反逆!王の騎行
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新曲の歌もダンスも完成に近づいている今日この頃。
防音レッスン室で今日も今日とてレッスンをしていた。私は机にだれていて司くんは踊っていて、あんずちゃんがレッスンをつけている。
朱桜「あんずお姉さま。お手数ですが、もういちどお願いします♪
One……Two……♪One、Two♪そして、Turn♪
…どうです!紡お姉様!一通り覚えました!まだ身体に馴染ませる時間が必要ですが、過不足なくこなせる程度には習得できました!紡お姉様の新曲もいい感じに覚えられました!」
あんず「紡先輩どうですか?」
『ごめん、ぼーっとしてた。』
朱桜「くあぁっ、なぜですお姉様!司の”dance”はそんなにつまらないでしょうかっ!
まったくもう!紡お姉様も”leader”にも困ったものです、対決するからには”leader”がつくった曲や”performance”を用いてはならない…などと、一方的に宣告してきたのですから
まぁ正論ではありますし、曲などの著作権は紡お姉様にもありますが”leader”が所有しておりますからね
”leader”が使用を許諾してくれないことには、勝手に用いては法律違反ですらあります。」
『そうね、法律違反はそれこそ騎士道に反するからねぇ』
朱桜「しかし、さらに困るのが紡お姉様の楽曲も使用禁止だなんて…横暴にもほどがあります!『Knights』の持ち歌は全て”leader”と紡お姉様がつくったものばかりなんて、調べた時は驚きました…。
それに、どの曲も膨大な量と洗練された質を併せ持っていて……。これまで、『Knights』はずいぶんそれに助けられていたようです。
我ら『Knights』のために最適化された、魂のこもった名曲の数々……それを『武器』と称し、支給し、”leader”は我らの戦線を支えてくれていたのです」
『司くんって調べごと好きだねぇ…もともと、レオはアイドルより作曲家としての名前の方が売れているから、その評価はピカイチだよ。どんな曲でもテーマにあった素晴らしい曲を提供する。私たちの想像を遥かに超えてね?』
朱桜「ならば、本名でやればいいのに、誇らしくすらあるのに…それらの楽曲の著作権収入などだけで、一生食べていくのに困らないのではないでしょうか?」
『彼が作曲するのは、生きていくためじゃないから…やりたいことにお金とか名声とか…必要ないんじゃない?』
あんず「紡先輩?」
『ちょっと…出てくる…いい天気だし、霊感(インスピレーション)湧きそう…あんずちゃん、あと頼んでいい?』
あんず「わかりました!」
朱桜「あぁ!お姉様!司の”lesson”は!」
『調べごとより、目の前にある課題に立ち向かいなよ〜新入り♪』
レッスン室を後にして廊下を歩く。司くんは知らないことが多くあればその分調べて自分の知識にしていく。それでも、レオの話題はなんとなく触れてほしくなかった、私のワガママだ。でも調べて知らないからこそ理解したい。だから、レオに勝ちたい。そう思ってくれれば万々歳だ。
それで一生懸命にレッスンを重ねてくれればそれでいい。司くんは『アイドル』を目指して時にレオにそっくりだ。だから応援したいし眩しく思う。それなのに最後まで司くんの話を聞けなかったのは…なんでなんだろ…わからないままに外に出ていく。
新曲もできたし、編曲も終わった、衣装のデザインも舞台セットも…ライブ構成も…全て終わった。私のできることは終わった。あとは騎士達に頑張ってもらうだけだ。
どんな『武器』でも使い手が磨いていけば洗練された剣になる。何度戦っても刃こぼれなんておこさない剣にすれば、間違いなく勝利をおさめられるだろう。
そういう、磨く力も今の『Knights』には備わっている。絆を深め、強くなって…。レオの知っている『Knights』とは一味も二味も違う…。
そんなことを考えながら外を歩いていると、道端に…黒い物体を発見した。
『凛月…外で寝てたら危ないよ…日陰じゃなくなっちゃう…』
凛月「女王様…?いいところに…運んで…」
『え〜…無理だよ。仮にも乙女だよ?自分より大きい男を運ぶ力は…』
凛月「ふあぁあっっ」
『うぎゃっ…熊か!くまくんだけに熊なのかっ!…ぐあぁあ…お〜も〜い〜』
地面に寝ていた凛月は起き上がって私に覆いかぶさるなんとか尻餅はつかなかったが…立ち上がるに立ち上がれない…。
『どこまでいくの…?日陰?それとも中に連れていけばいい?』
凛月「防音レッスン室…」
『レッスン室…?レッスンくるの?』
凛月「俺も先輩だからさ♪末っ子くんにレッスンをつけてあげようと思って♪」
『凛月〜!大きくなったなぁ!』
凛月「なに、急に兄者みたいでムカつく」
凛月の言葉が嬉しくて首元にある凛月の頭を撫でる。嫌がって頭をふるが、どことなく拒みきれていないのがまた可愛い。零さんが可愛がっている理由もわからなくはない。
レッスン室に連れていくために凛月の両腕を肩にかけて引きずると、凛月は引きずった足がムカついたのか自分から歩き出した。
『歩けるなら最初からそうしてよ。』
凛月「うるさいなぁ…、女の子ってこういう時困るよね。運んでもらえない」
『女の子に、運んでもらおうとしないで』
凛月「いいでしょ?”友達”なんだから」
『”友達”の乱用はよくないよ。』
凛月「はいはい、とか言って悪い気はしてないくせに♪」
『ぐぬぬ…まぁ…凛月と”友達”っていうのは悪い気はしない…』
凛月はいつも友達でいてくれる。だから、安心するし軽口も叩ける。好きなことしても怒らないし、不安だと背中を押してくれる。逆も然りだ…と思いたい。
とにかく、今は迷える司くんのところにこの素晴らしい助っ人を連れていくことにしよう。
新入りは眩しい
『てか、零さん呼べばよかったわ…それも怒るか…』
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