反逆!王の騎行
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『ジャッジメント』まであと2日ーー。
『Knights』のレッスンは順調に進んでいた。音源を流しては踊り、持ち込んだキーボードを弾けば歌い…それを繰り返した。
毎日毎日体力の続く限り、それは行われていた。もちろん学業は疎かにすることなく放課後や長い休憩の時間で
たまに授業中の泉を見ればウトウトと船を漕いでいることもあったが、それすらも微笑ましく思った。
10月に入ってすっかり涼しくなった外はどこかのクラスが体育の時間で運動していた。
こんな時間もいいのだが、『ジャッジメント』までもう時間がなかった。
『『ナイトキラーズ』ねぇ…』
天祥院「いい名前だろ?」
『天祥院くん…授業…終わったんだ…何か御用?』
天祥院「そんなに睨まなくても、生徒会長としての話さ」
『あぁ…『依頼書』?』
天祥院「そうだね、少し手が止まっているようだけど…?」
『今はハロウィンに向けて作り貯めしてるの〜!もうみんな9月からハロウィンに向けて動いてるし…、その打ち合わせはお家騒動が片付いてからでもいいでしょ?』
天祥院「ふふ。そうだね、今はしっかり目の前のことに向き合うのも悪いことではないよ。
君の仕事ぶりは知っているしね。今回も君の曲を聞けるの楽しみだよ…」
『それはハロウィンの話?それとも『ジャッジメント』の話?』
天祥院「どっちもさ、それじゃあ頑張ってね…」
天祥院くんは微笑んでから教室から出ていった。『ナイトキラーズ』というのはやはり彼が決めたのか。放課後になって、クラスメイト達が散り散りになっていく。私はその様子をボーッと見ながら『ナイトキラーズ』について考える。
この間、泉が言っていた通りそのメンバーは大物ばかりだったわけだが、かといって正直想定内と言ったところだ。
この一週間でどれだけ仕上げてくるかは未知数だが急にあわせても息を合わせるのができてしまうメンバー…本当に潰す気できているのは間違いない。けれど、何故か負ける気がしない。
そう思っていたら表情に出ていたのか泉が頭をコツンと叩く。
瀬名「なぁに、ニヤニヤしちゃってさぁ〜」
『いや?ここ数ヶ月で戦いにも慣れちゃったのかな…ウキウキしちゃって…』
瀬名「………前は『デュエル』って言ったら不機嫌になってたのにねぇ…」
『そうだね…最近はあんまり悪い感じはしないかも…?』
瀬名「あんたも前よりもっと『Knights』らしくなったってことなんじゃなぁい?」
『えへへ、そうかもねっ』
瀬名「ほら、レッスン行くよぉ」
泉は先に教室を出ようとするので私もその後を追いかける。残り日数も少ない、早く完璧の状態にしてしまいたいのだが、まだまだ足りないことも多い。ギリギリまで粘ることにはなりそうだった。
それでもこの時間も、大切なユニットの時間であると私は感じているし、みんなもきっとそう感じているに違いない。
ーーふと、先日の泉の言葉を思い出し泉に話しかける。
『ねぇ…泉は付き合ってる人いるの?』
瀬名「…は?」
『この間出会った時にレオと付き合ってると思ってたって言ってたから泉の恋バナも聞きたいな…と』
瀬名「…なんでそういうことになるの…チョ〜うざぁい」
『だって凛月は誤魔化すし、あんずちゃんは今はプロデュースするのが楽しいので!って言うし…泉は恋してないの?』
瀬名「別に〜女王様には関係ないじゃん」
『やっぱ泉もしてないよね〜あはは☆』
瀬名「別にしてないとは言ってない…」
『えっ!?してるの!?誰!?あっ!言わないで!妄想するから!』
瀬名「…はぁ…馬鹿にはわかんないよぉ〜」
『えっ!?馬鹿にされた!?待って!ゆうくんでしょ!ゆうくんなんでしょ!?』
瀬名「…ゆうくんは弟だし。っていうか女王様がゆうくんって呼ばないでくれるぅ?」
『え〜その境界があることに驚きなんだがぁ…?』
瀬名「はぁ…ほんと女王様は馬鹿だねぇ…」
なぜか泉にバカバカと言われ、そんな泉はどんどん前へと進んでいく。まさか、あの泉が恋をしているなんて…そんな話聞いてウキウキするあたり私も女子なんだなと実感させられる。なんだか楽しくなって先を行く泉をからかうと「ばーか」とまた一声…なんでそんなバカ扱い。
これ以上言われるのもなんかムカつくので、大人しく泉の隣を歩くのだった。
私達も高校生だ。
恋のひとつやふたつあってもおかしな話ではない。泉の恋の相手は誰かわからないけど、大事な友人の恋路は全力で応援したい…。いつか話してくれたその時には何か力になってあげれればいいな…。
まずは話してもらえるくらい信頼してもらわないと!まだまだ頑張ることは多いようだ!
『泉!私頑張るね!』
瀬名「は?急になにぃ〜…やっと黙ったと思ったら、ほんと王さまも女王様もチョ〜うるさぁーい」
瀬名泉の親密度もっとほしい
瀬名「言えるわけないでしょ…」
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