鏗鏘のStar Light Festival
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『…というわけで専属の話はなかったことになったけど、フリーの脚本家として定期的に作品を送ることになったの。』
あのあと、劇場であった話をかいつまんでみんなに話た。すると、各々反応を示すが怒った様子はないのでとりあえず安心した。
『まだ、どこかに縛られなくても色々な経験で選択肢を増やすっていうことも正しいのかな…って…。』
鳴上「まぁ、紡ちゃんの人生なわけだし間違いとは一概に言えないわよねェ。他のところも受けたわけだけど、もうフリーで行くって決めたの?」
『う〜ん、迷うところだけど…結局やりたかったのって舞台のこと全般なわけだし。専属っていうのが全てな訳じゃないし…かといって事務所みたいなところに所属して活動するよりもフリーで活動できた方がもっと可能性もありそうだし、私はその劇団に脚本を出したいと思ってたわけだし…。』
凛月「でも、その劇団以外のところには…?フリーでうまくいくものなの…?」
『今までの活動もあって、多少なら舞台の人ともツテがあるから…。最初はちょっとコネっぽくなっちゃうけど、食べていけるくらいには…?』
朱桜「それなら、作曲活動や『Knights』の活動も問題なく続けられるのですね…!」
『…ぁ……。』
私が黙ると先ほどまで穏やかな顔をしていたみんなが驚いた顔をして、この話になってしまうと流石に黙っているわけにはいかない…。凛月が「言いなよ」と目で訴えかけてくるのでため息を吐いて、椅子を少し座り直す。すると、先ほどまで黙っていたレオが立ち上がる。
月永「ダメだ。何も言わないで」
『…え…なんで』
月永「それについては聞きたくない。」
瀬名「王さま、聞いてあげないとダメじゃないの」
『……わかった』
瀬名「女王様⁉︎ここは話すところでしょぉ⁉︎」
『レオが聞きたくないなら言わない。けど、聞きたくない理由はなに?』
月永「まだ、決めるには早い。
せっかく新しい選択肢を見出したんだ。だったら、やめるかどうかももっと悩んでもいいだろ。せっかく6人揃ったのに誰かが辞めることに怯えるなんて、馬鹿らしい。
それなら、せめて卒業までは悩んでも問題ないだろ。おれは紡がいてこそ『Knights』だと思う。だから…」
朱桜「そうです!私はまだお姉様から学びたいことがたくさんあります!辞めるなんて…まだ言わせません。」
鳴上「そうねェ…まだ辞めるっていうには早いんじゃない?それとも『Knights』はもう女王様には用済みかしらァ?」
凛月「ふふ。残念だったね紡、女王様の騎士はそう簡単にやめさせないってさぁ…」
凛月はクスクスと笑って私の顔をみる。どんな表情としているかはわからないけれど、でもここまで言われてしまったら自分の思いは案外簡単に揺らいでしまう。まさか、レオにそんな風に言われると思っておらず、少し戸惑うが彼のいうことも一理ある。
『ほんと…。残念だったねぇ…けど、ギリギリまで悩むのも悪くないね…ずっと『Knights』にいたいって思えるくらい頑張ってよね…?』
瀬名「ほんと、あんたは悩んでばっかりの人生だねぇ…。」
『いいじゃん、それが人生なわけだしさ。迷えるほど選択肢が広いっていうのも悪いことではないよね。』
月永「あはは☆いっぱい悩め!老いも若きも!男も女も!悩んで煮詰めた人生こそ最後に本当の達成感と感動の物語が創られるんだ!」
凛月「でも、答えを否定されても柔軟に受け止めれるのが紡のいいところであり悪いところではあるんじゃないのぉ?もっと反応してもいいと思うけど」
『ん〜、そりゃあ貫きたいことなら否定に対して意見するけど、限られた世界に縛られるのは創作としては敵だから可能性を広げるっていうのは悪いことじゃないって思っちゃうんだよねぇ…』
鳴上「女王様は柔軟なお考えなのよ」
朱桜「民の声を聞き、それを政治に反映するというのは民を率いる者としては素晴らしいお考えです!」
『ん〜…自分より上の人間の助言を民の声と表すのはどうかと思うけど…。』
それでも、私の昔からの生き方みたいな部分なのかもしれない。誰の意見でも聞いてみて世界を広げていく、そこから適用できるものは新しい考えを取り入れていった。
だからこそ、今の私がある。音楽にしろ、アイドルのことにしろ、舞台のことにしろ。結局、決めたのは自分だがその道のりは様々な人の助言や意見から形成されている。
まぁ、その大半を占めてるのはーー
月永「とにかく、決めるのはまだ早い!もっと悩め!お前を『Knights』に入れたのは高校までの思い出にするためじゃないからな!」
『…はは、王さまの仰せのまま』
瀬名「…ほんと、王さまのわがままに付き合わなくてもいいのにさぁ…」
鳴上「いいのよ、紡ちゃんが結局は考えて決めてるんだから」
朱桜「それまでに、お姉様が『Knights』にいたいと思ってくれるように私も精一杯がんばります!」
『みんなが、頑張りたいと思ってくれるなら。それでいいかなぁ…』
結局、レオが大半を占めている。彼は、私の考えを否定することは少ないが必ず私とは違う新しい意見を見出す。自分なら、こういう考えも、様々な発想を私に与えてくれる。
だから、彼の考えを一概に違うと否定できなくなっていった。そして、そうやって私にないものを与えてくれるところも愛しいと思ってしまう部分のひとつだから、こうやって彼が新しいものをくれるたびに私の好きは閉めたはずの扉の先で積もり積もって扉を開けようと押してくるのだった。
『まぁ…そういうわけで、今年は終わっちゃうけどまだ私たちには時間があるからそれまでにもっとみんなと…それとファンの方々に多くの幸せを与えよう。『Knights』はアイドルだから、今までもこれからもね』
月永「あぁ!やっとそれらしくなったしな!ただ戦うだけじゃない。幸せを与えてさらにはおれらもいっぱいの幸せをもらおう!」
瀬名「なんで急にまとめてるんだか…」
鳴上「いいじゃない!時間も時間だし…そろそろ解散にしないと司ちゃんはちょっとおねむみたいよォ?」
凛月「ほんとだ〜、ス〜ちゃん目がトロンってしてる♪」
朱桜「からかわないでください!まだ眠くなんてありません!」
『そう?私は結構眠いけど…ん〜〜疲れちゃったねぇ…』
瀬名「じゃあそろそろ解散にしよっかぁ〜」
泉の声で各々帰る準備をする。その間に、レオと泉が何かを話しながら戯れていたが、そこを気にすることはできなかった。なぜなら、私のとこにはナルちゃんと凛月が私を挟むように立っているからだった。
悩め少年少女
『囚われた宇宙人か私は』
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