反逆!王の騎行
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『…それで?話の続きは?』
鳴上「『王さま』〜?話の途中で作曲を始めないでよ、それに女王様もすぐに紙とペンあげないでよねェ…2人とも悪い癖だわァ?」
月永「ん、んん〜……。ともあれまぁ、もう『デュエル』の準備は始まっちゃってるから今さら『やっぱナシで』とも言えないんだわ、ごめんな」
『えぇ…『ごめん』と言われても…』
瀬名「まぁ別にいいけどさぁ、『デュエル』は俺たち『Knights』のお家芸だし。それで、どこのユニットに宣戦布告するの?
ううん。今度は、どこのユニットをぶっ潰すわけぇ?」
好戦的な泉にレオは笑う。しかし、レオも知っていると思うが私は『デュエル』が嫌いだ。お家芸とは言え、身内同士の争いや闘ってどちらかを倒す。ドリフェスとは違う、その戦争のようなやり合いが私にはどうもあっていない…今回はどこのユニットと…どんな戦いを…
月永「ほら、おれが現役だったころも何度かあっただろ?
内部粛清のための『デュエル』……『ジャッジメント』を、開催する」
『ジャッジメント……』
瀬名「げっ、あれをやるの?嫌だなぁ、『ジャッジメント』って遺恨を引きずってゴタゴタするんだよねぇ……?」
朱桜「な、何ですかそれは?内部粛清?『”judgment”』、とは……?」
月永「うん。おれたち『Knights』は騎士団だ、そういう戦う集団はむしろ『内部の敵』を粛清することもおおい
新撰組とかさ〜、調べてみると内部抗争ばっかりだぞ?
おれが気に食わないんだろ、新入り。男の子なんだしさ、きゃあきゃあ口喧嘩していても仕方ないじゃん。殴りあって、どっちが上でどっちが下か決めるんだよ
おれは夢ノ咲学院の校則に従い、『臨時ユニット』っていう制度を利用しててきとうに『ユニット』を結成する
そのユニットと、『Knights』で勝負するんだよ
まだ、誰にも声をかけたりはしてないんだけど。さいあく、おれと紡だけで出場するから」
『はい…?』
瀬名「紡にダンスのセンスないの知ってるでしょ?王さまについていけるわけないじゃん?」
月永「あはは☆嘘だ!さいあくおれ個人で出る。
『ジャッジメント』は、基本的に『デュエル』と同じだ。互いに駒を奪いあう、決闘だよ
単独でも敵を全員、討ち滅ぼせば……おれの勝ちってことになるなぁ♪」
瀬名「ちょっと、調子こきすぎじゃない?ブランク長いんでしょ、『王さま』ひとりでおれたち全員をたおせると思ってるの?」
月永「いや、さすがに誰か仲間を集めるけどさ。てきとうに、クラスメイトとかを…」
『え…なに…』
月永「紡が…」
『わたしがかいっっっ!』
月永「冗談!どういう面子が集まるかは、まぁ当日のお楽しみってことで♪」
レオの態度はどこかふざけているようにも見えるが、目はどこか真剣に未来を見つめているように感じた。『Knights』の将来を考えての『ジャッジメント』それと…司くんとの喧嘩の『ジャッジメント』…それにはいろんな意味を含めてなのだ。
真剣に受けて立たなければそれこそ『Knights』は仲良しこよしの腑抜け集団になってしまう…
朱桜「そ、そんな……。仲間どうしで、争うのですか?何の意味があるのですか、”leader”?」
月永「だから内部粛清だよ、『Knights』の未来のために……血みどろになって戦って、膿をだしきる。そういう儀式だよ、『ジャッジメント』ってのはおまえらが勝てれば、おれは何でもいうことを聞くよ
ちゃんと、リーダーらしい振る舞いをしてやる。どうしても気に食わないんなら、おれを『Knights』から脱退させてくれてもいい
だけど。もし、おれが勝ったら……
即席の『臨時ユニット』にすら勝てない惰弱な集団に、『Knights』が成り下がってるなら。
…ここで解散させる
おれの青春そのものだった『Knights』が、見るに堪えない情けない集団に成り果ててるなら……そんな無価値な代物は、後腐れなくゴミ箱にポイしてやるよ
気に食わないことがあるなら、ステージで……
『デュエル』という名の大義で、剣で、紳士的に裁定する。決闘することで敵を討ち倒し、内部の毒を浄化する
…連戦を重ねて強くなり、誰にも負けない騎士になる。どんな凶悪な暴君も魔物も討ち滅ぼせる、勇者になるんだ
『Knights』は元来、そういう集団だったよなぁ、紡?……うげ」
私はレオの言葉に何かが頬を伝う感じがした。それでもレオは言葉を止めることなく続けていく…その言葉は私の心に深く刺さっていく。レオが言っていることは間違えではない。それが『Knights』のやり方であり、それをしていたからこそ『Knights』の個人技はまさしく研ぎ澄まれた剣のように鋭かった…。
それをダメにしたのは紛れもなく私だったんだ…私が彼の『Knights』を壊してしまった。
あんずちゃんがタオルを渡してくれて、顔をタオルに埋めると柔軟剤のいい香りがした。
話続けていたレオが話題を私にふってから「うげ」と声を出す。その気配は何となく近づいてきて頭を撫でてから他へと話をふる。
その暖かい手がのかっているだけで心が落ち着くし…、心が安らぐ…でもその心中は穏やかでなかった。
月永「それが『Knights』の流儀だ、おまえも知ってんだろ…新入り?」
朱桜「あ、あなたが、今さら!後から出てきたくせにっ、あなたが『Knights』を語るのですかっ?紡お姉様を涙させて!許せません!」
月永「こいつが泣いたことに関しては何も言えないけど……でも、おれの『Knights』だ、今はまだ
文句があるならかかってこいよ、お坊ちゃん。決闘しよう、どっちが正しいかは神さまが決めてくれるよ
ううん。『ジャッジメント』で、おれたち『Knights』の未来が決まるんだよ」
『…本気何だね…?』
月永「紡…」
『『ジャッジメント』なんて、まさか『Knights』を潰そうなんて…はぁ…』
月永「本気だ。腑抜けた『Knights』はいらない。」
『わかった。』
瀬名「女王様…?」
『私が守った『Knights』は腑抜けなんかじゃない。ただただ、仲良ししてたわけじゃない。ちゃんと見せてあげるから、真剣勝負でやろう。』
月永「あぁ…!」
レオはそういうとセナハウスを出て行った。その後あんずちゃんが駆け寄ってきて私の背中を支えてくれた。その後も『Knights』のメンバーの緊迫した雰囲気が崩れることはなかった。
内部粛清
『真剣勝負』
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