鏗鏘のStar Light Festival
NameChange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『雪だあああああ!わああああ!泉見て雪だよ!見て見て!』
瀬名「ぁぁあああ!うるさいなぁ!見ればわかる!静かに作業できないわけぇ⁉︎」
『…はい、すみませんでした…』
セナハウスに気づけば、設置されていたこたつ。その中には泉と私と…それと凛月。
泉はいそいそと編み物、凛月は「すうすう」と寝息をこぼす。私はというと…
瀬名「だいたい、なんでここにいるの?」
『レッスンあるって司くんが言ってたから顔出そうと思ったらさぁ〜…こんな神アイテムが入荷してたら入るしかないよねぇ〜…』
凛月「ちょっとぉ…邪魔しないでよぉ〜」
『凛月はおこたに入るといつも以上に猫さんみたいだねぇ…』
凛月「紡はそれを邪魔する犬だねぇ〜」
瀬名「ふたりとも邪魔だから出てって〜」
『泉は編み物してるからおばあちゃんだねぇ〜』
凛月「あははっ!間違いないねぇ〜♪」
瀬名「…本当に追い出すよ?」
『……』
私と凛月は静かにそれぞれの仕事に戻る。と言っても凛月は寝直すだけ、私はこたつの上のみかんを食べるだけ…。
『久しぶりに女王様が城に戻ってきたのにいるのは寝てる騎士と後輩にマフラー編んでる騎士だけ、さみしいなぁ…可愛い後輩たちはぁ?』
瀬名「かさくんは王さま探しに行って、なるくんは知らない〜」
『みんな相変わらずレッスンより己だよねぇ〜…自己中集団』
瀬名「特大ブーメランって知ってる?」
『デカそうなブーメラン?』
瀬名「なんでもな〜い」
『なにそれ!気になるじゃん!』
私はこたつの中でジタバタと足を動かせば凛月が不機嫌な声をあげるのでやめた。しかし、久しぶりにレッスンに出れそうだと思ってきてみればこれだ。個人主義な部分はやはり完全にはなくならないのだろう。今だっているのは6人中3人…、なおかつ呼び出した本人がいないなんてなんとも言い難い。
瀬名「最近の調子はどうなの?忙しそうにしてるけど」
『まぁ忙しさは見ての通りだけど、充実はしてるよ!この間は音楽科の友達とライブイベントの打ち合わせしたんだけど、普通のスタジオと違って照明を自分で動かしたりしてさぁ…!脚立乗るのプロになりそうだった!』
瀬名「ヘェ〜音楽科にまで顔出してるなんてご苦労なことだよねぇ…」
『あとは演劇科にも衣装作る子がいてさ〜…、すごい静かで大人しいのに作るのは芸術作品なの!いやぁ…刺激的だったねぇ…やっぱ人は見た目によらないっていうか…』
瀬名「あっそ…」
『あっそ、って自分で聞いたくせに…』
凛月「セッちゃんは寂しいんだよ〜『Knights』のことを放ったらかして女王様が他所に行くから」
『…あらそうなの?泉ちゃんはツンデレしゃんですねぇ〜♪』
茶化すと泉はこたつの布団をベロンと持ち上げる。せっかくたまった温もりが外へと逃げて行く。
『寒いいいい!ひどい!なんでこんなことを…!』
凛月「うう〜…紡のせいだ」
『もう!泉の意地悪!』
瀬名「はいはい、黙ってね〜」
泉は布団を直して作業に戻る。私もからかうのはもうやめようと大人しくメモ帳とペンをカバンから取り出す。大人しく作詞を始めれば、セナハウスには静寂が訪れる。聞こえるのは私のペンを走らせる音と泉が編み物をするときにたまには擦れる編み物棒の音。それと、凛月の寝息だけ。
『新曲…できたんだけどさ…』
瀬名「はぁ⁉︎重要な話じゃん、なんで今まで黙ってたのぉ⁉︎」
『いや…その…納得してるようでしてないっていうか…一回泉にチェックしてもらおうかなって』
瀬名「俺?なんで…王さまじゃなくて俺…?」
『…やっぱレオの方がいいよね……いや、ナルちゃんにも頼んでみよう…』
瀬名「別に聞かないとは言ってないけどぉ…」
『じゃあ聞いてくれる⁉︎基準は『Knights』の新曲としてふさわしいかどうか!』
瀬名「…『Knights』の曲なんでしょ…?」
『まぁ聞くがいい!家に帰ってからな!』
瀬名「いや、今かければいいでしょ…」
『今はダメ!いつ帰ってくるかわからないから!』
そういって音源を泉の携帯に入れる準備を始めると泉はため息をついて、携帯のロックを外し私に渡す。受け取ると慣れた手つきで曲を入れていく。完了の表示を確認し、泉に携帯を返す。
『いいと思ったら、それをスタフェスの新曲として出したい…。どうかファンの人に届けたい…。』
瀬名「あんたがそんな自信ないの珍しいねぇ…」
『曲としては自信はあるけど…『Knights』の新曲としてどうなのかわからないから…』
泉は頭を傾げながら携帯の画面をみる。入れた場所を確認してから携帯を置いて「わかった」と私を見る。
ファンに届けたい。でも一番は『あなた』に届けたい。
どうか、公開告白になりませんように……。
こうして私たち『Knights』の『スタフェス』への道が開かれるのだったーー。
プロローグ
『Knightsのことで困ったときは泉に相談』
→