レクイエム*誓いの剣と返礼祭
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*嵐said
……さてと、ここからが大変ね
『王さま』と、司ちゃん……。ふたりの真意を、ほんとの気持ちを確かめないまま一方的に命令をしてもいいのかしら
アタシの望む未来のために、無理やり首根っこ掴んで従わせてもいいのかしら
それは、酷いことなんじゃないかしら……。あぁもう、こんなときにまで弱気の虫が顔を出す
袖にいる紡ちゃんが不安そうにこっちを見てる…。
だめよ…勝者の権利を行使して、望む未来を手繰り寄せるって決めたんじゃない
でも、怖い。ふたりの内心が、アタシが思っていたのと違っていたら?アタシはこれから、とても馬鹿なことをしようとしてる……としたら?誰も、望んでいないことを……
紡ちゃんが悲しむことになったら…
朱桜「……あぁっ、ようやく理解しました!」
鳴上「ひゃっ⁉︎きゅ、急に大声を出さないで頂戴……悪い子ね!」
司ちゃんの大きな声が会場に響く。考え事をしていたからなのか、それでも周りのみんなも驚いてるからきっとアタシだけじゃないわよねェ…
朱桜「失敬!すみません、いろいろ合点がいって思わず声が出ました!鳴上先輩。もしかして……という話なので、誤りであれば訂正をお願いします
先輩は、もしかしてその王冠を私に与えてくれるつもりなのでは?」
鳴上「えっ……う、うん。そうよォ、『王さま』が王冠を与えるって決めたのは本来あんただしね
あんたが固辞したせいで、ややこしいことになってるけど
いろいろ考えて、やっぱりあんたがいちばん相応しいってアタシも思ったの。それをいちばん欲しがってるものに、何もかも与えられるべきよ
あんたが、アタシたち『Knights』を前へ進ませた。ここまで導いてくれたのよ、喧嘩したり躓いたりもしたけど……あんたらしい、真っ直ぐな道を歩かせてくれたの
願わくばこれから先も、って望むのは駄目?
血で汚れてない、何の罪も負ってない新しい『Knights』として生きていきたい……って思うのは罪なのかしら?
あんたなら、アタシたちをもっと輝かしい場所へつれてってくれる。夢の千年王国にね。そう期待してるし信じてるのよォ、司ちゃん
今回、アタシたちは前代未聞の苦難に見舞われたわ。でも、あんただけは変わらなかった
ひとつの傷も負わずに、確固たる足取りで歩いてたの
強くて立派で、頼もしいわ。アタシは、それでもまだ未熟なあんたを支えて前へ進みたい。他のみんなと一緒にね、これからも『Knights』として
それがアタシの、偽らざる本心」
そう、アタシはこの子を。この末っ子を。支えてこれからの『Knights』を守りたいの。今までのこのメンバーで…、このままの『Knights』で進化し続けたいのよ。
鳴上「アタシは責任や責務に煩わされる『王さま』にはなりたくない、それを望んで楽しみながら行えるような誰かに託したいわ
情けない責任逃れに聞こえるかもしれないけど、アタシはそう思っちゃうの
アタシはモデルよ、己がいちばん美しく見える立ち位置を求めてる
だから。『王さま』としての命令権で、有無を言わさずあんたに王冠をかぶるように告げようかと思ったの
王さまの命令は絶対、だからあんたは拒否できない。真面目なあんたはね
でもさァ……やっぱり躊躇っちゃうわ、だってあんたは一度それを拒否したんだもん
泉ちゃんからそれとなく聞いてるけど、何かおうちの事情があるんだって?そんなの、子供が駄々こねたって仕方ない……。どうしようもない話じゃないの、決して逆らえない運命よ
それを強引にねじ曲げたら、どんな悪影響があるかわからないわ」
だってだって…なんて自分の気持ちと世間の考えで揺れ動くわァ。
すると、司ちゃんはこちらをみて笑う。な…何よ…その余裕そうな顔…まるでアタシがバカみたい…
朱桜「ふふ。やはりお優しいのですね、鳴上先輩は
凛月先輩も、瀬名先輩も、”leader”も…そして、『あの方』も………。普段は口喧しくて理不尽なぐらいで、強引で遠慮がないのに
私、いつも悔しくて泣きそうになってしまうぐらいなのに
心根は善良で、お優しい方々なのだと思います
だから未熟で物足りなくて、思い詰めて暴走してばかりの私を追放せずに大事に育ててくれた
お陰さまで今、私はこんなに立派になりました。王冠をかぶるのに足る、と皆さんが認めてくださる程度には
それが司は、嬉しいのです。言葉にできないぐらい
だから。鳴上先輩、どうぞご遠慮なさらず……その王冠を私にください
決して、粗末には扱いませんから。信じていただけますか?」
この子は…とんでもなく成長していたのね…アタシが推し量るまでもなかったみたいね。ふと、袖を見ると紡ちゃんが優しく微笑んでる顔が見えた。
さっきまで泣いてたくせに…、やっと。やっと笑ってくれたのね。よかったわ…これでいいって、笑ってくれるならアタシもこれが正解だと笑えるわ。
アタシはそっと司ちゃんに王冠を渡す。これが本当に運命でいいのよね…ううん、運命なのよ。
朱桜「同時に。ひとつ、せっかくなので最後にやっておきたいことがあります
『”Requiem”』の延長戦です。いいえ、真の決戦です。何となく済し崩し的に穏便に片付こうとしていますが、そんなの認めません
我らを振り回し、傷つけた罪を償っていただきます。”leader”……我らが仕えた愛しい王よ、玉座から降りて剣を抜きなさい
あなたを、我らが王の首を、きっちり落として差し上げます」
私たちの運命
延長戦をずっと
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