鏗鏘のStar Light Festival
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完全に雪は溶けて、いつものアスファルトが露出した帰り道。いつかの夢のようにレオが私よりも先を歩く
『ねぇ、さっき泉となに話してたの?』
月永「えっ!せ…せな…?なんだよ急に…」
『いや、じゃれてたからなんか面白い話ししてたのかなぁって』
月永「なんでもない…!これと言って!そういう紡こそ、ナルとリッツに挟まれてなに話してたんだよ〜」
『え?…いやこれと言って?』
月永「なんだそれ〜」
レオはあはは☆と笑って私の隣を歩き出す。静かな帰り道、ライブあとということもあり夜も遅く月明かりが道を照らす。こうやって、遅くなってしまって一緒に帰ることは昔から当たり前に思っていたけど、よくよく考えれば当たり前のことじゃないのかもしれない…。
月永「そう言えば、こうやって一緒に帰るの久々な気がするなぁ〜」
『そうだねぇ〜…ックシュ…!』
月永「…寒いのか?」
『うん〜、大丈夫だよ。』
レオは少し足を止めて身につけていたマフラーと私があげた耳あてを私につける。寒がりなのに、私に防寒具を与えるとはおもわず慌てて断る。
『ちょっと!自分が寒いでしょ!大丈夫だから!』
月永「いいんだよ!紡が風邪引くのは嫌だし、マネージャーは体調管理も仕事だろ!」
『…なにそれ。誰が言ったの』
月永「セナ!」
『体調管理は、人間みんなに課せられた仕事だよ…』
月永「も〜わがままだなぁ…じゃあ手を繋ごう♪そしたら、温もりをわかちあえる!霊感(インスピレーション)も湧きまくりだ!」
そう言って、レオは私の手を取って帰路を進む。こうなっては断りきれないと諦め大人しく引かれるままに道を進む。レオの手は暖かい格好をしていたこともあり、暖かかった。その温もりが私に流れ込んできて不思議な感覚になる。
まるで夢と現実の狭間のようだった。
月永「紡!」
『え…?なに?』
月永「あの曲いいな…!お前の作った新曲!素晴らしい!騎士とお姫様の恋物語!おれはあの曲大好きだ…!」
『え……』
本当にこれが現実か、きっと私にはわからない…いや、もう現実も夢もどっちでもいい…開いた口はもうこのあと溢れる言葉を止めることはできないのだから
『レオ…やっぱり大好きだ。レオのこと……』
ほらやっぱり止まらなかった。言ってしまった…。言わない言わないと言っていたのに、自分から言ってしまった。
それを聞いたレオは夢と同じく驚いた顔で、こちらを見る。その目は大きく見開かれ綺麗な黄緑色がこぼれ落ちてきそうだった。
しかし、私の口はその一言を言ってしまえば、あとは溢れた水と同じで、溢れきるまで止まることは無い。
『ずっと…たぶん小さい頃から…レオのことが好きだ…ずっと好きな人と神様を履き違えて勘違いしてた…。
レオが話すと胸が暖まる。触れるとそこが熱くなる。悲しんでるとそれを分かち合いたくて、苦しんでると助けてあげたい。
楽しんでいると私も嬉しくて、笑っていると幸せな気持ちになる。
レオが大好きだって気づいてから、それがより濃くなって、貴方の一挙一動が私を揺るがす。
言わないつもりが…言ってしまうほどに…』
レオは驚いた顔で「待って待って」と声かける。しかしその手はずっと私の手が握られていた。急にこんなことを言われて驚く気持ちもわかるが、私の口はどんどんレオの好きなところが溢れ出す。レオは両手で私の頬を挟んで黙らせる。
月永「ほんとに…おれのこと好き…?」
『しゅき…』
月永「うれしい…おれも紡が好きだ…」
『えっ…』
まさかそんな返事が来るとは思わず今度は私が目を丸くする番だった。レオは手を離して、再び私の手を取る。寒いはずなのにふたりの手はカイロのように暖かかった。
月永「ずっと、ずっと大好きだ…小さい頃から…
同じ習い事したのも、中学の選択授業同じにしたのも…3年間ずっと隣の席だったのも、夢ノ咲を一緒に受けようって言ったのも…ずっとそばにいてほしかったから…」
『ま…まじか…』
月永「まじ…だ…だから、おれと付き合って…?ううん、おれだけのお姫様になってほしい…」
『っへ?』
お姫様になってほしい、その言葉はふたりがまだ
小学生にもなっていない頃に言ってくれた言葉を思い出させる。レオはあの時私が「レオが王子様になってくれるの?」と問えば、「当たり前だろ!」と言ってくれた。でも、もう何年も前の話だ。レオは覚えていないと思っていた…。
月永「紡は覚えてないかもしれないけど!おれはずっと紡ちゃんの王子様になりたかったの…!」
『覚えてたんだ……』
月永「わすれるわけないだろ!?あの時から好きなんだから…!」
『…えっ』
月永「なんだよ…」
『いや、拗らせてるなって』
月永「…いくら紡でも怒るぞ。」
『…ごめんって』
あの月永レオが好きという感情を何年も隠していたというのが驚きなのだ。すぐに好きや愛してるという言葉を平気な顔で全世界に提供しているというのに、どうしてそんな人がずっと黙っていたのか。不思議だった。
月永「本当に好きな子なら容易に言えるわけないだろ…。」
レオは私の頭を読んだかのように言葉をこぼす。本当に好きな子…私が…いや、私か。今しがた告白されたわけだから…。
『あっ…うん…そうだよね…。あはは…。』
月永「返事は…?」
『返事…え……えっと…』
心の中でナルちゃんが話しかけて来る気がした。「告白されたら受けるって約束よね⁉︎OKしちゃいなさい!」とまくし立ててくる。しかし、心のどこかで、学院内のことや『Knights』のこと、ファンの皆さんのこと…この恋を受け取っていいのかなとせめぎ合っていた。
すると、監督さんが言っていたことをふと思い出す「周りよりも先に自分の大切な人だけを見てもバチは当たらない」私の大切な人…それは…レオだ。
『レオは…。付き合いたいって思ってくれるの?私は、きっと普通の女の子みたいに外に出かけたいとか、言えない。レオはアイドルだから、アイドルのレオのファンである私は他のファンを傷つけたくないから付き合っても隠すようなことばかりすると思う。
あなたよりも自分よりも『Knights』と『Knights』のファンのことを考え、優先する私と…それでもいいの?』
月永「うん…。そんなところも含めて紡のことが大好きだ。」
『本当に…ほんとにっ‼︎ふぎゃ』
レオは「いいのか」と問いかける私にイラついたのか繋いでいた手を強く引いて私を抱きしめる、なんだかこの想いを自覚して以来距離を取っていたからか、レオに抱きしめられるのは久しぶりな気がした。
あったかくて、身も心も…暑くなるほどに…
月永「もう言い訳はいい、はいかいいえだけで答えて」
『……はい、貴方だけのお姫様にしてください。レオくん』
Silent Oath
『誓いは脆くも崩れた…』
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