躍進*ブラッディ・ナイトハロウィン
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『ハロウィンパーティー』当日ーー。
私はとあるブツを目の前に呆然と立ち尽くしていた。
その周りには、零さんと夏目くんと宗くんとみかくんが立っていた。
『あの宗くん…これはいったい?』
斎宮「いったい、とはどういうことだ…お前が頼んだお前の衣装だ。」
『いやいや、私プロデューサーだよ?こんな衣装着て打ち合わせに学校の仕事にって出来ないよ…?』
影片「せやから、準備が終わるまでは紡姉もみんなと同じ練習着も用意したで〜♪」
『いや練習着はありがたいけど…この衣装は』
逆先「いいんじゃないかナ、紡ねえさんらしイ衣装だヨ」
零「そうじゃそうじゃ♪早く着て見てほしいんじゃが!」
『ていうか、なんでふたりはここにいるのかな?』
零「眠る前に紡ちゃんの仮装を見ておこうと思って♪」
『早く寝なよ。まだ朝だから、衣装着ないしこれから校内の施設の確認とスタッフと打ち合わせ、学院が解放されてから衣装着てお菓子配りだから。』
逆先「ほんと紡ねえさん、働き者だよネ。あんずちゃんにも負けてないヨ」
『あらそう?お姉ちゃん頑張っちゃってるかな?夏目くん褒めて褒めて?』
零「我輩が褒めてやるぞ、紡ちゃん…ほれ、こっちにおいで?」
『遠慮しま〜す』
固まった体を夏目くんの方に向ければ向こう側にいた零さんが手招きする。それを無視して巫山戯ていると今まで黙っていた宗くんがバンッと机を叩く。
斎宮「騒がしくするなら出ていくのだよ!お前たちライブ当日にも関わらずなんなのだ!」
影片「お…お師さん…」
斎宮「影片は菓子配りの準備!」
逆先「宗にいさん…」
斎宮「逆先は自分の部屋の準備があると言ってだろう!」
零「斎宮くんや、そんな大きい声を出さんでもいいじゃろう…」
斎宮「零、寝るといい!僕らの前で情けないライブをしたら許さん」
『そうだそうだ〜(小声)』
斎宮「貴様は仕事をしろ」
『はい!』
真面目な宗くんに誰も逆らえず、それぞれの場所に戻ることになった。私も一度外に出て他のスタッフとの打ち合わせに向かった。一度衣装の事は忘れよう。
今はあんずちゃんと合流して打ち合わせの仕事を終わらせよう。
廊下を走っていけば待ち合わせ場所には可愛い格好をしたあんずちゃんが待っていた。
『あんずちゃん!可愛い!赤ずきんちゃんだ!』
あんず「紡先輩おはようございます!……あれ?その格好…」
『みかくんが作ってくれたの♪みんなとお揃いでいいでしょ?仕事が終わるまではこの格好でいようかなって、衣装が動き回るのに適してなくて…。』
あんず「そうなんですね!お似合いです♪」
『ありがとう、じゃあ仕事に行こうか♪』
あんずちゃんはコピーした資料を私に渡して内容を確認する。そこには本日の内容が盛りだくさんで書かれていて、打ち合わせの内容や確認事項がまとめられていた。
各ユニットの流れやどこの教室を使っていて立ち入り禁止区域はどこなのかも明記されていた。
『確認した事はSNSを通じて報告するね?あぁ、そういえば例の計画どうなった?『UNDEAD』の方は時間あけたけど』
あんず「ありがとうございます!あとは凛月くんを捕まえておいてもらえると…」
『捕まえる…?あぁ…わかった…任せておいてっ!』
どうやら、あんずちゃんは今回の朔間兄弟の件で少しでも仲良くなるきっかけを作れればと計画しているようでその協力要請が私に回ってきたというわけだ。
本当に気が回ってできた子だ、尊敬できる…気づけば無言で赤ずきんの上から頭を撫でていた。
『あんずちゃん…ほんといい子すぎて私はもう怖い…』
あんず「えぇっ⁉︎怖いってなんですか⁉︎」
『もう…誰かに意地悪されたらすぐに言うんだよ…お姉ちゃんが敵を蹴散らしてあげるね…』
あんず「特にイジメられる予定はないんですけど…」
『まぁ、いいよ!もしもの話!じゃあ仕事に行きますか!』
あんず「はい!紡先輩よろしくお願いします!」
あんずちゃんと話し合ってから別れ、それぞれの仕事へと移動した。そのあとは、打ち合わせをしてスタッフと認識のズレをなくすために細かい部分まで話し合った。確認作業を終えれば教室の確認をして戸締りを行った。
そろそろ学校に一般のお客さんが入る時間になったので宗くんが待つ、手芸部の部室へと入る。
『お待たせ〜。そろそろ入場始まるよ〜』
斎宮「戻ってきたか、よし。着替えろ」
『宗くんって男女の境ある?私女ですよ?』
斎宮「そのくらいわかっている。だが、着替えないと話にならん」
『ここで…?』
斎宮「馬鹿か、向こうの部屋だ」
『…ですよね!いってきます!』
私は衣装を持って部室の隣にある小部屋へと駆け込んだ。ちょっと考えればわかった事だが、そこまで頭が回っていなかったようだ。
大人しく部屋に入って衣装に袖を通す。着慣れない服だが、宗くんに頼んだのは私自身だ。諦めて最後まで着ていよう。
『着替えたんです…けど…やっぱアイドルより目立つんじゃない…?』
斎宮「いや、いいんだ。成長したお前へのせめてものプレゼントだ」
『え…?』
斎宮「今日のライブは袖で見る必要はない。客席で見てろ」
『そんな…、ライブにはいらない…?』
斎宮「『いらない』じゃない。お前が言ったんだろ。僕の世界を魅せろ、と。
だから、正面から見るがいい。お前が作ったライブを…」
『宗くん…』
斎宮「お前は仕事を完璧にやった。自信を持ってステージを見てるだけでいい。それとも、そばで見ていないと不安か?」
『ううん、いいステージになると思う…。その自信はある。だから、お言葉に甘えて正面から見てるね。』
斎宮「あぁ…装飾をつけてやる。こっちに来い」
『うん』
部室の椅子に座れば宗くんが装飾をつけてくれて、仮装を完成品へと近づけてくれた。ただのプロデューサーが、こんな格好をしていいのかは不明だけど、それでもご褒美と言われればありがたく受け取るしかなかった。
ご褒美
斎宮「月永がどんな反応するか見たかったがね」
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