鏗鏘のStar Light Festival
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*鳴上said
王さまが急にクリスマスパーティを行うと言い出し、アタシの手を引いてスタジオより寒い廊下を走り出す。
鳴上「ちょっとォ、何なの『王さま』……いっつも唐突なんだから
手ぇ引っぱらないで〜、ちぎれちゃうちぎれちゃう」
月永「ふんふふん♪てぃんく〜てぃんく〜、りっとるすたっ☆」
鳴上「なぁに、『きらきら星』?ほんとに好きねェ、モーツァルトが……♪」
月永「好きじゃないぞ⁉︎アイツのこと好きなのは紡!たしかにヤツは『きらきら星』の変奏曲をつくってるけど偶然だしっ、おれが好きなのは原典のマザーグースであって云々かんぬん!」
王さまはきらきら星について、話始める。そういえば、よく聞くなと思ったらモーツァルトを好きなのは紡ちゃんだったのねェ。たしかにオペラを見に行く時もモーツァルトの作品を見に行く時はテンション高かった記憶があるわ…ってそうじゃなくてェ…
鳴上「……はいはい。話したいことっていうのは、なぁに?近ごろ、アタシあんまり『Knights』の活動に身が入ってないしねェ。そのあたりお説教されちゃうのかしら、『王さま』?」
月永「いや〜、おれはずうっと引きこもって活動に参加しなかったわけだしその間ちゃんと『Knights』を支えてたおまえらに説教する資格はないだろ、実際」
鳴上「じゃあ何で、アタシと『ふたりきり』になったのよォ?口説くつもりなら勘弁してよねェ、アタシの好みは気品のある大人のひとだから♪」
というより、王さまは紡ちゃんとさっさと付き合うべきなのよ。せっかく二人でデートできるチャンスなのにアタシとふたりでデートしちゃってるんだかァ…?出るときの紡ちゃんの顔…行かないでって顔に書いてあったわァ。それはきっとアタシじゃなくてこの目の前の男に向いてるんだろうけどォ…
月永「あっ、遠回しにおれを子供っぽいって言ったな!仕方ないだろ背ぇ伸びないんだからっ、あと子供の感性と大人の技術を持つものが真の芸術家だし!」
鳴上「感性の話でしょ、『王さま』が子供っぽいのは言動のせいだから…ちゃんとお行儀良く年相応の振る舞いをしてよ、普通に世の中に出たとき苦労するわよォ?
ていうか『王さま』も紡ちゃんも、もうプロの作曲家として仕事してるんでしょ
変名を使ってるみたいだけどねェ、そんなんで大丈夫なの?偉いひとに怒られたりしない?」
月永「紡はあれでしっかりしてるし、世渡り上手だし…むしろ、しっかりしすぎって思うくらいだ…。おれは何だかんだでまだ高校生だから多少の無礼さは見逃されてる感じだな…
普通の会社員ってわけじゃないし、よっぽどじゃなければ人格より作品が重視される。まぁ、最近は紡がその辺助けてくれてるし、あんまりお世話になってるひとに迷惑かけたくないし、家族にも苦労をかけっぱなしだしさ……このままじゃ駄目だ、ちゃんとしようと思ってるんだけど…紡に迷惑かけたままだし、おんぶに抱っこっていうのもなぁ…」
なぁんだ、意外と『王さま』も考えてるのねェ。まっすぐ突き進んでいるだけだと思ってたけど…そうじゃないみたいね。ちょっと安心したわァ…。
このままじゃってことは頭の片隅に紡ちゃんとの将来もあるわけねぇ…んふふ。早く自立して告白でもプロポーズでもすればいいのよォ…
月永「って、何でおれがナルに悩み相談してる感じになってるんだ!おまえの話が聞きたいんだけど⁉︎」
鳴上「あら、アタシとしてはその辺の話詳しく聞きたいけどォ?まぁ…そう言われてもねェ、アタシから話すことなんてないわよ?」
月永「そんなわけあるか。誰でも一冊は本を書ける、人間の数だけドラマがあるんだ
歴史に残るのは、おれのような伝説的人物だけだけど。この世には、モーツァルトしか存在しないわけじゃないだろ」
鳴上「ん〜、何が言いたいのかわかんないわねェ……。あんまり干渉してこないのが、『Knights』の良いところだと思ってたのに」
月永「今の『Knights』はそうじゃないだろ、だからおれも帰ってきたんだ。血まみれで殺しあう無法者じゃなくて、何だかあったかい家族っぽい感じになったんじゃん
おれがいない間に何があったのか、どこが変わったのか……。教えてくれよ、ナル
今の『Knights』の輝かしく優しい空気感をつくった立役者は、おまえと紡だろう?紡はおれにすぐ合わせちゃうから、おまえが教えてくれよ
そのついでに、おまえ自身のこともちょびっとだけ話してくれると嬉しいな
どんなアホみたいなことでも、重苦しくて痛々しいことでも受け止めてやるよ。おまえのこと、ほとんど知らないし
これから短い間だとしても、一緒に戦うんだしさ。いろいろ知っときたい、信頼できない相手に背中を任せることはできないから
おまえがどんな薄暗い内心を、罪を抱えていても関係ないよ
お上品ぶってんじゃないよ、どいつもこいつも……。誰に対して格好つけてんだ、あぁ?」
『王さま』は紡ちゃんから聞いた通り、自分の世界観で生き抜いている。それを守り抜いているからこそ、みんな嫌いになれない。だから好きになっちゃう…
月永「一緒に泥をかぶって返り血を浴びて臭い飯を啜りながら、互いに通じあい信頼しあって戦場を駆け抜けられる仲間になりたいよ
そう思ってるのは、おれだけかな」
もう…すぐこうやって一人で語り出すのも悪い癖だわァ。でも、こうやって気づいたら感化されちゃうのよねェ…でも、本当に何を知りたいのかしら…『王さま』ったら本当にいつも急なんだから…
二人になってから
鳴上「まぁ、アタシも聞きたいことが山ほどあるわァ」
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