反逆!王の騎行
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『ジャッジメント』が終わって数日ーー。
『Knights』のお家騒動も終息し、変わりない日常が戻ってきた。朝起きて学校に向かえば、授業が行われ、昼は美味しいご飯を食べて、放課後になれば作詞や作曲したり『Knights』のプロデュースやレッスンを行ったり、帰る時間はまちまちだが…、帰宅する…
まぁその繰り返しではあるのだけど…そんな繰り返し作業を壊す人物が戻ってきたわけだ。
月永「紡!今日はいつ終わる?一緒に帰ろ!」
『うん、一緒に帰るのはいいけど、授業中に来ないでくれる?』
瀬名「ちょっと王さま!授業中に姿現すならレッスンにもきてくれる⁉︎チョ〜うざぁい!」
『泉も声大きいから…』
授業中、食事中、作曲中…どんな時にどのように現れるかは予測不能。私は呆れて席を立つ、先生も慣れたもので入ってきたときは怒るが私が連れ出すのは特に何も言わなくなった。
レオの腕を掴むとレオは目を輝かせて「もう帰るの⁉︎」と言うので睨んで「うるさい」と言うとしょんぼりしてからついてくる
廊下を少し歩いて階段の踊り場あたりまできてからレオの腕を離す。
『レオ…授業中はくるのやめて…?気まずいし…レオも授業あるでしょ?授業は受けないと…凛月とか零さんみたいになっちゃうよ?私はできるならレオと一緒に卒業したい。
『ジャッジメント』も終わったんだし、私もレオと時間を共有できるならできるだけしたいと思う…。けどまずは授業を受けて『Knights』のレッスンもして…、泉や『Knights』のみんなのもとに戻ること…じゃない?』
月永「紡はおれと一緒にいるの…いや?」
『嫌じゃないけど、授業もサボってアイドル活動もしないとなると…レオの卒業が心配…レオは私と泉と一緒に卒業したくない…?』
月永「ンンン…卒業とか正直…気にしていないって言うか…」
『レオのお父さんもお母さんも…私のお父さんもお母さんも、一緒に卒業した方が喜ぶと思う。それに私も泉も、レオと一緒に卒業したい…。授業は確かに霊感(インスピレーション)の邪魔をするかもしれないし面白くないかもしれない…。けど、受けてくれない…?せめて、授業は……レッスンは…気が向いたらでもいいから…』
月永「それはお願い?」
『うん、強制はしないよ…。ただ一緒に卒業したいからお願いしてるだけ』
月永「じゃあご褒美ちょうだい♪そうしたら、言うことを聞いてやるよ!」
『ご褒美…?うぉわっ…えっ…ぁ…あのっ!』
首をかしげるとレオは私の腕をひいて抱きしめる。突然の出来事に驚いてレオの肩を押す。それでも男の力には叶わず…、諦めて大人しくする。
『あの…レオ…こういうのは…』
月永「いいじゃん、小さい頃もしてたし…本当にお前の匂いは落ち着くな…」
『小さい頃とは違うじゃん…もう二十歳も近くなるわけだしさ…付き合ってるわけではないし…』
月永「それ…他の奴にも言えよな?」
『他の奴?』
月永「お前、気づかない間に他の奴らとの距離感おかしいぞ?特にリッツ。あとレイもセナも!新入りにも『ジャッジメント』の時、ステージ出る前顔近づけてた…?みんなお前と付き合ってるのか?」
『違う!けど…どういう…』
月永「だから!誰かと付き合ってるのかって!」
『付き合ってないけど…それとご褒美に何の関係が…』
レオが言いたいことはサッパリわからなかった。小さい頃から距離感がバグっているレオといるからなのかな…別におかしいと思ったことはないが…確かに口づけだとか吸血するだとかはおかしいという感覚は持っている。
それに、それをレオに指摘されるのは何となく…遺憾であるというか…腑に落ちない…
月永「付き合ってないなら危機感を持って!それからご褒美にハグして!」
『…まってまってまって!情報過多だ!妄想もできないほどキャパオーバー!言いたいことがわからなすぎる!』
月永「だ〜か〜ら〜!他の奴との距離が近づすぎる!付き合っていないならもっと距離は取るべきだ!」
『…だったら、それはレオもだよね…?』
月永「俺はいい!」
ポカーンとしていると、レオはやっと私を抱きしめるのをやめて顔を見合わせる。俺はいい…?どういう原理?根拠?理由?
レオが他と違うところ…幼馴染だから?男女という境目がないのか…?
月永「…とにかくご褒美はハグ!でも他の奴にはしないで!あと今日一緒に帰ろ!じゃあな!」
『え…あっ…待って…れ…お…?はや…』
レオは言いたいことだけいうと自分の教室へと駆けていった。呼びとめる事もできず私の右手は行き場のないまま空をつかんだ…。
自分の教室にいったってことは…いった通り授業を受けに行ってくれたのだろう。けど、他の人と距離をどうはかればいい?レオにご褒美と称してハグをするのに…?わからない…わからないことだらけだ。
金木犀が香る踊り場の窓から深いため息をこぼすことしかできなかった。
『はぁ…私の距離感おかしいのかな…レオの方がおかしいと思うんだけど……もうやだぁ。何でこういう時に限って…』
頭を悩ませれば悩ませるほど…、何でメロディーが浮かび上がるものなのか。不思議に思う…。
私は教室を出てしまってもう一度戻るのが嫌でお昼休憩まで誰もいないセナハウスに足を向けるのだったーーー。
エピローグ
『授業サボるなって…人のこと言えないけど』
反逆!王の騎行 end.
……To be continued