躍進*ブラッディ・ナイトハロウィン
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10月の終わりーー。
我が夢ノ咲学院では待望の秋の『S1』である『ハロウィンパーティー』に向けて動き回っていた。
あんずちゃんの企画・運営を担当しているためその内容は今までにない様子で生徒たちもファンやお客さんにも楽しんでもらえるようになっていた。
そんな学校中がハロウィン一色になっているなか、私はと言うと…
『もう無理だ…何回ハロウィンとかカボチャとか…トリックオアトリートと書けばいい…こんなの面白くない、新鮮味もない…うがあああああ!』
あんず「紡先輩!落ち着いてください!お茶をっ!」
『あんずちゃん…ありがと…ずずっ…はぁ…カボチャティー…』
あんず「ああ!気が利かずすみませんっ!」
『いや…私が大人気なかった…。ごめん…』
あんず「そんな…」
私はユニットの依頼でハロウィンパーティーで使用する新曲を作っていた。同じハロウィンのテーマだから、似たような言葉を書き連ねることに限界を感じていた…。いつもなら、それぞれのユニットの色にイベントのイメージを乗せるのだが、今回はユニットの色のみでどう考えても系統が似れば曲の感じも似てくる。
あんずちゃんがイベントの相談や作曲の勉強にやってきても私は〆切直前の漫画家のように死んだ顔で応対することしかできない…。
あんず「やっぱり、相談とかしないほうがいいですか…?」
『いや、してくれていいんだよ…ただこんな応対しかできない自分に嫌気がさす…ごめんね…書きためた曲もこだわり強いユニットだと一からだったりして…もう…作曲でこんなに頭回らないことなんてないんだけど…ちょっと急ピッチすぎた…』
あんず「いやいや!すでにあの量書き上げているだけで紡先輩はすごいです!」
『こんな面白イベント作るあんずちゃんもすごいと思うけど……』
作曲の休憩にと机に広げた企画書をお茶を飲みながら手に取る。本当に春は全くのど素人と言われてた彼女がこんなイベントを作るまでになるとは誰が予想していたことだろうか…。
そう考えていると、一つの項目に目が止まる
『ねぇ…この仮装の規定って私も入ってるの?生徒も観客もってことは…私も仮装するの?』
あんず「はい!紡先輩にも仮装していただきます!今日はそのお話も!なんの仮装をするかとか!」
『すごくいやだ…』
あんず「えぇ⁉︎紡先輩そういうの好きだと……」
『えぇ…どんなイメージをお持ち…仮装かぁ…あんずちゃんは…何するの?』
あんず「私は動きやすい感じで赤ずきんとかにしようかと…」
『じゃあ…私もお布団お化けでいいよ…そのまま保健室で眠るんだぁ…』
あんず「そんな!紡先輩には豪華絢爛な…」
『あんずちゃんの私へのイメージ難しい…』
あんずちゃんは私にがっつり仮装をしてほしいらしい…でもこの状況でハロウィンパーティーの作曲やプロデュースをするとなると体力も限界だ…なのに仮装して歩き回って…もしものことがあっても困るし…
するとあんずちゃんは少し不安そうな顔でこちらを見てくるので諦めるしかなかった…可愛い後輩の願いだ…折れてやるのが先輩というものか…
『わかった…仮装は考える…宗くんあたりに頼もう…あとは…うんいい感じ…あんずちゃん企画書書くのもプロになってきたよね…?いい子いい子♪』
あんず「えへへっ…」
『でももう無理はしすぎないでね?『SS』も近くなってくるし、あんずちゃんがまた倒れたら『Trickstar』が大変だからね…』
あんず「はいっ!紡先輩も無理は厳禁ですよ!」
『お互い…自分の『ユニット』に心配かけないようにしようね…』
あんずちゃんの言う通りだ私もあんずちゃんも前科があるからお互い気をつけないといけないことが多いようだ。
しかし、卒業まであと少し…。残せるものは残しておきたい。『Knights』には王さまであるレオが戻ってきたわけだし、『Knights』中心に考えなくても問題なくなっている。だったら、今のうちに…
『今のうちに…ってなんだろうねぇ…』
あんず「先輩…?」
『うんん、なんでもない!おっ♪霊感(インスピレーション)が湧いてきた!名曲が書けそうっ♪』
あんずちゃんは作曲するんだと察してそれ以上話すことはなかった。
私は、ピアノに手を置いて何も書かれていない楽譜を目の前にする。思うままに指を走らせてはいいと思ったフレーズを楽譜に書き出していく。まるでパズルのようにひとつの曲を作っていく。
『君も名曲になりたいよね…
私も…君を名曲にしたい…だからもっと聞かせてよ…君の鼓動を…』
その鼓動で奏でよう。至高の名曲を…
プロローグ
『あ…いいこと思いつきそう』
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