反逆!王の騎行
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『司くんターン遅い。もう一回』
朱桜「はい!」
『テンポあってないよ?音聞いて』
朱桜「はい!」
この『ジャッジメント』の間借りている防音レッスン室で私が編曲した曲を流してそれに合わせて司くんが踊る。
それを見ながらミスを指摘していく。あんずちゃんが隣で一生懸命メモをしながらレッスンを見学していく。
踊りの構成やステージの構成は決まったものの、一番重要な新曲を出せないでいた。
練習熱心な司くんを見たらなんか思いつくかと思ったのだが、しっかりレッスンしてしまった…。
『一回、休憩にしよっか司くん』
朱桜「いえ!紡お姉様、司はまだ…!」
『違う違う、私が疲れちゃった…だから、休憩。チョコあげるから許して?』
朱桜「うっ…わかりました。」
『あんずちゃん、ライブの構成とステージの調整しよっか』
あんず「はい!あと『Knights』の衣装のことですが…」
あんずちゃんは、『ジャッジメント』のサポートをしてくれていた。あと『Knights』の衣装だ。デザインができたものの、縫えなくて困ってたら「やらせてください!」と名乗りを上げてくれたので助かっている。
あんずちゃんもこの半年で立派なプロデューサーになっている。だから本当は私が舞台関連の申請や段取りを取る必要はなかった。もっと作曲に集中できていたし、新曲の数も増やせたかもしれない…
自分の力の足りなさを感じてしまった。しかし、これ以上妥協することはできない。今できる最高のパフォーマンスを私自身がする必要がある。それをして初めて『Knights』に最高のパーフォマンスをさせることができるのだ。
今回ばかりは私も気持ちが違う。絶対に『Knights』を解散させたりはしない、その強い意志があれ何でもできる気がした。
『ここ、色分けしてチームがわかりやすくしたほうがいいかも…カラーは…赤と青とか…?』
あんず「だとするとここの松明も色分けしたらどうでしょう?」
『いいね。それで壁に『Knights』のロゴの旗を下げて…うんそんな感じ。ステージはそれでオッケー。松明のところは知ってる業者に聞いてみる。』
あんず「じゃあ私はステージの設計の方を詰めていきます」
『はーい、あとは衣装?どこの部分がおかしい?』
あんず「ここなんですけど…」
休憩時間を利用してあんずちゃんと『ジャッジメント』について詰めていく。以前の『デュエル』とは違い早い段階で大まかな部分を決めれているし、あんずちゃんが足りない部分を教えてくれるのでスムーズにことは進んでいる。
あんずちゃんの指摘した部分を見ながらどう調整するかを考えていると、レッスン室に泉が入ってきた。その顔には、怒っていると書いてあり、少し怯む…
『なに…何で怒ってんの…』
瀬名「なんで敵の衣装まで作る約束してんのさぁ!」
『そんなことで怒ってるの?』
朱桜「そうなのですかっ⁉︎なぜそのような真似を…」
瀬名「一応敵なんだからさぁ…ちゃんと境目作っておかないとでしょぉ?」
『あのワガママプーを制御できなかったの〜。しょうがないでしょ?でも、いいじゃん。勝つのは『Knights』だから、それに『ジャッジメント』当日まで会う気ないから』
瀬名「会わないって…」
『真剣勝負って言ったのはお互いだから、負ける気ないし。衣装もデザインするけど他人伝いで渡すって言ってある。』
あんず「紡先輩は、それでいいんですか…?月永先輩、せっかく帰ってきたのに…」
『いいんだよ、あんな暴君には多少手荒に扱ってちょうどいいくらいだよ』
瀬名「あんたねぇ…あんずが心配してんのは王さまじゃなくて紡でしょぉ?」
『……』
あんずちゃんは私を心配そうな目で見ていた。それでも、決意が揺るがないのは私もレオも同じだ。
『大丈夫、私は『Knights』を勝たせるのに本気だし、『Knights』の未来をもっと一緒に見たい。だから、レオと関わって適当になったりしたくない。『Knights』だけを見ていないといけないの
誰かにあって揺らぐような心じゃないけど、それでも少しでも可能性は殺しておくべきだと思う。
おかげでいい感じに仕事も進んでいるし、新曲もあとは歌詞だけ。修正すれば完成。
だからさ、騎士達もしっかり勝つための練習しなよ…?』
瀬名「……当然でしょぉ…?絶対勝つよ」
朱桜「はい!先輩達の足を引っ張らないよう!私も全力を尽くします!」
『…司くん、足を引っ張るも何も今回は司くんが王様だから、先輩達を引っ張っていかないといけないんだよ?もっともっと全力を超えるくらい頑張るように』
朱桜「はい!お姉様!」
『じゃあ、他の仕事があるから一回抜けるね?泉はナルちゃんに音源渡せるようにしといて〜じゃあね〜』
私はあんずちゃんに後のことを任せて、残った仕事を片付けるためにレッスン室を後にした。
『Knights』の新曲を残してあとはほんとんど片付いている。あとはみんなのレッスン次第。
そして、残すのが『臨時ユニット』の衣装だ。今回は、『Knights』を白にしたから相手は黒をベースにした衣装がいいのだが、メンバーがわからなければなんともできない。レオを中心に考えるか…
面倒な作業を請け負ってしまったものだ。
すると、夏にお世話になった『Valkyrie』の斎宮宗が目線の先にある廊下と通り過ぎようとするので、声をかけける
『…宗くん?』
斎宮「夜永か、……なんだその悩んでますと書かれた顔は『Knights』は戦争三昧で楽しんでいると聞いたが」
『私は戦争狂じゃないから、疲れてるんです〜。でもいいところにいたね!相談のって!』
斎宮「嫌なのだよ、僕は先を急いでいる!」
『メンバーがわからないユニットの衣装ってどうやって作ればいいと思う?』
斎宮「人の話を聞かないのは月永と一緒だな」
『その月永に困らされてるのだよ、宗くん』
斎宮「…はぁ、深く考える必要はない。相手に着てほしいとか、自分のユニットのイメージを崩さないようにを中心に考えればいい」
『えっと…、つまり?』
斎宮「……お前はもっと自己中心的になっていいと言ったのだよ。それだけだ」
『あっ、…行っちゃった』
宗くんは言いたいことだけ言って去って行った。やっぱり彼は一年の頃からツンデレさんだ。泉と仲良くなれるのもそのバランスがなんとなくいいのかもしれない…そう考えるとクスッとなってしまったが、彼の助言のおかげでいいイメージが湧きそうだ。ルンルンで私も廊下を進んでいくのだった。
いい助言
『霊感(インスピレーション)が湧いてきた♪』
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