鏗鏘のStar Light Festival
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ステージを終えて、みんなが帰宅する準備をしているスタジオの中で私はみんなの準備が終わるのを待っていた。
一位だった『Trickstar』のステージは素晴らしく、とても盛り上がっていた。袖で合流したあんずちゃんも目をキラキラさせてそのステージに釘ずけだった。それでも、私は一位じゃなくても何位だったとしても『Knights』のステージが世界で一番のステージだったと思ってしまう。
レオが作った新曲
私が作った新曲
私が考えた衣装
みんなが考えたパフォーマンス
みんなで話し合って決めたステージ
私たちが作り上げたステージはファンのみんな、お姫様に届いただろうか。お姫様を楽しませ喜ばせ、幸せを少しでも与えられただろうか…。
少しの時間でも、このクリスマスを『Knights』が誰かの世界を彩っていたらそれでいい。それで私は満足だ。
そんなことを考えていると、着替え終わった凛月が迎えに来てくれたみたいで、正面からゆるく手を振って歩いてくる。
凛月「女王様〜、みんな着替え終わったよ。行こう?」
『うん、行こっか…
とってもいいステージだったから終わってしまって少し残念だなぁ…』
凛月「でも衣装も曲もまた…違うライブで使おう。何度だって、紡にファンのみんなに最高のステージを届けるよ」
何度だって、それはきっと私が『Knights』からいなくなっても続く約束だ。ライブをするからには毎回毎回完璧が求められる、それを約束し完璧に達成するのが『Knights』というアイドルだ。
凛月のその誇らしげな顔がそれを表している。
『そうだね。次もいいライブにしよう…』
凛月「…だから、いなくなっちゃダメだよ」
『へ?いなくなる?』
凛月「うん…紡はずっと『Knights』の女王様でいてくれないと」
『そんな無理だよ。私だって来年には卒業するし…』
凛月「卒業したら『Knights』をやめるつもりなんだね」
『…え』
凛月は確信した目で私を見る。おかしい、やめる話なんて誰にもしていなかったのに…。なんで凛月が知ってるんだ、まさか私の知らない間に母が話した…?いや、流石にそれはない…じゃあ…どうして…?混乱して目を泳がせていると凛月は私の手を取った。
凛月「いいよ。答えなくて、そのうち教えてくれれば…。まずは紡の将来の夢の話からしよう。まだ時間があるんだから、一つずつ話し合って解決して行こう。
俺たちは個人主義でひとりひとりが『Knights』だけど、それでも結局は6人揃って『Knights』だからひとりで背負いこまなくてもいいんだよ。」
『…うん。ありがとう、凛月。ちゃんとみんなにも話すよ。…6人で『Knights』だもんね…』
凛月は「うん」と頷くと、スタジオへの道のりを私の手を引いて歩いた。スタジオに到着して中に入ると、珍しくちゃんとテーブルが出ておりみんながパイプ椅子に座って待っていた。
まるで…その様子は…
『家族会議…?みんな食卓について、待ってる感じ…?』
瀬名「冗談はいいから早く座りなよぉ…」
『はいはい、ママの仰せのまま』
月永「あはは☆セナがママなのはピッタリだなぁ〜!ほかの奴らは?」
『ナルちゃんはお姉ちゃんで司くんは弟。凛月はペット』
凛月「む…ぺットは聞き捨てならないんだけど」
鳴上「アタシはお姉ちゃんでオッケーよ♪」
朱桜「私も紡お姉様の弟というのは嬉しいです!」
瀬名「ああ〜!もううるさいなぁ!話が逸れるから!だいたいなんで俺がママなのぉ⁉︎」
『…ママっぽいから?』
『Knights』でママといえば泉一択だろう。それ以外にママの役をできるやつなんていない…レオは…レオは彼氏…な〜んてな。と考えてると、レオは私の肩を掴んで私の体を前後させる。
月永「おれはおれは!」
『…レオはぺット』
月永「な〜!リッツと同じか!なんでだ、そんなんじゃ霊感(インスピレーション)がわかないだろ〜!」
『じゃあ、パパ?』
月永「セナと夫婦か…世話焼きのセナなら便利か…?」
瀬名「奥さんを便利屋扱いするなんて最低なんじゃない?」
月永「ちがう!これはセナだから!本当の奥さんにこんなこと思わない!」
『へ〜レオって結婚する気あるんだ意外〜』
思ったことを口に出せばその場が凍るのを感じた。みんなが一斉にこちらをみる。
『え…、何かまずいこと言っちゃったかな…』
瀬名「いや、あんたってそういう女だったよね。」
鳴上「なんていうか、紡ちゃんらしい…」
月永「結婚願望があったらダメ…?」
『いや、いいと思うけど…?でも便利屋扱いはしないほうがいいと思う。』
月永「しない!するわけないだろ!」
『お…おう…なぜ手を握る…』
レオは私の手を握って誓うように「しない!」というのでその手を軽くほどき、椅子に座らせる。私に誓われても、別に私はレオの奥さんではないわけだから困ってしまう。レオを座らせて「わかってるから」と言えば黙ったがその顔には焦りがあった。
『ごめんね、話を逸らしちゃったね。真面目に話そうか、みんなライブで疲れてるもんね。』
瀬名「話し出すの遅すぎ…」
凛月「それで?専属はダメだったんだっけ?なのに、なんであんなに喜んでいたわけ?」
鳴上「ほんとよ!紡ちゃんが壊れちゃったのかと思ったわァ…」
『う〜ん…結論から言えば、本命の劇団は専属という形では落ちたって言って正解。でも、自分としてはそれでよかったと思ってる。だから、全然悲しくなくて…』
朱桜「どういうことでしょう…落ちたのにそれでよかった…?ダメだったのにそれが正しいというのは…難しいです…」
『じゃあ順を追って話すね…?えっと、私は劇場で面接を行ったんだけど…』
私は朝からここに戻ってくるまでの話をし始めるとみんなは真剣な顔でその話を聞いてくれた。
話そう。ここまでで何があって、なんで考え方に変化をもたらしたのかを…
話をしよう
『私はまた新しいことを知る』
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