レクイエム*誓いの剣と返礼祭
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レオはパンパンと手を叩き、みんなの注目を集める。
それに合わせてあんずちゃんも起き上がる。
月永「よぉし、お喋りはそこまで!みんな注目〜!これから大事な話をするので、お口を閉じて静聴しろ!」
瀬名「何それ、軍隊?今の俺たちには似合いもしないよ、『王さま』?」
月永「うん、セナうるさい!いちいちおれが何か言うごとに口を挟むなっ、お母さんか⁉︎」
瀬名「お母さんじゃないけど……。まぁ良いや、今日はもうすでに疲れ切ってるから大人しくしとく。『大事な話』って何なわけ、今さら?」
月永「うん。おれさ〜、ちょっと考えたんだよ。このままじゃ駄目だって……」
その瞬間スタジオ内が凍った。今までの流れからみんなこの王さまが何かをすることも、これからとんでもない発言をすることを察してか、それとも何もわからず怯えてか…。みんながこれからに備えて身構える感じがした。
月永「おれたちは今日まで全力で走ってきて、その勢いのままお別れの日を迎えようとしてるわけだけど
それでも、そこそこのハッピーエンドには辿り着けるかもな
これは単なる願望じゃなくて実感に基づいた確信だ、今のおれたちなら口を開けてるだけで幸せが飛び込んでくるはずだよ
アイドルとしては成功し、『Knights』の名声はうなぎ登り
誰が今後、『王さま』として率いていっても順調に版図を拡大し、それなりに平和に末永く続く王国を築きあげたはず
旅立つおれたちも居残るおまえらも、それぞれの夢を叶え、自分たちの求めた戦場で各々が成果をあげただろう
んで、たまに気まぐれに合流してかつての仲間と旧交を温めあう
そんな幸せな日々が、もう何も考えず何もしなくても訪れることは決まってる
神さまが与えてくれた運命だなんて言わない、おれたちが自らのちからで勝ち取った栄誉だ」
…レオの言う言葉にみんな不安な顔で聞いている。『Knights』は数々の屈強を乗り越えてきた。それは事実だ、どこのユニットにも言えるが、『Knights』も様々なものと戦ってきた、そして得た絆や人気だ。…じゃあ王さまが言うそれでいいのかとは何を言うのか
月永「でも。おまえら、本当にそれだけで良いのか?そんな舞台で素直に賞賛されるような結末に辿り着けただけで、ほんとの本当に満足か?
他人を踏みにじり血にまみれ、罪を重ねてきたおれたちは、そんな小市民的な幸せを手に入れらただけ果報者だとも言える
あくまでも、『おれたち』はな
でも。『おまえ』が、本当にそれで良いのか?」
朱桜「……?えっ、私ですか?」
月永「そう、おまえの話をしてるんだよ朱桜司!こっちを見ろ!とっくにオペラの舞台から退場してたおれを
やさぐれて舞台袖に下がろうとしていたおれたちを、無理やり光の下へ引きずり出してくれちゃった奇跡のようなおまえ!
おまえの話をしてるんだよ!おれを見ろ!他人事みたいな顔をするなよ、今さら!
卒業していくおれたちのことなんか今はわりとどうでもいいっ、物語を再び始めたおまえにこそ結末を選ぶ権利がある!」
朱桜「……⁉︎」
レオは一人で語っていくかと思えば、司くんに話をふり、凛月にナルちゃんへと、話をふる。彼の暴論にみんな驚きを隠せないでいる。話したい内容がまとまっているのかまとまっていないのかわからない、それでもきっと彼の脳内ではこのシナリオは完成しているに違いない。だから、あんずちゃんがいる。だから、彼は口を開く。だから…
『ずっと、私たちの話をしてるんだよね?』
月永「そう!おれたちの話をしてるんだっ、おれはさいしょからずっとずっと!『Knights』の話をしてるんだ!おい聞いてるのかセナぁ!
おれと紡のいちばんの理解者って顔をして、ちっとも何もわかってない愚かなセナ!おまえも聞け!」
瀬名「き、聞いてるけどぉ?何なの急に、ついに壊れたの?『れおくん』……?」
月永「壊れてない!
おまえらが拾い集めて直してくれたからっ、塀の上から転がり落ちたハンプティ・ダンプティはこうして今日も何食わぬ顔で生きてるぞ!わはははは☆
でも!それももうお終い!奇跡は有効期限切れ!
そういえば言ってなかったから改めてここで宣言するっ、おれと紡は夢ノ咲学院を卒業すると同時にアイドルとプロデューサーを辞める!」
『……ええっ⁉︎』
瀬名「……は、はぁ⁉︎あんた、それマジで言ってる?アイドル辞める?紡がプロデューサーをやめる?…紡は続けるって言ってたし、あんた、そのつもりはないって言ってなかった?
ほいほい前言撤回しないでよねぇっ、付き合うこっちが混乱するんだから!」
月永「じゃあ付き合わなくていいぞ!紡がおれにはいるし!つうか、誰がついてきてくれって頼んだ?おおきなお世話だ!
おれは引きこもって好きな音楽をつくって、それで満足してたのに……おまえらが引きずり出したんだ!」
レオはただ、音楽を作っていたかった。それなのに、私たちが彼を引きずって王座に付かせて王冠を被せてしまった。それでも、戻ってきた『Knights』が暖かくて、それが愛しくて、居座ってきた。我慢していた。とこぼす。
月永「おれはアイドルを辞める!そして、紡も辞めさせて、今後は一緒に好きな音楽をめいっぱい作曲しながら暮らす!『Knights』も解散する!誰も王冠を受け取らないから今でもおれが『王さま』だっ、その権限で解散申請書を提出する!」
『……レオ…』
月永「いくら紡でも、否定はさせない!守ってきた『Knights』を解散させるっていうのは怒るかもしれないけど、おれが王さまだ!」
『うん、レオが王さまだよ。この国の行く末を決めるのは、レオとここにいる騎士達だよね。いいよ、私は王さまに従う。…それに、私もレオと一緒に作曲しながら過ごしたい。』
貴方の暴挙
『隠居してもいいかもね』
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