連弾!月光とシンパサイザー
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雨の日のあとは天気がよくカラッと晴れる…。
7月にもなれば、完全に暑いという感情だ。5月なら心地よかっただろうに…さすがに暑すぎる。
それでもこの天気と昨夜の出来事を思うといてもたってもいられなくて中庭に出る。
誰かが水をやったのか、それとも昨日の雨のおかげか…花が水をあびてキラキラと輝いていた。
その様子をみながら中庭の奥へと進んでいく。
『猫さんいるかな〜?』
「にゃ〜ん…」
『あっ!こんにちは〜…えっと、リトルジョン?…と…凛月』
凛月「おいっす〜…」
中庭のベンチに近づいて猫さんがいないかと探し回っていると昨日知り合った猫さんことリトル・ジョンとなぜか死にそうな顔をした凛月がいた。どうやら、雨に濡れていて地面には寝れないと判断したのかベンチに寝転がっていたようだった。しかし、時間のせいか日差しが当たり始めて苦しんでいるようだ。
猫さんは挨拶してたら走り去ってしまった…少し残念だが騒がしくて離れてしまったのだろう。仕方ない…。
『なにしてるの?日が当たってつらいんじゃない?』
凛月「うう〜…最初は当たってなかったんだけど…でも日が昇ってしまったぁ〜…」
『あ〜…どうする?中に戻る?外の日陰に移動する?』
凛月「紡はなんでこんなところに?」
『なんとなく…猫さんに会うのと凛月がいる気がして?』
凛月「さすがすぎ〜…」
凛月はそういうとベンチの上でくるりと仰向けになる。右手をフラフラと振って目を閉じる…せめて何かを、と思ったので着ていたカーディガンを丸めて頭の下に置けば、「ありがと〜」と凛月は死にそうな顔で笑った。
『日傘持ってこようか?それとも炭酸?』
凛月「いいよいいよ〜…側にいてくれれば」
『なにそれ…、なんか彼氏みたいっ!あはは☆』
凛月「紡にその感覚があったのが意外〜。自分はあんなに甘い台詞吐くのにねぇ〜?」
『甘い台詞?いつ言ったそんなこと…』
凛月「自覚なしぃ〜?意味不明…ふぁあ、ふ♪」
『甘い台詞…、?』
凛月「俺と一緒にいる『理由』を一緒に一生かけて探してくれるんでしょ?」
『…?ん?そんなこと言ったかな…?』
凛月「え〜覚えてないのぉ〜…俺のことオモチャにしてひどい女だなぁ〜」
『オモチャってそんな…』
はて、そんなことを言った記憶はないのだけど…と頭を捻らせていると昨日の出来事を思い出す。確かに凛月に「答えはこれから一緒に探そう。ふたりが知らないことはふたりで答えを探そう…!」と言った気もするが、一緒にいる理由を一生をかけて探すなんて言っただろうか…いや…一歩間違えればそうも聞こえるかも…?
自覚をするとなんだかイケないことをした感覚になってきて顔が赤くなる。
凛月「あれ?自覚でてきた?顔あか〜い」
『べ…べつに、そんなつもりで…言ってない…』
凛月「知ってる…去年もそんなこと言ってたし気にしてないけどさぁ〜紡はもう少し危機感?持ったほうがいいよ?」
『危機感?凛月は危ないの?』
凛月「そ〜じゃなくて…、誰にでもそういうのやめなってこと。好きな相手だけに言うようにしなよ。男ばっかりなんだし、勘違いするやつだってでてくるだろうしさぁ…」
『む…難しい……思ったことを口にするのはよくない…?』
凛月「……はぁ」
凛月は深くため息をついて私の頭を撫でる。されるがままに撫でられていると、「そういうとこも心配」と呟かれる。
凛月「でもそれが紡のいいところだから、いいけど…少しは気をつけないと王さまが帰ってきたときに嫌がるんじゃない…?」
『レオが…?……そうか、なら気をつけよう…』
凛月「やっぱり女王様は王さま基準だよね」
『レオは私にとって神様みたいなものだから…♪でも、凛月が気をつけろっていうなら少しは気にしておこう…またやったら教えてほしい…』
凛月「うん、紡は鈍いから俺が『騎士』としてちゃんと守ってあげるよ」
『ふふ…、ありがとうね。凛月』
体が熱いまま微笑むと凛月は「顔赤いままだよ」と茶化した。顔を手で覆えば「もっと見せてよ〜」とふざけるので立ち上がって離れようとすれば凛月が後ろからのしかかる。
『もう…重いよ。凛月…私教室帰るから…』
凛月「怒んないでよ〜。ごめんってば〜
嬉しかったの、紡にあんな風に言ってもらえることも思ってもらえることも…、こんな俺にそこまで言ってくれる人なんていないからさぁ…ちょっと感動しちゃった」
『……そんなことないよ…、みんな凛月のことが大好きだよ?わかってるくせに、それを受け入れるのが恥ずかしいだけのくせに…』
凛月「そうかもね…。紡にはバレバレかぁ〜」
『いーや、みんな気づいてるよ。凛月の近くにいる人はみんなね。』
凛月「そう…でも今はま〜くんと紡がいればそれでいいや〜…」
そういうと凛月は離れて、ベンチに座って隣をポンポンと叩く。隣に座れば凛月は私の肩に頭を乗せる。
右肩に重さを感じながら、晴れ渡ったそれを見上げる。
『そう思ってくれるのはありがたいけど、凛月にはもっと友達を増やしてほしいな…凛月はいい子だから全世界にそれを知ってほしい。凛月のピアノも歌声も…ファンの人にもそうじゃない人にも…それでみんなに言うんだ〜「コイツ私の友達だぞ〜!すごいだろ〜」って』
凛月「なにその野望…」
『ふふふ…大きな野望でしょ?だから、凛月にはこれからも友達でいてもらうからね?』
凛月「そう…じゃあこれからも頑張らないとね…だから頑張るためにみこれからも一緒にいてね?紡」
『もちろん♪私は朔間凛月の特別な『友達』だ♪』
凛月「それから……こんな俺と…
『友達』になってくれてありがとう♪」
エピローグ
『こちらこそありがとう、凛月』
連弾!月光とシンパサイザー end.
……To be continued