鏗鏘のStar Light Festival
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*泉said
もう正直、このもどかしさを俺の中に燻らせるのは嫌気がさした。王さまも女王様もどちらをみていてももやもやする。
ふたりとは一年の頃からの付き合いで、王さまとは不登校の期間を抜かせば四六時中一緒だったと言っても過言ではない。その中での話題と言えば、五割が女王様である紡の話だった。もちろん、本人は知らないけど…
瀬名「王さまさぁ〜…伝えなよ。一刻も早く」
月永「ふぎゃ!な…なんだ急に…」
瀬名「すごく見ててモヤモヤするから、早く当たって砕けて」
月永「砕けるのか⁉︎セナ、お前友達だよな…?」
瀬名「友達だよぉ〜だけど第三者から見ててチョ〜うざいんだよねぇ…」
1年から聴き続けたこの話題にもそろそろ終止符を打ちたい。しかも、ここ最近相手である紡からも同じ内容の話を聞くようになった。つまり、板挟みなわけで俺の気も知らないでこいつらのやり取りを見るのもほとほと疲れ果てた。
どうせ当たって砕けやしないんだから、さっさと付き合えばいいのに…。
はぁ…、とため息がこぼれるとれおくんが怒ったような顔で俺の周りをクルクル回る。
瀬名「王さま、ほんとにさぁ…。グズグズしてんのかっこ悪いよ。今年が終わるわけだし、1つの区切りとして言ってもいいんじゃないのぉ〜?」
月永「ぐぬぬ…何年拗らせてると思ってるんだ…それをいきなり言うなんて…難しい…。
だいたい、紡がどう思ってるかわからないし…。それで、断られることになったら、おれがどうなってもいいのか…セナ…」
瀬名「だいたい、『Knights』のこともっと考えろって言ったのは自分のそばにいて欲しいだけのくせに。何かっこつけてそれっぽいこと言ってんだか」
月永「ば…!違うぞ!そんなんじゃない!」
瀬名「はいはい、違うよねぇ〜」
月永「セナ〜!ばかばか!」
俺の背中をポカポカと王さまが叩く。ちっとも痛くないけど、その様子から図星なんだなって察する。全く、さっさとくっつけばいいのにさぁ…ほんとにほんとにチョ〜うざぁい…
*嵐said
解散の合図を聞いて凛月ちゃんに目配せして女王様を挟む。女王様は驚いた顔で左右を見る。
『なになになに…』
凛月「さっきの王さまの発言どう考えても女王様のこと引き止めたでしょ…、なんにも感じないわけ〜?」
『え…そりゃ『Knights』に必要だと思われてるんだなって…ヒィっ』
鳴上「そうじゃないでしょォ⁉︎ドキッとしたでしょ‼︎」
『顔が近いっ!もう!あぁああ!凛月も近づけなくていいから!私で遊ばないで!』
女王様は二人を振り切って離れる。まったく、このふたり拗らせ過ぎなのよねェ。この間のクリスマスパーティの時に王さまにも話を聞いたら自分のことも話たこともあったからか、わりとすんなり話してくれた。想像通り、両想いなこのふたり…もうどっちでもいいから早く告白しちゃえばいいのに…。
お互い今の関係が壊れるのが怖いのか、なにを恐れているのか伝えないのが見てるこっちはモヤモヤを通り越してイライラしちゃうのよねェ…。
考えごとをしていると女王様はこっちを不思議そうな顔で見てくる。
『ナルちゃん…急に黙られると怖いのだけど……。何かあったかな…?』
鳴上「イライラしちゃうわよねェ」
『えっ⁉︎急に…⁉︎イライラさせること言っちゃったかな⁉︎ごめんね⁉︎』
鳴上「理由もわからないのによく謝れるわよねェ…。」
凛月「ナッちゃんはさっさと拗らせてる二人をどうにかしたいの。紡もさっさと告白しちゃえばいいのにさぁ〜他人がどうのこうのって言い訳するし」
『言い訳⁉︎いや…事実なわけだしさ…それにユニット内で男女のいざこざはよくないかなって』
鳴上「付き合う前から貴方達男女のいざこざに巻き込んでるって気づかないのかしら…」
『付き合う前からって付き合ってないんですけど…』
もう付き合ってるようなものでしょ…と思いながら、目を細めると女王様の理解できませんって顔がさらに顕著に現れる。
理解できないのはこっちも同じよ…。なんで、両想いってはたから見れば丸分かりなのにお互い告白しないんだか…。まぁ、王さまは昔から拗らせてるし、紡ちゃんは最近気づいたばかりで元の性格もあって一歩踏み出せない。
二人ともゴールの目の前でゴールの仕方に悩んでる感じでアホらしくてみんななにも言わない状況…なのよねェ。
鳴上「わかってると思うけど、約束忘れてないでしょうねぇ…」
『忘れてないけど…。あれ見てもまだレオが私に告白すると思うの?』
女王様が指差す先には泉ちゃんの背中をポカポカと叩く王さまの姿で、それはまぁ…漫画とかで見るカップルみたいな光景で…。いや、あれはじゃれてるだけの猫とその飼い主みたいにも見えるけど…。紡ちゃんからすれば好きな人と恋敵にでも見えるのかしら…。
鳴上「あれは…じゃれてるだけよ」
凛月「そうだよ。猫と飼い主だと思っておけばいいよ」
『猫と飼い主…』
凛月ちゃんも同じことを考えていたのか、あの光景をスルーする。とにかく、泉ちゃんもきっと我慢の限界なのよ。だから、きっと…王さまに何か言ってるのねェ…。
鳴上「とにかく!約束は守るのよォ!アタシにはその辺の情報筒抜けだと思いなさい!」
『えぇ…なんでそんな押してくるの…こわいよぉ』
凛月「とにかくさぁ…面倒だから、早くくっついてくれた方がこっちとしては肩の荷が下りるんだけど」
『そんな肩の荷を背負わせた記憶ないっ!あぁああああ、口喧しい!口いっぱいにお菓子を詰めるぞ!悪い子達め!早く帰りなさい!』
紡ちゃんは、もうこれ以上のお説教が嫌になったのか。アタシと凛月ちゃんから離れてドアへと向かう。みんなに「解散!」と言えばさっさと出て行く。その後を泉ちゃんに背中を押されて王さまが「セナのば〜か!」と言い残してついていく。
その後、泉ちゃんがため息をつきながらこちらに近づいてくる。
瀬名「ほら、あんたらも解散だよぉ〜スタジオ閉めるから出て出て」
鳴上「あら泉ちゃん、王さまになに言ったのかしらァ?」
瀬名「べつにぃ?さっさと白黒はっきりしろって言っただけぇ〜」
鳴上「…あら、ふふ。お互いお節介なところは変に似ちゃったみたいねェ」
瀬名「あんたと似てるなんてなにそれ。チョ〜うざぁい」
泉ちゃんはそう言ってドアの方へと向かう。結局『Knights』のみんなが早くあの二人に幸せになってほしいって思ってたってことよね。…『
アタシたちはスタジオを出て、それぞれの帰路についた。二人の姿はもう校内には見えなくなっていた。
騎士たちの考え
鳴上「幸せは待つんじゃなくて与えるのよォ」
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