鏗鏘のStar Light Festival
NameChange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
瀬名「……ぉうさま…女王様ぁ〜…紡!起きて〜〜!」
『ん〜…ん〜…』
瀬名「起きろって!」
聞き慣れた泉の声がどんどん怒った声に変わってそれと同時に私のあったまった体が一気に冷たくなる。そのせいで、いい夢を見ていたのに目が覚めてしまう…。
『お母さん…後1日…』
瀬名「はぁ⁉︎普通はあと5分でしょ⁉︎なにしっかり睡眠とろうとしてんの⁉︎」
『…んへへへ、鋭いツッコミ…どうしたの…飾り付け終わり?』
瀬名「うん、これから少し解散で各々プレゼント買いに行くって俺は準備できてるから紡に付き合ってあげる。」
『え〜…プレゼントかぁ…』
瀬名「遠出するならバイク出してあげるけど」
『雪だから、危ないよ?……繁華街とかなら行けるかな…でも寒いからなぁ…曲はレオとかぶるだろうし…』
プレゼントをあげるのは時間をかけて考えたいタイプなのだが、用意しろと王さまの命令ならば用意する必要があるだろう。ネタ被りは面白くないし、用意するかと体を持ち上げる。
『買い物行ってくる…。寒いし、一人で大丈夫だよ』
瀬名「寒いし、雪だからついて行くんでしょ?あんたこけて頭打って倒れそうだから」
『……一緒に来たいならそう言えよな』
瀬名「聞いて不安になったならそう言いなよぉ〜」
泉はそういうと練習着から制服に着替えるからそれまでに出れる準備しろと言われ部屋の外へと出ていった。
私も炬燵から出て制服にコートや手袋など防寒具を重ねていく。財布を確認してそれと携帯だけを持って着替えに行った泉を待つ。何を買おうか迷うが、泉は思っていたより早く戻ってきて首にはマフラーを巻いていた。
『繁華街見てからモールに行くでもいい?』
瀬名「ん…、了解。じゃあさっさと行くよ」
『は〜い』
私と泉は一度セナハウスを離れて街へと向かうのだった。外に出てみれば、雪は止んでいたものの降り積もった雪は溶けてはおらず少し積もっていた。
瀬名「あんたさぁ、王さまいない男だらけのところで寝るのやめな?危ないんだから」
『え〜、泉と司くんだよ?危ないに入らないじゃん』
瀬名「はいはい、信頼してくれてど〜も」
『何その言い方〜…それとも泉は寝ているか弱い女の子に襲いかかりでもするの〜?』
瀬名「か弱い女の子だったらねぇ〜…」
『遠回しにか弱くないと言われてしまった。……大丈夫だよ。どうも『Knights』の前だと気が緩んじゃうけど、最近は結構気をつけてる。関わる人も増えたし、男女問わずね?』
瀬名「ならいいけど、あんた顔はいいんだから男が寄ってくるでしょ」
『顔はっていうのも、それを泉に言われるのも遺憾であります。……男の子も話しかけてくれるけど音楽科は前からの女友達が絶対一緒だし、演劇科だと菅野先生がそばにいてくれるかな…?一対一で関わることはあんまりないかも』
瀬名「そう言えば、あんた世渡り上手だよね。…まぁそれなら安心か。あんまり王さまが心配することしないでよねぇ〜」
『心配、…?』
瀬名「自分で聞けないからって俺によく聞いてくるよ?あんたの予定とかいろいろ…?もっと話してあげなって言ってるじゃん」
『え…私話したよ…?聞けないって何でなんだろう…』
泉にレオとちゃんと話すように言われた11月の終わり、実はあのあとすぐに話す機会があったのだ。
…あれは、冬も近ずいて寒くなり始めた学院の屋上でのことだった。作曲しに出ていったレオの捜索願が別の仕事をしていた私にきたので急いで探してまわって屋上に行けば、案の定彼はいた。
『レオ〜?みんな探してるのになんでレッスン行かないの〜?』
月永「おっ!紡だ!うっちゅ〜☆」
『うっちゅ〜?それで?仕事中だったのに駆けつけた私にいうことはぁ?』
月永「ごめんな!でもみんなから逃げたら紡が来ると思って!」
『…?探してたなら呼んでくれればいいのに…何か用事あった?あ、新曲?』
月永「ちがうちがう!最近話してないと思って、忙しいのにごめんな!けど話したくて!」
『えっと、大事なお話?今日はこのあと演劇部の方に行かないとなんだけど…』
月永「ん〜俺としては大事だけど…んん〜…」
レオは頭をひねりながら唸り声をあげる。たしかに、大切かどうかはそれぞれの感じ方だ。レオなりに私のことも考えて返事をしようとしてくれているのなら、それだけで十分な答えだと思えて笑ってしまう。
月永「なんで、笑うんだよ〜。」
『ううん、なんでもない。日々樹くんに連絡してくる。』
月永「えっ…いいのか?」
『うん、今日はレオの話を聞いてから『Knights』のレッスンに行くよ。最近出てなかったし、みんなの顔も見ておきたいから…ありがとう、レオ』
月永「おれが礼を言う側だと思うんだけど……でも、お礼を言われるのは嬉しいから、どういたしまして♪紡もありがとう♪」
『ふふふ、どういたしまして』
レオが散らばった楽譜を集め始めたので私も手伝う。地面に落ちた楽譜にはぎっしりと音符が書かれていた。また新曲かな?と心のどこかで呟くとレオはそれに気づいて「仕事の曲だっ!あとで清書する!」と笑う。
『仕事、続けててえらいね。すごいなぁ、レオは』
月永「紡も仕事してるだろ?それに加えて最近忙しそう!紡はおれなんかよりえらい!」
レオは楽譜を集め終わって「よし!」と立ち上がって屋上のベンチに座る隣を叩くので私も隣に座るとふたりしてのんびりと空を見上げる。最近は本当に忙しくてこんなにのんびりレオとふたりでいるのは久しぶりかもしれない…
少し前の話
『お日様あったかぁい…』
→