反逆!王の騎行
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泉たちが戦う姿を凛月と一緒に厳しい目で見つめる。
勝てるのか、負けてしまうのか…。
朱桜「お姉様、凛月先輩…そんな顔をしないでください
先輩たちはいつも余裕で、偉そうで、鼻持ちならないほどで……
けれど、それは常に勝ち続けてきたからこその自負ゆえにでしょう?いつだって自信満々で、それは実力に裏打ちされた誇り高い姿で…私は、そんな先輩たちに憧れているのですよ……
その全てを見守って支えて、その誇り高い姿を創りあげて守り続けたお姉様のことも…『Knights』のそんな姿の全てに憧れているのです…
ですから。そんなふうに、負けてしまったみたいに俯かないでください」
『司くん…』
司くんは少し不安そうな顔でこちらを見る。あんなに負ける気がないと言っていた人間が現状を見て不安な顔をしていれば、新入りである司くんはもっと不安になってしまうだろう……
朱桜「お願いですから、凛月先輩。今日も私たち『Knights』は当然のように勝利する、そうでしょう?」
凛月「…………そっか。そんなふうに見えてたんだ、俺たちは
いつもス〜ちゃんはお小言ばっかり垂れるから、憧れられてるなんて思ってもいなかったんだけど…」
『それは、凛月たちがお小言言われるようなことばかりするからでしょ…?でも、ここまで言われたら…シャキッとしないと凛月』
凛月「ふふ。そうだね…じゃあお兄ちゃんとしては、格好悪いところ見せられないね〜……ちゃんと起きて、頑張らないとね
紡、気合を入れたいから血ぃちょうだい♪
映画みたいに首筋から飲んでもいいけど、指先から、垂らしてよ。騎士が女王様に忠誠を誓うみたいにして、飲み干すから」
『えぇ⁉︎やだよ…痛いじゃん』
朱桜「ちょっと、凛月先輩!隙あらばお姉様から吸血しようとしないでくださいっ、意地汚い!女王陛下の血も肉も骨も全て、紡お姉様だけのものです!」
凛月「え〜……。真面目だなぁ、べつにいいけど
あとで飲ませてもらう約束したもんね〜、指切りげんまんして♪」
『したっけか…?』
凛月「ほんと、ス〜ちゃんって変な子だよね、当時は落ち目だった『Knights』に、目をキラキラさせて入団してきてさ……馬鹿丁寧だし、なのに子供っぽいし。初めて出会ったあの日からずっと、面白いやつだなぁって思ってたよ。紡が認めただけあるよ。」
『…おぉ、褒められた…?』
凛月「うん。褒めた褒めた…それに、そんなス〜ちゃんのことだけは、あの『王さま』もよく知らない」
『レオにだって予測できない、私たちの最後の希望……『武器』になる。だから、私たちは今回司くん。あなたを『King』に選んだの
』
凛月「そう…たしかにス〜ちゃんはまだ未熟。一年生だしねぇ、お荷物だよ
だけど面倒くさがりの俺たちが、どうしてそんなお荷物を後生大事に抱えて運んできたんだと思う?」
『きっと…今日って日のためだったのかもね…』
凛月「な〜んて……♪そろそろ、最初の対決が終わる」
凛月は少し、からかったような顔をしてから真剣な表情に戻ってステージに目を向ける。
司くんはその変化にゴクリと唾を飲み込む。
凛月「勝っても負けても、たぶん次に出てくるのは『皇帝』天祥院英智……エッちゃんだからねぇ
『Knights』全員で挑んでも、勝てるかどうかわかんないよ」
『凛月……』
凛月「大丈夫だよ、きっと勝ってくる。せめて引き分けに持ちこむよ、約束する
俺はねぇ、てきとうなやつだけど……約束だけは死んでも守るから…ね?紡」
『でも…』
凛月「…俺が嘘ついてると思う?」
凛月は私の頭を少し乱暴に撫でる。
そして、目線を合わせて微笑む。もちろん、嘘をついているなんて思っていない…、ただ無理をしてほしくないだけだ。ただのライブと言われればそれまで、だがこれに負けてしまえば『Knights』は死んでしまうのだ。
でも、大事な友人に無理をして欲しいわけでもない。複雑な思いはきっと凛月には読みとられてしまうのだろう…。
『嘘だなんて思ってないよ…』
凛月「うん♪信じてて、それが力になるから。俺がエッちゃんと倒して帰って来れば。そしたら、最後はス〜ちゃんと『王さま』の一騎打ちだ。きっと勝ってね、でないと俺たちも無駄死にだから
俺たちの屍を越えて、未来を掴みとってほしいな
永遠に停止してるみたいだった俺が、未来をつくる手助けをできるなら……
本望だねぇ、キラキラ眩しい未来に焼かれて灰になっても満足だけど♪俺には最強の友達がいるから…焼かれたって大丈夫♪
…じゃあね、行ってくる」
凛月は片手をあげてステージへと向かっていく。
その姿はいつもだれている凛月とは違って、戦う騎士の姿をしていた。大切な友達でメンバーで騎士である朔間凛月のいつもとは少し違う、初めて見る姿だと思った。
司くんは少し前に出て凛月を見る。
『凛月…いってらっしゃい…』
朱桜「は、はい!凛月先輩、ご武運を!
………なぜでしょうね。紡お姉様。どうやら状況は絶望的なのに、不思議と清々しい気分です」
『なんでかな…、私も同じ気持ちだよ?』
清々しい気持ちで、私はステージに出ていった。凛月のことを見続けたーーー。
約束は守る
『ずっと、そうだもんね…信じてる』
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