躍進*ブラッディ・ナイトハロウィン
NameChange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私は走っていた。
誰がなんと言おうと、全速力で…例え誰かが走ってるのか?遅いなと言ってもこれが私の全速力だ…
『凛月ーーーーーー!
うわぁあ…大変だ!死ぬな凛月!太陽の光で焼け死ぬなんて本物の吸血鬼でした☆って言ってるようなものだ!凛月!それはシャレにならない!し〜ぬ〜な〜!』
保健室で死んだように寝ている友人を容赦無くボコスカと叩く。すると横になっていた凛月がのらりと起き上がる。
凛月「なに、紡…安眠妨害なんだけど…」
『キャアア、吸血鬼の目が覚めたあああああ!』
凛月「なんなの怒らせにきたの?」
『ごめんよ?…そんなつもりじゃ…』
凛月はなんだか不機嫌な様子で私の顔を見てバサッと布団に潜る。私はあわあわと寝転がる凛月に駆け寄る
『ごめんよ?凛月!何をそんなに怒ってるの?私は凛月が心配で…できうる全力をもって駆けつけたのだけど…』
凛月「紡さぁ…兄者に似てきた?」
『なんだと⁉︎それは不本意だ!遺憾の意!確かに、ここ最近は零さんともよくいるし他のユニットの人たちともよく会う!でも私は私!』
凛月「そうだねぇ…『Knights』を捨てて出ていったお転婆な女王陛下だ…。『友達』の俺には相談せずにさぁ…」
『凛月だって…勝手に体壊してる…』
凛月「それとこれとは別だし」
凛月の言い分としては、何も言わずに出ていった私に対して怒っているのと零さん率いる『UNDEAD』のプロデュースをしていることに対して怒っているらしい。
結局『Valkyrie』と『Switch』のプロデュースをする情報がどこからか漏れ出し。『UNDEAD』と『2wink』のプロデュースも請け負うことになった。
それと、生徒会がその情報を知ってユニットの衣装デザインを担当させられ一部分の飾り付けも業者とのやり取り…つまりは生徒会業務を押し付けられてしまった。
凛月が寝転がるベッドの端に腰掛ける、凛月は布団にくるまって顔は見えない。腰のあたりに手を置いて口を開く
『凛月…私も話すから…凛月も話して?なんでそんなに無理してるの?
知らない間にそんなボロボロになって…『友達』…でしょ?』
凛月「『Knights』じゃなくても俺のこと『友達』って言ってくれるの?」
『なんでそんなこと言うの?言ったでしょ?私は朔間凛月の特別な『友達』って、それとも凛月は『Knights』の夜永紡と友達だったの?『Knights』じゃない私はただの知り合い?』
凛月はまたゆっくりと起き上がって私の方に体を向ける。ちゃんと見た凛月の顔色は本当に青白くてどことなく目が虚ろな感じがした。凛月は悲しげに目を伏せてからこちらをみる。
凛月「ごめん、意地悪言っちゃったね…。紡は間違いなく俺の大事な『友達』だよ
あのね…、近ごろ身体が重たいんだ…この間も『王さま』に失神されるの見られたし、昼夜逆転してるせいか…すごく眠い。やっぱり、日中に起きてるのはつらいかも…
でも。みんながいるのは、太陽が照ってる時間だから…
お昼に寝てると、みんなと同じ時間を共有できないから………」
『だから無理して起きてたんだ…そっか、凛月も大人になったね。よしよし♪初めて会った時は、ひとりで充分で〜すって感じだったのに…』
凛月「それで?紡は?どうして愛しの『王さま』を捨てて、大切な『Knights』から離れていったの…?」
『言葉にすると難しいんだけど…
私も太陽の下で過ごせるようになりたくなったの…
ワガママだよね…でもここ最近みんなが眩しくって…今の私じゃ焼け焦げそうで…だから私もみんなと対等になりたい。
私もひとりの騎士になりたい。大好きだった『神様』を捨てて、新しい物を信じてみんなと並びたい…
みんなが生きてるのは太陽の下だから、私もみんなと同じ景色が見たい…同じ時間を共有したい。凛月も同じでしょ?やっぱり似てるね。私たち』
あはは、って笑うと悲しそうな顔していた凛月が暖かい微笑みに変わった。すると、いつものように肩に頭を預けられ後ろから頭を撫でられる。
『えっ…なに…』
凛月「紡も充分大人になろうとしてるじゃん…ひとりで頑張ろうとして、えらいえらい…」
『凛月……』
凛月「みんなと同じ場所にいたい気持ちすっごくわかるよ…」
『うん…でも、凛月が倒れるのは見たくないよ』
凛月「そうだよね…ごめんね?心配かけたよね…」
『もういいよ…私も何も言わず出てってごめん…今度からは相談するから』
凛月は頭を上げて小指をさしだして私の小指と絡ませる。「ゆびきり〜♪」とリズムに合わせて上下にふる。まるで子供の約束のようにそれが終わればお互い顔見合わせて笑う。
『私が太陽の下に出れるようになったら凛月も一緒に出れるように手を引いてあげるね?
一緒ならなんでもできるでしょ?一緒なら日傘をさしてあげられる…。辛くなったら支えてあげられる。悪くないでしょ?』
凛月「ふふ。そうだね…紡が一緒なら心強いや…」
『だから、私がいない間『Knights』をよろしくね。凛月』
凛月「うん、任せてよ。紡」
『あと、共同ライブだっけ?それ面白いの?』
凛月「え?」
『だって、『Knights』と『Trickstar』はライバルでしょ?楽しいライブなんて…随分と丸くなったものだよね…』
凛月「何が言いたいの…」
『いーや、どうなるか楽しみにしてるから!私の大好きな『Knights』がどんなライブ見せてくれるか楽しみにしてるからね!』
凛月「うん…ちゃんと見に来てね」
『うん!じゃあ無理せず頑張ってね!私も頑張るから!』
そういって、保健室から出ていく。凛月が何か言っていたみたいだけど、それは耳に入れないようにした。悪魔の囁きはいつだって迷いを産むから、今の私に迷いは必要ないのだから…
お互いが心配
凛月「今までにないくらい紡も輝いてるよ」
→