反逆!王の騎行
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『Knights』は個人主義の集団だ。
でも、何もずっと独りって訳ではない。背中を託せる仲間という感じで、誰かが欠けているならそこは誰かが満たせばいい。人任せ、と言っては最後だ。だが、それを人任せと思わせないのが『Knights』というアイドルだと思う。
目の前で踊ってる司くんも、それを見ている凛月も、
何かが欠けていてそれを埋めようと努力をしている。それを支えようと動いている。
それだけで、大きな成長の一歩だ。充分な変化だと思う。…なのに、王さまはこれを『腑抜け』というなら、その腑抜けも集まれば鋭い剣を王に突きつけれる立派な騎士であることを証明しよう。
この『ジャッジメント』でーーー。
鳴上「あらあら、まあまあ!仲良くやってるじゃない、意外とっ♪」
『ナルちゃんだ〜お疲れ!』
朱桜「鳴上先輩!姿が見えないから心配していたのですよ、今までどこに?」
鳴上「ふふ。女王様が頑なに約束守ってるから、ちょっと敵情視察にねェ、本番当日まで敵の正体を不明にしとくほど抜けちゃいないわよォ……
戦う前にあらゆる手を尽くすのが、兵法よねェ♪
泉ちゃんとふたりで、ね。『ジャッジメント』で対戦する予定の、『王さま』がつくった『臨時ユニット』について調べてきたの」
『え〜、ご苦労様〜』
鳴上「んもう、本当に苦労したわァ?っていうか紡ちゃん!机にダレてないで!シャキッとしなさい!」
『んにゃ〜伸びるぅ〜』
朱桜「瀬名先輩も、ですか?そういう、地道なことは嫌がりそうですけど……?」
『そうでもないよ?泉は苦労人だから』
鳴上「そうそう、得意なのよ。あれで苦労人だからねェ、意外と
きれいな見てくれだけで、この夢ノ咲学院を三年間も生き抜けないわよォ?それに女王様が会う気ない今、『王さま』といちばん付きあいも長いし…打ってつけでしょ?」
ナルちゃんは机に頭を乗せた私の両腕を持って猫を伸ばすように上に引っ張る。私の背中は固まっていたのか、筋肉が伸びる感じがした。そのまま伸ばして司くんとの会話を続ける。
『それで?長引いてる感じ?』
鳴上「そうそう、泉ちゃんは調査が長引いて、合流が遅れちゃってるけど、どうも『王さま』が放送委員会の親玉を仲間にしたみたいでねェ、情報集めに苦労したわァ?」
『ナズかぁ…やっぱりね〜…』
鳴上「やっぱりって!紡ちゃん知ってるのォ?なんで言わないのよォ!」
『いや、勘だから…』
朱桜「放送委員会というと……。あの『Ra*bits』の、仁兎なずな先輩でしょうか?」
鳴上「そうそう。放送委員会は情報収集が得意だからねェ、頼れたらよかったんだけど
逆に、敵に回ると厄介よねェ。情報が上手に隠蔽されてさ、敵の正体を探るのが大変だったわァ?でもね。同じく放送委員会の遊木真くんに頼んだらねェ、その線から色々探れたのよ。持つべきものは、人脈だわァ♪」
『泉いたんでしょ…?大丈夫なの?』
朱桜「確かに…いつもご迷惑をかけてるのに…よく、協力してくれましたね?」
鳴上「まぁ、あの手この手でね。あんずちゃんとも親しいみたいだし、紡ちゃんの話したら頼まれてくれたわァ♪それに偽情報だったら泉ちゃんをけしかけるわよォ、って脅したりとか♪」
朱桜「…非道な真似をしますね……。我ら『Knights』への悪評はだいぶなりを潜めたとはいえ、あまり卑劣なやり口は感心しません
また、悪者あつかいされますよ?」
司くんが呆れた声でいう中、ナルちゃんもそれは理解しているようだ。あとは泉の帰りを待つだけというわけで、ナルちゃんもレッスンに加わった。『ジャッジメント』まで一週間、余裕はないにしろ確実に前へと向かっている。
鳴上「それにしても、さすが女王様ねェ♪新曲も学校の曲も『Knights』らしいいい曲になってるわァっ!少し馴染ませるのに時間がかかっちゃうけど、張りきっていくわよォ、足腰が立たなくなるまでね♪」
凛月「紡の新曲、今回はちょっと尖ってない?やる気マンマンって感じ♪」
朱桜「そうですね!いつもの洗練された雰囲気の中にも鋭く尖った刃のようなものを感じます♪素晴らしい曲です!」
『…殺す気で書いたから…』
あんず「先輩!」
『うそうそ!『Knights』が勝つための曲だから勝ちのわかった優美さよりも勝敗のわからないギリギリの戦いって感じの曲の方がイメージだったの!いい曲になっててよかった!』
朱桜「はいっ、先輩方みなさんたいへん頼もしいです!よろしくお願いします、鳴上先輩…♪」
ナルちゃんも加わって本格的にみんなが動くレッスンが始まった。私とあんずちゃんがそれを見て意見する。…というより、主に私が指示出すのをあんずちゃんにガン見される。
あんずちゃん曰く「紡先輩がレッスンつけてるとこ、見る機会が減ってしまったので!勉強させてください!」らしい…、私の本業は歌なのでダンスはあんまりなのだけど、頼りきってしまっているし、本人が望むならそうしよう。と私は『Knights』のレッスンに集中する。
『…音取れてなくない…?待って、キーボード持ってこよう。』
朱桜「では、私が!」
あんず「私が持ってきます!」
『いや…自分で』
あんず「紡先輩は座っててください!」
『…はぁい…』
あんずちゃんは猛ダッシュでレッスン室を出ていってしまった。区切りもいいので少し休憩を入れることにすると、やっぱりレッスンの時とは違い、ゆるいアットホーム空間が帰ってきた…
『…やばい、霊感(インスピレーション)湧いてきた…紙…紙…』
瀬名「はい…五線紙…」
『ありがと〜……おぉ、泉。おかえり』
瀬名「はぁ…」
そこに立っていたのは敵情視察から帰ってきた泉の姿だった。
その様子はどこかいじけた…そんな感じがした。
敵地からの帰還
『ていうか、真くんのとこにいたのでは…?』
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