躍進*ブラッディ・ナイトハロウィン
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『Knights』と『Trickstar』のステージが終わり、私はレオに連れられて観客席に座らされる。衣装を着ていると、ファンサービスをしなければならないため。一度衣装を脱いでお忍びの状態だ、ただ一つまともでないのは膝の上に凛月の頭があるということだろう。
凛月は体調不良の中で、ステージに立ったんだ。体力を使い切って、疲れているのだろう。ゆっくり、休ませてあげたいので文句も言わずに貸している。それに、零さんにも宗くんにもステージを見ていろと言われたのだし…特に問題はない…。
月永「それで?次は誰のステージだ!」
『次は『UNDEAD』と『2wink』のステージだよ?』
月永「レイのところか!あいつちゃんと起きてるのかな!」
『向こうはあんずちゃんがいるから大丈夫だと思うけど…』
私が持っているパンフレットをレオは肩に頭を預けて覗き込む。重くなった肩をあげて「どいて」といえばいじけた顔をする。
『ただでさえ、膝が重いのに肩まで重いと集中力に欠ける…。やめて』
凛月「すうすう…♪」
月永「やっぱり、リッツを叩き起こすべきか…」
『ちょっと…可哀想じゃん…疲れてるのに』
月永「おれも疲れてる!」
『私も疲れてる』
月永「なんでだよっ!」
『レオのお守りに』
月永「なんだと〜!」
『ほら始まるよ』
始まる、といえばレオは押し黙って静かにステージに目を向ける。
やっぱりレオはステージを見るのが好きなんだな。勉強してる時よりも真剣にその演出や構成…、ステージの隅の隅まで目を向ける。
そこに人がよってきて集中していたレオが軽く声を上げる。
月永「お〜い、あんず!こっち、こっち♪よう、久しぶり!でもないのか、う〜んん?」
あんず「こんばんわ、紡先輩、月永先輩…」
『こんばんわ、あんずちゃん。どうしたの?』
あんず「例の件なんですけど、凛月くんをお借りできますか?」
『凛月を…?あぁ、いいよ』
月永「おぉ!いいぞ。紡が自由になるなら万々歳!」
『それで?どうすればいい?』
月永「よくわからんけど、面白そうだな!聞かせてっ、悪巧みは大好きだ!わはは☆」
あんずちゃんはこれからしたいサプライズについて話し始めた。レオはそれに笑いながら頷いて、「いいな!」と賛同する。あんずちゃんはそのために私に手伝って欲しいと声をかけにきたらしい。
月永「……ふむ、ふむ。成る程、そりゃ価値のあることだな
うんうん、『Knights』のリーダーとして承認しよう。かわいいリッツを貸してやる、あとで返せよ〜?」
『凛月、着替えて〜新しい衣装だって』
凛月「んん……。やだ〜、まだ寝る〜……♪」
月永「ワガママいうな。ほら脱ぎ脱ぎして〜、お着替えちまちょうね〜♪」
凛月「何なの、もう……。紡、このアホな『王さま』の奇行を止めてよ……?」
『ほらいいから着替えて…』
月永「おぉ、小綺麗になったなぁ♪」
どことなくステージにいる零さんと同じような印象の衣装を身に纏った凛月が完成した。凛月はそれを察して脱ぎたがるがそれを3人でとめる。
『その格好のまま『UNDEAD』のライブ手伝っておいで?』
凛月「どうして、俺がそんな面倒くさいことをしなくちゃいけないの……?」
『いいじゃないの?飛び入りOK何だし…行っておいでよ』
凛月「ん〜……。まぁどうも、舞台では『UNDEAD』と『2wink』とかが入り交じってるし、飛び入りOK、みたいな感じではあるけど〜?」
月永「ぶつくさ言ってないで、行ってこいよ。ここで見守っていてやるからな、リッツ♪」
『そうそう、見守ってるよ。行っておいで〜』
凛月「うう。『王さま』も一緒にきてよ〜、独りはヤだよ〜……寂しいよ〜?」
『レオは仮装してないからダメだよ』
月永「そうだぞ〜場違いすぎる。いいから行けよ、舞台上は賑やかだから寂しくなんてないだろ
せっかく夜更かしして大騒ぎしてるんだ、寝過ごすのはもったいないじゃん?」
凛月「う〜……。仕方ないなぁ、『王さま』はいつもそうだ。人任せにしてばっかりで、ずるい。あんまり暴君だと、暗殺するよ〜?それと紡を搔っ攫っちゃうよ〜?」
『あらら…』
あんず「凛月くん時間があるからっ!」
凛月はレオに文句を言いながらあんずちゃんに引っ張られてステージに向かって行ってしまった。
ほんと、これを機に少しでも兄弟の距離を近づけてしまおうというので…驚きだ。
『すごいよね…いろんなところに気が使えて…』
月永「そうか?紡も充分気が使えるいい子だぞっ♪」
『いい子って…あのねぇ…まぁ、ありがとう。レオくん』
月永「……!……うん、どういたしまして紡ちゃん」
レオが肩を寄せて、ゆっくり手が触れて手を繋いだ。
それはまるでどこかで見た映画のワンシーンのようにも見えたかもしれない。
凛月は零さんと背中を合わせて歌い始めた。そんな時の話だった…。
あんずちゃんはステージに釘付けで、私たちがこんなことをしてるなんて知らずにいる。それが少し罪悪感と背徳感があった…。
ダークナイトハロウィン
凛月「心配かけて、ごめんね…ありがとう、『お兄ちゃん』」
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