううん、夜永 紡先輩、ご卒業おめでとうございます。これからもよろしくお願いします。」
『おぉ…ありがとう…。こちらこそよろしくね、ナルちゃん』
アタシが涙でグズグズになっているのを見かねて、紡ちゃんが椅子を隣に持ってくる。そして、背中をさすってくれてその手がなんだか暖かくて男のくせに…ダメねェ、こんなに泣いてしまって…かっこよくも美しくもないわァ。
アタシらしくない。それでもそんなアタシらしいところもらしくないところも受け入れてくれる、そんな紡ちゃんが大好きよ。
鳴上「紡ちゃん、大好きよ」
『…うん、私もナルちゃんのことが大好き!』
鳴上「ほんと、貴女は羨ましいくらい綺麗に笑うわよねェ」
『ナルちゃんや泉みたいに綺麗じゃないよ?司くんみたいに可愛くもない。』
鳴上「…貴女は女の子でしょ?比べる対象が違うのよ。」
『ふふ、じゃあナルちゃんも羨ましいくらい綺麗で可憐で…かっこよくて、たくましい…そして何より可愛いよ』
鳴上「…うふふ、ありがとう♪」
紡ちゃんの笑顔を見ていたら、泣いてるのも馬鹿らしくなっちゃうわねェ。こういう時こそ笑わないと、ダメよね?二人でいるときは泣くよりも笑って幸せを分かち合うほうがハッピーになれるわよね?
鳴上「ありがと、落ち着いたわ。……それで本当にこの宝探しはいったいどういう意図なのォ?」
『私の宝物に愛を囁くための貴族の遊戯だよ
貴族は宝石や絵画とかの宝物を集めて、それを磨くたびにそれに愛を囁くの…。そのほうがより綺麗になるからって迷信を信じてね?
だから、私もしようと思うの。私との時間を宝のように思ってくれる宝石たちに磨いて磨いてより綺麗になってもらうために!』
鳴上「それって…じゃあ宝物は紡ちゃんじゃなくて…」
『もちろん!ナルちゃんのこと!
ナルちゃんは私の最高の My ”JEWEL STONE"だよ♪』
鳴上「もう…この子ったらァ!」
『ふギュっ!ちょっとナルちゃん⁉︎首が!首が絞まってるよぉ!』
最高の笑顔をアタシに向けてくれるこの最高の女の子に最高級のハグをあげるわァ!何が私の宝よォ!貴女こそアタシの……『Knights』の最高の宝物よォ!
アタシの腕の中でジタバタする子を逃さないように抱きしめる。まだ…もう少しだけでもこの時間が続いたっていいじゃない…次が誰かは知らないけど、もう少しこの子はアタシのもの…なんちゃって…
最高の My ”JEWEL STONE"
鳴上「ほんと、貴女が幸せそうで本当によかった」
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