反逆!王の騎行
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『ジャッジメント』当日
素晴らしい秋晴れに心が洗われる思いだ。
今日ではっきりする。今の『Knights』が腑抜けじゃない証明、私たちの剣が洗練され、研ぎ澄まされどんな敵でも打ち倒せるものである事の証明。白黒ハッキリさせよう
あなたの『Knights』はまだ死んでいないし、これからも生き続ける
『あんずちゃん!ステージどうかな?』
あんず「問題ありません!そういえばスタッフの方が紡先輩を探されてましたよ!」
『あぁ〜打ち合わせと入場の事かなぁ…行ってくるね!衣装ありがとう!今日はよろしくね!』
あんず「はい!よろしくお願いします!」
『ジャッジメント』のステージも構想通りに完成していて大変満足だ、業者の人にも力を借りてクオリティも高い。とてもB1のドリフェスとは思えないものになった。
呼んでいたスタッフの元へと向かった。スタッフが話すことにはステージを大きめにとったことで客席を一部減らしたいとのことだった。観客は一人でも多いほうがいいのだが、メンバーが踊るスペースの確保のためには仕方ないとそれを承諾し、できるだけ低学年の生徒に前へ案内するようにお願いした。
折角今日のKingは司くんだ。司くんも友達に見てほしいだろうし、ぜひ同学年の希望にもなってほしい。一年生でもこれだけできると思わせてほしい。そんな祈りを込めて。
袖に戻れば、『Knights』も『ナイトキラーズ』も揃っていた。私は『Knights』の方へ向かい、みんなを見る。司くんはあんずちゃんに衣装を直してもらいつつ、私を見る
朱桜「お姉様…」
『そんな顔しないで?大丈夫、今日のためにみんなすることはした!私は誇りに思ってる!』
凛月「負けてもいいみたいな言い方だねぇ…」
『負ける気は無い!けど負けても後悔はしない!楽しかった!』
瀬名「楽しかったって、あのさぁ〜」
『私は幸せだ!『Knights』がもっともっと大好きになる一週間だった!
個人主義はきっとこれからも揺らがないと思うけど、あくまでそれは主義だから!いざとなれば力を合わせるし一緒に戦う…。支え合いだってできる!みんな揃って『Knights』だけど、一人一人が『Knights』だと思う!
それを今日は証明できるいい機会になる!見せてやろう!私たち『Knights』は腑抜けの仲良し集団じゃなくて、研ぎ澄まれた剣で王様にも噛みつける騎士団『Knights』であるということを!』
鳴上「あらあら♪女王様ったらいつになくやる気ねェ♪」
瀬名「なぁんか…うっとぉしい…」
『でも、一番は楽しんで♪最高のライブにしよう♪』
凛月「じゃぁ…いつものやってくれる?」
凛月は衣装の手袋を私に渡す。なんだか、久しぶりな気がするけど…笑いながらそれを受け取り凛月の手につけてあげる
『凛月。』
凛月「なぁに?」
『…ふふ。女王様の命令です!このライブ最後まで全力で』
凛月「紳士的に礼儀を尽くして」
『…どんな敵にもその不敵な笑みを忘れないで頑張って』
凛月「女王様の仰せのままに♪」
鳴上「次はアタシねェ♪はいっ!」
『ナルちゃん。』
鳴上「はいは〜い♪」
『女王様の命令です!このライブ最後まで全力で』
鳴上「紳士的に礼儀を尽くして♪そして可憐に♪」
『うん、威風堂々と敵を蹴散らしておいで?騎士様』
鳴上「当然よォ!どんな相手でも勝利を女王様に捧げるわァ!」
『うん、楽しみに待ってるよ』
瀬名「なるくん、どいて〜…はい、女王様」
『しっかり慣れてるね、泉も』
瀬名「うるさいなぁ〜、早くしてくれる?」
『はいはい…、よし!女王様の命令です!……』
瀬名「女王様?」
『このライブ…例え『Knights』の最後のライブになったとしても…最後の最後まで…全力で…』
瀬名「…紳士的に礼儀を尽くして…、」
『うん…ごめんね…頑張って…』
瀬名「…最後にさせるわけないでしょ…」
乱暴に頭を撫でられて下を向かされる。泉は下でブレザーを握ってた私の手に自分の手を重ねる。
瀬名「だって、勝つのは『Knights』だからねぇ♪よぉく見てなよ。あんたの守って育てた『Knights』の強さをさぁ!」
そう言って、レオが立っている舞台上へナルちゃんの背中を叩いてから上がっていく。その顔は今までのどの泉よりも輝いていて自信に溢れていた。
私はこんなギリギリで不安になったのに、泉はいつまでも変わってない。常に好戦的で、負ける戦いなんて存在しないと思っている。そのために努力は惜しまないしその努力で勝ちを確信してきた。
今回だってそうだ。やれることはやった。だから今回も負けたりしはしない。だから泉は今日も最高のパフォーマンスを魅せてくれる
そんな泉だからこそ、あの時から今の今まで『Knights』を守り続けられたんだ。
やっぱり『Knights』を守ったのは私じゃないよ泉。泉が諦めなかったから私も諦められなかっただけ…。『Knights』を守ったのは泉なんだよ…
月永「お集りの皆さん!お待たせしましたぁ〜、ついに『ジャッジメント』の当日だ!わはははは☆
何だそれは?みたいな反応のひとが大半だけど結構結構
『ジャッジメント』ってのはつまり『Knights』の内輪揉めだ!内乱だ……☆
身内の恥を晒しまくりの数時間、たっぷり楽しんでほしいな!歌って踊って殴りあって愛しあう、おれたちの痴話喧嘩を……☆」
『語ってるねぇ…』
あんず「いつもあんな感じなんですか?」
『まぁ…そうだね。よく喋るよ?』
あんず「ふふ。だから紡先輩は聞き上手なんですねっ」
『聞き上手…?そうかなぁ…』
あんず「はい!紡先輩にはいろんなこと話しちゃいますっ!」
『そう♪じゃあ長所として捉えておこう♪』
あんずちゃんに笑うとあんずちゃんも笑い返してくれた。衣装を直されていた司くんもそれを見て「お二人は姉妹のように仲良しですね」と微笑んだ。
戦いの中でもこうして落ち着けているのは、さっきの泉のおかげかもしれない…
頼もしい騎士に支えられているからこそ、こうやって騎士を送り出せる。友人としても、一人の騎士としても、女王様としても…
白黒ハッキリつけよう
『泉には頭が上がらないかも…』
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