轗軻の恋と、親友との約束
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冬の気配漂う、11月
女子は寒さに弱いもの…。私は学校にブランケットを持ち込み授業中も放課後もこいつが私の相棒だ。
テラス席にいてもパソコンとブランケットが友達だ…。
『私はブランケットと結婚するんだぁ…』
鳴上「あらヤダ、親友が無機物と結婚するのは見過ごせないわァ…」
『ナルちゃん…どうしたの…』
鳴上「女王様が『Knights』に戻ってきた事だし、予定表渡しに来たのよォ」
『あらまぁ…助かるよぉ…』
鳴上「なんでそんなに元気ないのかしら?アタシでよければ、話聞くわよォ?」
『こんな話できるの、ナルちゃんしか居ないし聞いてもらいたいところだけど、まだ頭の中まとまらなくて…』
鳴上「そんなに悩んでるのも珍しいわねェ…前みたいに倒れる前に相談するねよォ」
『大丈夫だよ…そんな…倒れるような悩みじゃないから…』
私はあげてた頭を机に戻す。ナルちゃんは多くは語らず傍に座ったままで居てくれた。
結局『ハロウィンパーティー』が終わって翌々日にレオに『Knights』に戻りたいと伝えた。もちろん、答えはOKで私はまた『Knights』の夜永紡に戻ることができたのだが、
結局あれから
様々なイベントの舞台運営を任され、
演劇部の脚本や演出など『Knights』のプロデュース以外のことにも追われ、さらに忙しい日々を過ごしていた。
『ナルちゃん…』
鳴上「なぁに紡ちゃん」
『恋ってなに…どういう感じ?心がどうなるの?頭がどうなるの?その感情は複数にむくの?たった1人にむくものなの?』
鳴上「あら…今晩はお赤飯かしら…」
『わりと真剣に悩んでるんだけど…』
鳴上「だからお赤飯だって言ってるのよ…」
『なんで…?』
鳴上「だって!そういう相手ができたってことでしょォ!?相手は誰なの!?」
『相手…?…うーんそこも決まってないって言うか…』
決まっていないと言うとナルちゃんは乗り出した体を戻し「はい?」と言った感じの驚いた表情をする
『だから!決まってないんだってば!愛とか恋とかわかんないし…あぁ…プロット見せないといけないのに…何も思いつかない…』
鳴上「えっと…紡ちゃん…?プロットっていうのは…」
『物語書く前にだす大まかな話の流れのことだけど…』
鳴上「そのくらいわかってるわよォ!なんの話かって聞いてるの!」
『だから、演劇部の新しい舞台を恋愛ものにしたいんだって…!それを書くのに私は恋愛がわからないから…ナルちゃんに…』
鳴上「頭がまとまらないっていうのは…」
『わからなすぎてどこから相談していいのかと…』
鳴上「アタシにしか聞けないって…」
『この学校で恋してるのナルちゃんくらいしか思いつかないし…』
鳴上「あの愛について考える哲学は…」
『一夫多妻制ってぶっ込んだら面白いのかなって…ダメかな…』
鳴上「あぁもう!喜んで損したわァ!」
ナルちゃんは机をバンバンと軽く叩く。
それは本気で怒っていると言うよりは、聞いて呆れたって感じで…なにか勘違いを起こすようなことをしてしまったかな…とちょっとだけ反省する。
『ごめん…なんか勘違いするようなこと言ったかな…?』
鳴上「勘違いするようなことしか言ってないわァ!もう…じゃあなに?紡ちゃんは恋物語を書くのに頭を悩ませてるってことね?」
『まぁ…そうだね…』
鳴上「それなら簡単よォ!実践あるのみ!」
『じ…実践…?』
鳴上「そうよォ!とにかく、お姉ちゃんに任せなさいっ☆」
『いや、年下でしょ…お姉ちゃん』
そう言ってナルちゃんはウィンクして携帯を取り出す。携帯を触りながらナルちゃんがプロットと脚本の期限や休みの日を聞いてくるので、それに答えていく。
なんだか、嫌な予感がするけど…、わかる人間に聞いてしまおう。こればっかりは私一人じゃ答えがでないし…。
鳴上「いーい紡ちゃん、私が待ち合わせ時間と待ち合わせ場所を送るから絶対来るのよ!できるだけオシャレして!」
『オシャレ…』
鳴上「恋愛ものの映画とか舞台見れば勉強にはなるんじゃないからァ?」
『あぁ…確かに!それはいい考え!じゃあ早速!』
鳴上「待って待って…!ひとりで見ても意味ないわァ♪誰かと見ないと…っ♪」
『誰かとって……』
鳴上「いいからいいから、チケットはアタシが用意してあげる♪…じゃあ約束よっ♪」
『えぇ!ちょっと待ってよ!ナルちゃん!な…る……足早いよぉ…』
ナルちゃんはルンルンで走っていってしまった。
あまりの速さに外に落ちていた落ち葉が宙を舞う様子が見えるほどだった。
…ただの脚本づくりがなんだか、とんでもない波乱の幕開けのような気がするが…まぁ仕事が進むなら気にしないでおこう…。
『もう…詳細くらい教えてよ…オシャレするほど服ないし…』
プロローグ
『波乱の予感…あぁ、名曲が書けそう♪』
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