再構築*涙と誓いの戴冠式
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時は進んで『返礼祭』後のお話ーー。
有耶無耶になってしまった『レクイエム』の結果や『Air』の話。そして、あんずちゃんが自分に課していたプロデュース科の『返礼祭』の話をまとめるために私たち『Knights』とあんずちゃんはセナハウスに集まっていた。
私たち三年生は卒業式も終わり『返礼祭』も終わって卒業生という立場で学院に入っていた。
月永「おれの愛しのこたつをどこにやる気だセナ!」
瀬名「処分するんだってば!スタジオにずっと置くわけに行かないでしょ⁉︎」
凛月「俺の炬燵をセッちゃんが奪いさろうと…うぅ…」
鳴上「スタジオは授業でも使うんだし、置いとくわけには行かないでしょ…?」
朱桜「そうです!処分するべきです!」
あんず「あのぉ…紡先輩これは…」
『炬燵大戦争だねぇ…まぁ処分党が多いから圧倒的敗北だけど』
かく言う私も処分派だ。流石に、卒業生の持ち込んだ物を…ましてや授業で使えない炬燵をスタジオに放置していくなんて…。
それにメンバーの誰も家に持って帰ろうとしないなら処分しか道はないだろう。
『あぁ…もう!炬燵は処分!椚先生に粗大ゴミとして出してもらうようにお願いしてるから!文句言わないの!
これから春本番だよ⁉︎いつまで炬燵に頼ろうとしてるわけ、かっこ悪いなぁ!』
月永「うぐ…かっこ悪いって…」
『それに、そこまで言うなら自分の家に持って帰ればいいでしょ。
そんな気もないのに、置きっ放しにされる炬燵が可哀想!』
朱桜「炬燵と言うのは生き物かなにかなのでしょうか…?」
瀬名「そう言うわけだから、これは処分!以上、時間ないんだから議論の余地なし!」
『はいはい!撤収!』
そう言うと泉とナルちゃんがこたつを持ってスタジオから出ていく。行き場を失ったレオと凛月が「こたつぅ」と嘆いているが、それを無視して机と椅子を準備して話し合えるようにする。
『あんずちゃん、座ってていいよ』
あんず「いえ、私もお手伝いを…」
朱桜「いいのですよ。お姉さま、もうほとんど片付いていますし。あとは先輩方が戻ってくるのを待つだけです。」
『そう言うわけだから、気にしないで?』
あんず「はい…」
あんずちゃんが大人しく座って、私がその隣に座れば凛月もレオも司くんも座り始める。少し待っていれば、泉とナルちゃんが戻ってきて全員揃って席につく。準備しておいたお茶をそれぞれの前に出し、一息つく。いつもは円卓会議なんて洒落た名前をつけている『Knights』の会議もこの雰囲気じゃ、井戸端会議の間違いのようにも思う…。
『それでは、改めて『Knights』の『レクイエム』含め諸々の結果発表を行います。順番通りに言わないと、私が混乱するのでみんな大人しく聞くように』
月永「なんだか結果わかってるのにソワソワするな…」
『そこ、茶々入れない。
じゃあ、まずあんずちゃんが言ってたプロデュース科の『返礼祭』について、『Knights』の成績が上位三番以内であればあんずちゃんも私も失わないって言う条件でしたが、見事三番以内で条件クリアでした。前半戦、他のユニットにも負けない素晴らしいステージでした!拍手!』
あんず「いえ、まだまだ紡先輩には…」
凛月「いいんだよ。結果を出したことには変わりない…。それに、これからもあんずと仕事できるからこっちとしても助かったねぇ」
『うむうむ!素晴らしい!そして、前半戦に託した『Air』の結果だけど、これも見事一番の好成績…つまり、一位をとったわけだ!裏で『レクイエム』が行われていたとはいえ、それでもステージのクオリティは素晴らしい!
みんなは私に最高の『オペラ』を聞かせることができました!私は『Knights』を卒業しません!流石に、女王様は退任するけどね。あくまで私はレオの『女王様』だからね♪
最高の『アイドル』への第一歩確かに受け取りました!
そして、前半戦に行われていた『レクイエム』は得票数一位で鳴上嵐くんが優勝し『王さま』となりました。
しかし、悪魔……いいや、吸血鬼の悪い囁きで『王さま』の命令でナルちゃんから司くんに王冠が移されました。
よって、新しい『王さま』は朱桜司くん。それでいいかな?』
朱桜「はい!確かです!」
結果を話せば、みんながうんうんと頷いていた。そして、ここからが本題だ。
私はカバンからみんなに渡すために準備した封筒を取り出す。
『さて、ここからが将来の話。
『返礼祭』では有耶無耶で終わった『戴冠式』だけど、王さま……ううん、旧王の依頼によって盛大に執り行います。
場所はヨーロッパのフィレンツェ!』
瀬名「はぁ⁉︎フィレンツェ⁉︎」
鳴上「海外で行うの⁉︎そんなお金…」
『ご安心を…!ここに封筒があります!中身は日本からフィレンツェ …イタリアに向かう飛行機のチケットです!私とレオからのささやかな贈り物…♪』
月永「有り難く受け取れ!卒業旅行の切符だ!おまえらには散々苦労をかけたしな!お詫びも込めて!」
朱桜「こんな!いただけません!」
『…そっか、司くんは『戴冠式』行いたくないのか…』
瀬名「…俺このチケットもらっても困るんだけど」
『泉のはチケットじゃないよ!安心して!
とにかく!そのチケットでフィレンツェに来てもらいます!女王様の最後の命令です!拒否権はなし!昔の王政も新しい王様より前の女王様の方が権力を持っていた時代もあるから、司くんも拒否権なし!』
朱桜「えぇ…横暴です…」
『とにかく卒業旅行も兼ねて『Knights』はフィレンツェで『戴冠式』ライブを行います。女王様の最後の完全『プロデュース』ライブになるので、心して取り組むように!』
凛月「え…?最後…?」
朱桜「どういうこと…でしょう…?お姉様は『Knights』を卒業しないのですよね…?」
瀬名「言葉の綾でしょぉ…?言い方気をつけなよね。」
あんず「紡先輩は、月永先輩と一緒に『王さま』と『女王様』を退任するので、『戴冠式』が最後の仕事になるんです!」
凛月「なるほどねぇ…じゃあ尚更『戴冠式』やるしかないよねぇ、ス〜ちゃん♪」
朱桜「…なるほど、ではホテルなど手配は私が行います。いくらお姉様や……レオさんが作曲でお金をいただいてるとはいえ、そこまでお世話になるのは朱桜の名が廃ります…」
月永「ふふん♪…紡!アレを…!」
『はいはい…』
レオに言われてまた違う封筒を差し出す。その中を受け取った司くんが見るとまた目を見開いて驚愕の表情をする。
『残念ながら泊まるホテルももう決まっています。『Knights』のプロデューサーを舐めないでもらえます?
会場もホテルもチケットも…全部押さえてるし、衣装の発注もステージの図案も全部終わってま〜す。あとは君たちが来て最高のライブをするだけ』
凛月「仕事が早いねぇ…」
『『返礼祭』でいなかった間に、進めてたの…ずっと『返礼祭』にぶつけられない熱量を『戴冠式』にぶつけてた!
だから…これが本当に六人の『Knights』の最終楽章だよ!』
そういえば、みんなが笑顔で頷いてくれた。
本当の最後はあと少し、それまでにもっともっと『Knights』の剣を研ぎ澄ましていこう
最終楽章
『終わりはまだまだこれから』
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