反逆!王の騎行
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月永「うん、そろそろ不満が出るころだろうと思ってた
ていうか、紡からそういう報告を受けてたんだよな!『Knights』のみんなが不満たらたらだってさ、わははは☆
おっ、あんずがいる!どこにでもいるなおまえっ、神さまか!偏在してるのか⁉︎
興味ぶかいけど今はどうでもいいっ」
『ちょっと、それ私のお茶…』
月永「ぷは〜っ!うまい!」
レオは一通り話すと、私と泉が居るところに近づいて先ほどナルちゃんがいれてくれた私のお茶を飲む。
私の隣で泉がギョッとした顔をして、後ろのナルちゃんが「あらヤダ」と声をこぼす。さらに、レオ越しに見た司くんが目を見開いた。
朱桜「こ、このっ!慮外者っ、紡お姉様のお茶をっ!何様ですかほんとうに⁉︎」
月永「落ちつけってば。そんなに取り乱してたら綺麗な顔が台無しだぞ〜、新入り♪それに紡とお茶共有するのだって普通だろ〜?」
朱桜「ま、また『新入り』などと!いいかげん、私の名前を覚えてくださいよ〜⁉︎」
『…一応学校だし、お互い小さい子じゃないんだからやめよ?あと、司くんの名前もちゃんと呼んで』
月永「つっても。おれ、こいつのことよく知らないもん
だからおまえの、ってか今の『Knights』の力量を見定めるために……。毎日のように、ライブをしてもらったわけだけど?
おまえ、新入り……やる気あんの?とくに今日は酷かったなぁ、見てらんなかったぞ正直?なんたって、紡が『Knights』よりおれの方ずっと見てくるくらいだしなっ!」
…え?今こいつすごいこと言ったぞ…?
泉が吹き出す音と寝ていた凛月が起き上がって私の方をニヤニヤと見つめる。あんずちゃんが顔を真っ赤にしてこっちを見る。
司くんは怒っているのかわからない顔でレオを睨みつける。
そりゃそうだ、お前らのパフォーマンスより何もしてない俺がこいつの目を奪ってるぐらいお前らのやる気は感じられなかったと言ったのだ。
顔が真っ赤になって身体中が熱を持ってくる…
『……いや、確かに集中力に欠けるライブだったけど、ちゃんと見てたし勝っていたし…私がレオを見てたことは関係ない…』
瀬名「へぇ〜、じゃあ王さまをガン見してたのは事実なんだねぇ」
『ガン見はしてない…』
鳴上「ガン見”は”なのねェ…?ふふ」
『そんなことどうだっていい!それで?見てられなかったから…なに?』
月永「…新入り……おまえ、自分が他のみんなの足を引っぱってる自覚ある?」
レオの一言でアットホームな暖かい空気が一瞬にして凍りつく。笑っていたナルちゃんも泉も一瞬にして表情が消える。
かくいう私も久しぶりに帰ってきた人間の鋭い指摘に暖かくなった体が凍りつく。
月永「おれに文句をつける前に、よぉく考えてみろよ。誰がいちばん『Knights』の看板に泥を塗ってるのかってさ?あぁ?
あえて言おう、おれと紡の『Knights』の看板にさ」
『レオの『Knights』でしょ』
月永「しばらく夢ノ咲学院を離れてるうちにこの体たらくだもんなぁ、ちょっと帰ってきたことを後悔しそうになったよ
おまえら、おれがいないと何もできないわけ?」
朱桜「うぐっ?だ、誰のせいで、私が集中を乱されたと思っているのですかっ?」
レオの言葉は私に重くのし掛かってくるその言葉は『Knights』に向けたもので、レオは私が『Knights』の一員であると認識している。それは「おれがいないと何もできないわけ?」というのは私にもかかっているわけだ。
私も泉も凛月も…真剣な目でレオをみる。ナルちゃんもあんずちゃんも何も言わずに司くんとレオのやりとりを見る。
みんな考えるのはこの『王さま』が何を言いたいのか…というところだ
月永「なぁ、新入り……。偉そうな口を叩くけどさ、後からどんだけ言い訳しても意味ないんだよ。ほんと、おれが言うことでもないけどさ
現場で、ステージで最大限のパフォーマンスを発揮できなきゃあ…後からどんな大語壮語を吐いてもうそ寒いだけだよ、へそで茶が湧くわ!わははは☆」
朱桜「うぐ、ぐう〜っ?」
『……レオやめなよ…』
瀬名「そうだよ。落ちつきなってば、かさくん。こいつに文句を言っても徒労だよ、ほんとに
紡の話以外聞くつもりがないからさぁ、ストレス溜めるだけ損だからねぇ?」
朱桜「で、でも!瀬名先輩っ、私すごく悔しんです!言い返せないのが歯がゆいっ、紡お姉様…私は『Knights』のお荷物なのでしょうか……?」
『そんな…司くんは一年生なんだし、完璧にされたらそれはそれで困るって言うか…未熟だからいいと思うって言うか…』
鳴上「そうよォ、司ちゃん。一年生なんだし、まだまだ未熟なのは仕方ないわァ。司ちゃんが誰よりも努力してること、アタシも女王様は知ってるからねェ………♪」
しょんぼりとした司くんがこちらを不安な目で見る。すかさず、私とナルちゃんでフォローするが、レオが返事をするかのようにため息をつく
月永「甘やかすなよ〜、ナル。すっかり腑抜けちまってるなぁ、『Knights』も?馴れあいは成長を、進化を阻害する!堕落だっ、徹底した個人技を刃のように研ぎ澄ませろよ!」
『そんな…でもレオは…』
月永「うん!でも現状に文句を言っても仕方がないから、未来のことを考えよう!そのほうが建設的だっ、ここに再びおれの王国を築きあげようっ♪」
レオは私の言葉を遮るように言葉を続けた。レオはスタジオの中を話しながらウロウロしていたが、再び私の前にやってきて私を椅子から立ち上がらせる。
レオの背中越しに司くんがまた声を上げる
朱桜「ど、どういうことですか?”leader”、わかる言葉で説明してください!」
月永「理解する努力をしろよ、新入り
んっとな、まだ本決まりじゃないんだけど……。来週あたりに、『デュエル』をするから。あんずに頼んで、準備してもらってるところ」
『『デュエル』って…まさか…』
あんずちゃんの方を見れば少し驚いた顔をして「知らなかったんですか…?」と言葉を漏らす。あんなに一緒にいたはずなのになんで私ではなく、あんずちゃんに相談するのか。レオの方を見る。
レオも私に目線を戻してニコッと笑う。
朱桜「でゅ、『デュエル』ですか?また勝手に決めてっ、加えて紡お姉様にまで内緒なんて!それに私たちは連日の”Live”でヘトヘトなのですよっ?どうかしてます!」
月永「そこは踏ん張れよ、若いんだからさぁ?戦場で、敵さんに『今は疲れてるから休戦しましょう』って言えんのか?飛んでくる銃弾にさぁ、『ちょっと待ってください』ってさぁ……どんな笑い話だよ?そんなの、ここにいる騎士や女王様は言わないぞっ!
あぁっ、面白い!その発想で一曲書けるっ、湧いてきた湧いてきた霊感(インスピレーション)が!
紡!五線紙!いやもう、床にマジックペンで書くしかない…!」
『待って、レオ…紙があるからすぐ出すから書かないで。』
レオがマジックを出す前にペンと紙を渡すとレオは「ありがとう!」と言ってそこに書き始めた。話の途中なのに…メンバーからはため息が溢れるのだった。
言い合いには勝てない
『悪い癖だよ?せめて最後まで話して』
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