躍進*ブラッディ・ナイトハロウィン
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数日後ーー
レオが屋上で作曲するからついてこいと手を引っ張られてやってきて少しの時間が経った。
今は司くんが、現状を説明している。やっぱり、あの記事の件は誰かの策略で標的にされてしまったようだ。
なんとも悲しい話だ。『Knights』が何をしたというのか…
朱桜「……ここまでが現状、というか前提です。何かご質問はありますか、”leader”、お姉様?」
『私はないよ、みんながそれでいいなら…それが最善だと思う。』
月永「♪〜♪〜♪」
朱桜「はい。作曲に夢中で聞いていませんね、無駄な時間を過ごしました。ただのお姉様への報告の時間になってしまいました。せっかく”smartphone”を失くしがちな”leader”が時代に取り残されないよう
適時、こうして現状を説明しにきて差し上げているというのに」
『ごめんね、司くん…すごい迷惑だよね…』
朱桜「いいのですお姉様!これも年下の役目……
ば〜かば〜か。作曲中毒の変人、言動が三歳児(小声)」
月永「何だとう‼︎聞き捨てならんっ、紡の悪口はおれが許さないぞ!馬鹿って言ったやつが馬鹿なんだぞ!」
『いや、今のは明らかにレオの悪口でしょ…』
レオは小声で言われた悪口に大きな声で反論する。司くんは呆れて目をそらす。私はレオが怒っている姿を遠い目で見つめる。何だか、変わりなく過ごしていて安心した。
朱桜「聞こえているではありませんか”leader”、だったらせめてお姉様同様相槌ぐらい打ってほしいものです
あなただけを相手にしていると、延々と独り言をしているような気分になっちゃいますよ」
月永「ふふん。それで凹むような『たま』でもないだろ、おまえ
よく言えば唯我独尊!悪く言えばマジ空気読めない……!」
『まぁ…もう少し空気は読めるにこしたことはないかもな〜…』
朱桜「それの何が問題なのですか?」
月永「わはは。褒めてるんだよ『新入り』。そんな空気読めない腹の立つガキだからこそ、おまえはおれの心に辿り着けた」
『いいことって言いたいんだよ。司くん深く考えないで』
朱桜「むむ…本当に、何の話なのでしょうね……。というか、『おまえ』とか『新入り』ではなく名前で呼んでいただけます?
いいかげん覚えたでしょう、また忘れたというなら本気であなたは馬鹿なのだと判断しますよ?」
『確かに、ここまでしつこくされて覚えないのも不思議だね?何で?恥ずかしいの?』
月永「う〜……。今さら気恥ずかしい」
朱桜「何ですかそれは……。わけのわからないひとですね、まったくもう」
月永「よく言われる。ってことで……いつもの儀式も終えたことだし、曲も良い感じに仕上がったから真面目に相手をしてやるよ。紡〜、はい楽譜♪」
『はいはい…』
レオは私に完成した楽譜を渡すと、私が座っている隣に腰をかけ立っている司くんを見上げる。
一応聞いていたようで記事の話に戻っていた。
記事の件があって仲良しですアピールというのは言い方が悪いが、同等の敵であることをしめすために『Knights』と『Trickstar』で共同ライブを行う運びになったそうで、その一環として『ハロウィンパーティー』の準備も一緒に行なっているそうだ。
朱桜「ともあれ。聞いていたなら話が早いです、そういうわけなので………”leader”もお姉様も『”Halloweenparty”』の準備に参加していただけます?」
月永「えっ、なんて?」
『ハロウィンパーティー?』
月永「あぁ『ハロウィンパーティー』か、おまえ発音が良すぎて逆に聞き取りにくいときがあるな!」
『達筆な人の字が逆に読めないアレだね』
月永「あぁ!そういう感じか!わはは!面白いっ、湧いてきた湧いてきた霊感(インスピレーション)が……☆美しすぎて逆に誰からも愛されないお姫さま、高嶺の花の曲をつくろう!」
レオは新しい曲を書き始めるが、司くんによってそれを阻まれる。私は、何も書けていないのに…レオはやっぱりすごいなぁ…
二人が話しているのをよそにポタポタとレオの新曲の上に涙が落ちる。まずいと思ってバサッと音をたてて楽譜を避けると二人がこちらを振り向く。
月永「紡⁉︎何で泣いてるんだ⁉︎『新入り』の声が大きくて⁉︎」
朱桜「なっ、”leader”の声の間違えでしょう⁉︎」
『ち…違う…ごめんなんでもない…話続けて…』
朱桜「そんな‼︎泣いている紡お姉様を放って話を続けるなんて…」
月永「そうだぞ…‼︎身体しんどい?体調が悪いのか?何があったんだ⁉︎」
朱桜「”leader”は相変わらずお姉様が関わると普通の人間ですね…」
『もう大丈夫だから…』
少し落ち着けて、前を見ると心配そうな顔で私の前にしゃがんだレオと立って私の方を覗き込む司くんがいた。
心配させないように両手をふればふたりは安堵の息を漏らす。
朱桜「ともあれ、話を戻しますけど
同じ部活で親しい凛月先輩あたりが相談したのか、先方が勝手に事態を把握して口出しをしてきたのか………
天祥院のお兄さまが的確に手を打ってくださったので、件の雑誌記事による被害は最小限に収まったのです」
月永「……天祥院のお兄さまぁ?」
朱桜「? ”leader”も、お知り合いでしょう?あのかたを、忌々しい『”Knights killers”』に招いて一緒に戦っていましたし……?」
月永「友達だったんだよ。……まぁ、あいつが対処したなら宜なるかな。綺麗に解決したはずだろ、何が問題になってるんだ?」
『解決した。じゃなくて、解決しつつある……ってだけでしょ?』
朱桜「はい。とにかく、口で説明するのは難しいので、できればこれから私に同伴していただきたいのですが
百聞は一見に如かず。我々がいかに厄介な状況に置かれているか、見れば一目でわかると思います」
月永「ん〜。いや、遠慮しとく。ちょこっと興味深いけど……『Trickstar』とやらと絡むんなら、おれは今回の話に関わりたくない」
『私も、今回はパスかな…。他のユニットのプロデュースの約束があるから今回は『Knights』で頑張ってね』
ふたりはそれを聞いて固まったようにこちらを見る。なに?と首をかしげるとレオは司くんに「今回は、本当に申し訳ないけどおれは不参加にしてほしい」と言ってから無言で私の腕を握って歩き出した。
その力がやけに強くてその痛みにまた涙が流れそうになった
天才の言うことには
『力が強いよ…レオ』
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