鏗鏘のStar Light Festival
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セナハウスで、私と泉と凛月…静かに3人それぞれの過ごし方をしていると廊下からパタパタと走ってくる音がする。
おそらく、二人…レオと司くんかな?と扉を見ると勢いよく扉が開く。
月永「たっだいま〜☆
おぉ、暖房がきいてる!あったかぁい……☆」
朱桜「ふふ。休日なせいか空調が働いておらず、廊下などは冷えていましたけどね。基本的に、夢ノ咲学院の校舎内は冷暖房完備なのですよ
”studio”では、季節感を度外視した衣装で撮影をすることもおおいですし
室温を一定に保つための”System”が存在するのは、当然でしょう
まぁ炬燵や”stove”などなど、撮影の邪魔にしかならない暖房具を持ちこむのはどうかと思いますけど」
『いいじゃないかぁ〜あったかいよぉ〜ほぉら、おいで司くん。お姉ちゃんがよしよししてあげるよぉ…』
瀬名「あったかくなりすぎて紡が酔っ払いになってる…」
朱桜「魅力的なお言葉ですが…だんだん”studio”の私物化が度を越してきている気がします。お姉様…」
凛月「いいじゃん、ここは俺たちの城だよ〜。お帰りなさい、ス〜ちゃん……『王さま』も♪」
寝ていたはずの凛月が炬燵からもそりと顔をだす。それを笑顔で貶す司くんに苦笑いを浮かべる。
泉が邪魔だ、と凛月を足蹴にすれば凛月の体が私の方へと寄ってくる。
『凛月、私の方に寄ってこないで〜…寒いよぉ…』
瀬名「くまくんの怠け癖がさらにひどくなったに加えて女王様まで怠け癖ついた気がするねぇ…まぁ今日は仕事ないし、こんな時間でもちゃんと起きてるから褒めてあげたいぐらいだけど」
月永「わはは☆セナは相変わらずネチネチと口喧しいなっ、お母さんか!」
レオは泉の首筋を手で撫でる。泉は背筋を伸ばしながら驚く。
瀬名「うひぃ⁉︎こらっ、冷えきった指で触んないでよねぇ?つうか溶けた雪が水滴になって落ちてくるしっ、チョ〜うざぁい!」
『レオ…水滴が落ちるからタオルで拭いてね?スタジオは濡らさないでね』
月永「うん!わかった〜、あ〜、セナあったかい……。生きてるんだな〜、うむうむ♪」
レオはすりすりと泉に擦り寄る。泉は「鬱陶しい!」と怒鳴り声をあげながらマフラーへと向き直る。レオはそれを見て目をキラキラとさせた
月永「おっ、ありがとうセナ!近ごろまじで冷えこんできたから、防寒具がほしかったんだ〜♪」
瀬名「あ、あんたへのプレゼントじゃないから!勘違いしないでよねぇっ?ていうかマフラーで身体に積もった雪を払うなっ、毛糸が濡れて駄目になっちゃうでしょ!」
『そうだよ〜…泉に意地悪しちゃダメだよ〜』
月永「え〜……。じゃあ誰へのプレゼントなんだ、あんずか?それとも紡?
『王さま』に貢ぎ物をしろよ〜、おれの騎士だろ?ほれほれ♪」
レオは泉にさらに抱きつく。私はそれを見つつ、炬燵の中にいる凛月を突く。すると、凛月は気づいたようでズルズルと体を起こす
そして、身体を一度出して私と同じところに入り、隣に座る。
凛月「あはは。身体が冷えてるから、セッちゃんから体温を奪ってるんでしょ
ちなみにセッちゃんは、例のあの『ゆうくん』のためにマフラーを編んでるっぽいよ」
『マフラーの図案も『I LOVE YOU♡』とか書いてあるしね』
凛月「気持ち悪い図案だねぇ…」
瀬名「もうじき年末でしょ、ゆうくんは前代未聞の大舞台……『SS』のために最後の追いこみをしているし
俺、ちょっとでも応援できたら〜と思って♪」
泉は微笑みながら、真くんについて語る、『スタフェス』が終わればアイドルの大舞台『SS』が始まる。『Trickstar』はその大舞台に向けて追いこみをかけているし、その手伝いもしているのでよく知っている。ただ、泉が着るものに食べるものにと、生活管理をする必要は別にないと思うが…、彼が幸せならもう何も言うまい…
私はもう何も考えまいと机に頭を落とす。
月永「良妻賢母だな〜。うんうん、おれも昔はセナに世話になったっけ……。懐かしい
その『ゆうくん』にセナをとられて、ちょっぴり残念ではある
自業自得だけど〜。あったかい居場所を自分から放り捨てたのは、おれだし
でもセナ、そのマフラー編み終わったらおれの分も編んで♪近ごろほんと寒くってさぁ、毎晩うっかり凍死しそうになるから!」
瀬名「うっかり凍死しないで……。路上じゃなくて、ちゃんと家に帰って寝なよ
つうかマフラーぐらい紡に編んでもらえばいいじゃん、編み物ならできるんじゃないの?」
『無理』
月永「無理だろ」
凛月「無理なんだ…」
瀬名「じゃあ妹ちゃんに編んでもらえばいいじゃん、あの子わりと手先が器用でしょ?」
それは無理だろうなぁ、と考えていれば当然のごとくレオはそれを否定した。頭を置いたままにしてれば隣に座った凛月が私の髪の毛で遊びはじめる。
なんで、こんな…モヤモヤするんだろ…。
1年の時から見ている泉とレオのやり取りだ。見慣れたはずなのに、初めて味わう感覚だ。なんでなんで…
先日ナルちゃんに言われたことを思い出す。「もし、王さまに告白されたらOKするのよぉ?」…とナルちゃんはそう言っていたけど、こんなの見せられて、レオが私に告白するなんて未来…誰が想像できるものか…勝手にしょぼくれていると凛月が小声で話しかけてくる。
凛月「紡?どうしたの?泣きそうだけど…」
『なんでもない…あくびしたら、涙が出てきただけだよ』
凛月「そう?ならいいんだけど…」
凛月は深くは聞かずに頭を撫でてくれた。その手に少し擦り寄れば、凛月じゃ「ふふふ」と笑った。
でも何も聞かずに私は机と挨拶し続けるのだった…。
騎士と王さまと
『これが”嫉妬”ですか…?』
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