レクイエム*誓いの剣と返礼祭
NameChange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
炬燵に入ってのんびりしていれば、レオがバッと机に倒して上半身を起き上がらせ、元気に声を上げる。
月永「全員注目!じゅうぶん身体が温まったので、『Knights』恒例の円卓会議を始める!各自、お茶とかお菓子とか自由に口に入れながら適当に会話に参加するように!」
瀬名「……いろいろ突っこみたいけど、話が進まないから我慢しとく」
鳴上「あら、我慢も覚えたのね」
『大人になったのよぉ〜』
鳴上「紡ちゃんも、『王さま』もねェ♪ウフフ……いつからか、こうして炬燵に入ってだらだら喋るのを『円卓会議』だなんて高尚な呼びかたするようになったわよねェ♪」
月永「表現は大事だぞ〜、名前も!そうだろスオ〜?」
朱桜「………へっ?あぁはい、たぶん”leader”の仰る通りだと思いますよ⁉︎」
月永「『たぶん』て。……何か反応が鈍いな〜、ライブの後だから疲れてるとか?」
『…司くん、疲れてる?もう少し休んでからにする?』
朱桜「あ、いえ……。どうかお気遣いなく、話を進めてください」
司くんはどこか上の空という感じが続いていた。疲れからか、それとも他の事情があるからなのか…。炬燵の上にあるミカンの皮を剥きながら司くんを観察していれば、剥いたはずのミカンが消えていた。
瀬名「炬燵に肩まで潜って彼女の剥いた蜜柑をとって食ってるあんたのどこに、『王さま』っぽい要素があるわけ?」
『え…私のミカン…』
月永「紡はミカン剥くのうまいんだぁ〜♪ていうか、セナ。いちいち絡むなぁ……。どうしたセナ、最近ずっとご機嫌斜めだけど。思春期か、おれに構ってほしいの?よちよち、卒業が近づいてナイーブになってるんでちゅね〜♪」
『ねぇ!私の蜜柑!』
瀬名「はぁ?俺がそんな繊細なキャラに見える?
むしろ清々するんだけど、肩書きが『高校生』のままじゃいつまで経っても業界じゃガキ扱いされるしねぇ?これで多少は一丁前だって認められるってことなんだから、卒業には『嬉しさ』しか感じない。べつに死に別れるってわけじゃないしねぇ、実際
あんまり卒業後、『Knights』をどうするかは決めてないけど……
おまえらはどうせ俺たちがいないと何もできないんだしさぁ、このまま面子で活動を続けるんでしょ?」
『みかん…』
瀬名「あぁもう!俺のあげるから黙って!」
『…はい…』
自分用に剥いていた蜜柑を私に渡してくれて、それを受け取り大人しく口に含む。こうやって、気づけば楽しく過ごしているのももう少しと思っていた。楽しくて、幸せでこんなに温かい日々が永遠に続くような気がしてた。
ミカンが口の中に広がって甘さで私を満たす。
『泉が『そういうつもり』ならレオも私も反対しない。いいんじゃないかな。泉がやりたいようにすればいいと思う』
瀬名「……うん。何か他人事みたいだよねぇ、『王さま』。あんたもちゃんと卒業できるんでしょ、それとも出席日数が足りなくて留年するとか?」
月永「それは大丈夫……だと思う、たぶん」
『それは大丈夫。卒業はできるよ、レオのお母さんに頼まれて色々根回ししておいたし、レオも自分で補習受けたりしてたし』
瀬名「今、怖い言葉が聞こえたけど……。一応、後で蓮巳に確認しとこうっと」
レオは卒業が無事にできるように話をしていた。おそらく、大丈夫だろう色々と。
『私たちはちゃんと三人揃って卒業できるよ〜』
月永「あぁ!おれたちは何の問題もなく卒業するし、セナが望むなら『Knights』も存続するだろ」
レオの発言はどこか刺々しい感じがしている。『返礼祭』はそれぞれのユニットで問題が起こっているようで蓮巳くんところの『紅月』も天祥院くんの『fine』も…
『Knights』はまだ大丈夫そうだけど、問題児の考えは私には不明だ。
月永「『紅月』とかについても。解散とか言うとけっこう深刻に聞こえるけど、あのボンクラが企ててる『例の計画』からいって……
完全に『ユニット』が消えて無くなる、って感じにはならないと思うしな」
『ボンクラ…?天祥院くんのこと?』
瀬名「『例の計画』って何。ボンクラって天祥院だよねぇ、あいつまた何か悪巧みしてるわけ?」
月永「わはは、悪いやつの企みだから『悪巧み』で合ってる
でもあいつはアイドルが大好きみたいだし、おれたちやファンが望まない展開を強いたりはしないだろ
おれたちが『やきもき』しなくても、あいつが何か良い具合にまとめてくれるんじゃないの。知らんけど」
『なんか…なぁ…』
瀬名「うん…何か他人事みたいなのが気になるけど……じゃあ、俺たちが卒業した後も何も変わんないじゃん。毎日毎日、この堅苦しい制服を着なくて済むだけでしょ?俺は進路のこともあるし、そう頻繁には活動に参加できなくなるけど
べつに脱退したりはしないしさぁ、呼ばれて都合がつけば世界のどこからでも駆けつけるから」
『うん〜…そうだよねぇ…』
泉はあの時に話した通りの進路を進んでいる。それでも、『Knights』から離れないでいるのはこの温かい居場所を失いたくない守りたい思いがあるからだ、私は泉のようにいつでも駆けつける。呼んでと言っても何ができるわけでもない。
『…って言うか話逸れてない?何の打ち合わせだったの?』
月永「ん?あぁ、そうだったそうだった!それを話すんだった、セナが茶々を入れてくるから忘れてた!」
『いつも泉のせいにしないの。』
瀬名「……ほんと、俺のせいにしないでよねぇ」
月永「うん。えぇ〜っと何だったっけ……あぁ、そうそう!思い出した!紡!お願いしてたあれを準備して!」
『…?あぁ…あれね』
私はレオに言われて演劇部から預かった例のものをカバンから取り出す。それをレオに渡せば「ありがとう!」と笑って改めてみんなの方へと向き直る
月永「はい、じゃ〜ん☆これは何だと思う?見ればわかるなっ、王冠だ!これを、次の『Knights』の『王さま』であるスオ〜に授与します!ほんとは王冠の授与って法王とかがやるんだろうけど、わざわざ本物を呼んでくるのも手間だしおれが代理をする!
ぱんぱかぱ〜ん!王権授与!おめでとうスオ〜、『Knights』の未来を頼んだぞ……☆」
この王さまは本当に何を考えているの…
貴方の言葉の裏
『次の王さま…?』
→