反逆!王の騎行
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『ジャッジメント』の舞台上では、
『Knights』の瀬名泉と鳴上嵐、『ナイトキラーズ』の仁兎なずなと鬼龍紅郎が向かい合っていた。
お互い曲が流れれば、踊りだす。数を合わせてくるとは、『Knights』を知り尽くしている王さまなだけある。
快勝とはいかない辛い戦いになるだろう。
凛月「さすがは『王さま』だ。俺たち『Knights』のことを、知り尽くしてるねぇ?」
『うん…、少しでも駒を削ることができればいいのだけど…』
朱桜「ど、どういうことですか?戦況はよろしくないのですか、お姉様…凛月先輩?」
凛月「あ〜……即席ユニット相手だったら楽勝かなぁと思ったんだけど、こっちも慣れない曲だしねぇ」
『わりと苦戦してるっぽい、…新曲は馴染ませるの時間かかるから一週間は流石に急ピッチだったかなぁ…』
凛月「ていうか相手も異常に強いなぁ?セッちゃんたちなら負けはしないだろうけど、たぶん無傷じゃいられないねぇ」
『『Knights』の戦法をそっくりそのままって感じ』
『Knights』の戦い方をそのまますることで、この戦いで『Knights』が抱えている限られた楽曲でしかパフォーマンスをできないという点をつこうという作戦が見えてくる…。
朱桜「…と、言いますと?」
『めいっぱいライブをひきのばされてこっちの持っている曲とパフォーマンスが底を尽きる…。』
凛月「いくら女王様がいるとはいえ…、女王様はこの場で作曲はできない。逆に『ナイトキラーズ』には王さまがついてる。」
『用意してる曲は無限…って言っても過言ではないし、レオはその場で作曲までする。その場で作って合わせるなんて普通は無理だけど…あのメンバーだし観客にはわからないレベルで合わせてくる…。』
凛月「つまり、相手は無尽蔵に武器弾薬の補給をされ続けてる状態…なのにこっちの手持ちは、女王様が用意してくれた限られた楽曲だけ…せめて、既存の女王様の曲もあれば耐えられたのに…、すぐに残弾は尽きる。最初から不公平な勝負だったんだよねぇ。今さら、言っても遅いけど…」
『…まさかこんな形で条件に苦しめられるなんて思わなかった…。』
レオはその場で楽曲を作れる。そうなったとしても、あわせられるメンバーが揃っている。運がいいのか、悪いのか…そんなメンバーを集めてしまうあたり王さまも持っている人間なのだと実感する。
私がもっと作曲の才能があれば…、この場で曲を作って流してみんなの無限の弾丸に『武器』になってあげられたのに…
凛月「あ〜、これが『王さま』と戦うってことか……反逆、下克上なんてするもんじゃないね
小勢で、用意もなく、『王さま』に刃を向けても勝ち目がなかったかも。『王さま』の首さえ取れれば、こっちの勝ちだけど」
『大丈夫、策は練らないといけないけど。長引けば長引くほど不利だし、なるべく早めに…』
凛月「ふふふ、ちょっと楽しくなってきたんだけど……♪」
凛月はクスクスと笑うと衣装が乱れてしまうので直してあげる。
真新しい衣装でまだ身体に馴染みきっていないのだろう…。襟が立っていたり小物がずれていたりする…。
『凛月、セットがズレる…。襟も…』
凛月「はぁい。ありがと〜」
朱桜「こういう状況で笑える凛月先輩を、すこし頼もしく思います…不気味ですけど。やはり『Knights』の皆さんは、戦場でこそ輝くのですね♪」
あんず「あっ!司くん!」
朱桜「ひゃん?す、すみませんあんずお姉さま!動いてはいけないのですね、承知しております!あぁ、着替えに手間取って状況がきちんと把握できないのが歯がゆいです……!」
あんず「ごめんね…こんなギリギリまで…」
『私こそこんな急に4着も作らせてごめんね?』
あんず「いえ…私がやりたかったので!」
凛月「ギリギリまで衣装が完成しなかったもんねぇ、現場でドタバタと着付ける羽目になってるし。破けたら直してる余裕もないから、暴れないで身体に馴染ませといて〜……?」
朱桜「は、はい!わひゃんっ、くすぐったいですあんずお姉さまっ?」
『あはは☆なにその鳴き声面白い☆』
凛月「あはは。あんずお疲れさま〜、さんざん俺らのレッスンに付きあったうえに衣装までつくってくれたんだよね
女王様が裁縫できないから、そのカバーをしてくれてさぁ…
働きものだよねぇ、よしよし♪」
あんずちゃんの頭を撫でる。裁縫イジリをされたがそこは流しておこう。凛月は私の方に向きなおり、笑いかける…。なんだか嫌な予感がする。
凛月「今回の『ジャッジメント』が終わったら、あんずも紡も朝までゆっくり熟睡して休んでよねぇ。寝不足だと、血液もドロドロになっちゃうから
ス〜ちゃんは、ゆっくり準備してていいよ。セッちゃんたちが勝とうが負けようが、次は俺がでるから」
『凛月…』
凛月「大丈夫♪ス〜ちゃんは、最後まで控えていてね。俺たちの『王』らしく、どっしり構えちゃって……♪」
朱桜「ふむ?たしかに、今回はなぜか私などが『王』ですし……私が敗れれば『Knights』の敗北ですから、最後まで控えているのも戦術的に正しいのでしょうけど
しかし先ほどの話によると、長引くほど不利なのでしょう?戦えるちからがあるうちに、戦力戦で挑むべきでは?」
『いいの…。このままで』
凛月「そうそう、それこそ相手の思う壺」
『このままが、いちばん『Knights』の勝率が高い作戦なの
焦って全員出てくれば、包囲されて全滅…
とにかく…、泉たちは勝ちで終わる。』
凛月「その時点で、ほぼこっちの手の内は暴かれてる。生き残ってる人数はこっちがおおいけど、実際的な戦力的としては不利」
『十中八九、そういう状況だと思う。』
泉たちは必ず勝って帰ってくる、しかしこの時点で手の内は全て明らかだ。同じ曲の同じパフォーマンスを見せられても観客の心は動かない。いくら凛月の歌声やパフォーマンスが素晴らしくても、新しいものに目が行くのが人間心理といったものだろう…。
総力戦を挑むなら最初から全て出して倒すべきだった…。凛月と考えた作戦も、この方向に行くとは思わず…通常の『デュエル』と『ジャッジメント』の違いをどこか勘違いしてしまっていた…。
だって、レオは『Knights』のリーダーだ。この手の内全て知っているのだから作戦を立てるのは容易い。そのことが頭から抜けてしまっていた…やっぱりどこか平和ボケしていたに違いない…
一枚上手
『…平和ボケなんて優しい言葉じゃすまないかもしれない』
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