躍進*ブラッディ・ナイトハロウィン
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瀬名「だから〜『Trickstar』と仲良しこよしするのはやめたのぉ〜」
『へぇ〜泉が今回は独断専行をとったんだねぇ〜あはは☆『Knights』はほんと戦争大好き集団だねぇ〜』
ガーデンテラスのソファー席、いつもの癖で席に座れば自然と紅茶が目の前に置かれ、泉が目の前のソファーに腰を下ろす。どうやら、先日共同ライブからお得意の『デュエル』形式の対決ライブに変更したそうで、結局『Knights』と『Trickstar』はいつものように対決することになったらしい…。
泉は少し疑ったような顔で私の顔を見る。私はそれを気にせず、紅茶をすする…。少しお芋の味がする秋らしいフレーバーの紅茶だ…。
『なに、その顔…。泉風に言うなら不細工な顔〜』
瀬名「なにそれ⁉︎チョ〜うざぁい」
『…いいと思うけど』
瀬名「はぁ?」
『ずっと気にしてたんでしょ?『Trickstar』の大人な対応にむず痒さを覚えた。
もっと向こうだって怒ったっていい。『Knights』も怒っていつもみたいに刃を突き立ててくれればいいのに…。お互いモヤモヤしてた。
それがファンにも伝染してモヤモヤが広がっていた。
だったら、いつもみたいに対決で白黒ハッキリさせようってした方がみんながスッキリする。
戦いの終わった後に健闘でもたたえれば雑誌の件も丸く収まる。みんなが「いいライバルなんだ」で納得する。
私は『Knights』らしい結論だと思うけど?』
瀬名「…なんか、女王様」
『女王様じゃないですけど』
瀬名「紡さぁ…」
『うん』
自分を女王様じゃないと訂正すると泉は軽く息を吐いて名前に訂正する。その顔を見ると少し呆れた顔をしていた。でも事実今の私は『Knights』の人間じゃない。それだけが事実だ。
瀬名「大人になったんじゃない?…自分の考えを色んな目線で見れてると思うよ。俺は……昔みたいにれおくんのこと信じきった信者じゃなくなってると思う…。」
『泉に大人になったね、って言われるとは思わなかった…。』
瀬名「俺はそう思うってだけ」
『そう…、ありがとう。』
確かに、レオを中心に考えることは少なくなったかもしれない。今は『Knights』以外のものに追われて意識がそっちに向いていないだけかもしれないけど…。それに、まだこれから何を信じていけばいいか私にはわからなかった。
まだ、私は『Knights』には戻れない。
『でも、泉が話し相手だと他の子が来なくていいや…』
瀬名「はぁ?」
『だってナルちゃんも司くんも質問ばっか、凛月は作業の邪魔するし、レオは目の前で作曲し始めて作詞して!って楽譜渡す。
その点、泉は邪魔しないし報告だけしてくれるし無言でも苦にならない。
他の子がいると自分が『Knights』だって勘違いしちゃうから…』
瀬名「紡は『Knights』でしょ」
『今は違うよ…ただの修行僧』
瀬名「修行僧って…何それ」
『え〜?妄想しなよ。すぐに答えを求めるのは怠惰だよ』
ふふ、と笑えば泉は難しい顔をして悩み始めた。
私はその答えを待たず、席を立つ。
『紅茶ご馳走さま、対決頑張ってね。
ライブ楽しみにしてるから、仕事もひと段落したから…じゃあね、騎士様』
瀬名「…絶対勝つから」
真っ直ぐな目でこっちを見る泉に何かあったんだなって思いながらもコクリと頷き、後ろを向きガーデンテラスの出口を目指す。
今日は『Valkyrie』と『Switch』の打ち合わせがある。きっと作業をしてる宗くんを迎えに行って、その後合同練習のスタジオに向かうことにしよう…。きっとそこにミカくんもいるだろうし。
『ハロウィンパーティー』まであと数日…、準備は順調だ。『Valkyrie』のレッスンも調子はいい。調子はいいが、様子はおかしい。主に宗くんの…
『宗くんさぁ…、最近マドちゃんと話さなくなったよねぇ…』
斎宮「……」
『いつからなの?…私には相談できない?』
斎宮「…最近マドモアゼルの声が途中で途切れてしまう…返事をしてくれないのだ…」
『ほうほう…マドちゃんがねぇ…』
作業中のため綺麗に座らされているマドちゃんがこちらに微笑んでいる。いつもと違い何も話すことなかった。
『なんでみんな大人になっちゃうんだろうねぇ…マドちゃん…女はいつも置いて行ってばっかり…マドちゃん可哀想〜…』
斎宮「お前はなんで毎回マドモアゼルに馴れ馴れしいんだ。」
『女の子同士仲良くていいでしょ〜?それに聞こえなくなるのって宗くんが大人になってる証拠じゃない?みかくんのこともちゃんと面倒見てるし…昔から変わらないと思ったら中に入ると、変わってて驚いたよ。とても面白い☆』
斎宮「わかったような口を…」
『わかったつもりだよ…宗くんも大人になってるなぁって昔から大人っぽいけど、雰囲気とか言動も前より成長してると思うよ…私に言われてもって感じだけど…』
斎宮「そうか…まぁ一人の意見として覚えておくのだよ」
『きっとマドちゃんもまた話してくれるよ…
じゃあ、雑談もほどほどに合同練習に行きますか…!』
斎宮「そんな時間か…、紡がいると時計を見るのを忘れてしまうな…」
『あの時間に厳しい宗くんがぁ?…おぉ、すごい!私すごい!』
斎宮「ほら、早く行くのだろう。準備して行くぞ」
宗くんは作業のキリがいいところまで進めて荷物をまとめ始めた。私も広げた企画書やノートをまとめて宗くんに続いて外に出る。
宗くんの横を歩きながら口を開く
『宗くん、私は後輩に何を残していけるのかなぁ…』
斎宮「お前は充分働いているし、まだ時間もあるだろう…悩めば悩むほど明確な答えがでるものだ。それに、すぐ答えを聞くのは人間の退化なのではないのか?」
『そうだよね…。もうちょっと考えます…』
斎宮「あぁ、それがいい。お前が一生懸命考えた答えの方が後輩も喜ぶことだろう…」
『やっぱり…宗くんは大人だなぁ…』
会話もそこで切り上げてレッスン室を目指した。
周りが大人になっていく中で私は泉が言ったみたいに大人になっているのだろうか…。
新しいことを始めて発見や違和感…、色々感じた。でもそれを試行錯誤して悩むことの楽しさも見つけた。私も成長できてるのかなぁ…
それぞれの感じ方
『ネバーランドには行きたくない』
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