MainStory〜第一部〜
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音楽室を出てガーデンテラスに向かう途中ーー
賑やかな声が中庭に響き渡っていた…こんな時間にドリフェスなんてしてるのかな。
賑やかっていうか、うるさいな。喧嘩してるみたいな音…ギター…?
この荒さはあの子かな…
頭を巡らしながら音がかき鳴らされている方へ足を向けた。
視線の先には、予想通りの子が相棒のギターを掻き鳴らしていた。
観客には、多くの男子生徒が参加しており野次を飛ばしていた。
『これは…B1かな…ていうか1人…?相手は…』
ドリフェスでも無法地帯とも言えるB1
諸事情で成績には関与しないし非公式で生徒会に取り締まられる対象だ…
**「よォ、紡。お前こんなとこでなにしてんだ…?」
『え…あ…鬼龍くん…』
後ろから肩を掴まれ、後ろを振り向けば同じ3年生の鬼龍紅郎がいた。
…口にケチャップをつけて…かっこいいけどかっこ悪すぎる…
『えっと…賑やかだなと思って』
鬼龍「おぉ…そうだったな鉄に呼ばれてるんだった…行かねぇと」
『え…あの子の相手って鬼龍くんなの…?』
鬼龍「さぁな、仮にそうでも真面目に相手してやるつもりはねェが…」
『やめてよ…怪我人なんて怖いことしないでね…』
鬼龍「そりゃぁ…あのわんコロ次第だな」
そう呟く鬼龍くんの後ろをゆっくりとついて行く
なんであんな怖い顔でケチャップつけてかっこいいこと言えるんだろ…拭かないの…?言った方がいいの…?
少し歩くと鬼龍くんが人だかりの前で立ち止まる
鬼龍「何を騒いでんだ、鉄」
鉄「あっ、大将!チィ〜っス☆えっと、お昼ご飯は食べ終わったんスか?」
鬼龍「……?」
鉄「あれっ、何で意外そうな顔するんスか!?大将が戦うんスよ、大将が空手部の代表なんスよ!
大将こそが、最強の男っスよ〜!」
そう口早に鬼龍くんに話しているのは、1年生の南雲鉄虎くん。鬼龍くんのことをリスペクトしている空手部の後輩くんだ。
つまり、予感の的中だ。どうやら相手は鬼龍くんでこのドリフェスの名前は【龍王戦】対戦者をパフォーマンス中にも関わらず、攻撃し舞台から叩き落とす。
そう説明する南雲くんに鬼龍くんは
鬼龍「いや、悪ぃ……。単純に、【龍王戦】のことド忘れしていたんだが」
南雲「まじッスか!?『うっかり』では済まされないッスよ、しっかりしてくださいよ大将〜!
さぁさぁ、今からでもいいから舞台にあがって!あの軽音部の『狂犬』に、空手部の誇りを見せつけてほしいッス!」
そう言いながら南雲くんは鬼龍くんの背中を押して行く。
鬼龍くんはあまりノリ気って感じじゃないな…
空手部の言い合い…もとい南雲くんの説得の最中に舞台上から声がかかる
**「おいおい、トラブル発生かよ?
情けね〜な、戦う前から負け戦みたいな空気を醸しだしてんじゃね〜よ!
それとも何か、俺様の威圧感にブルっちまったのかよ?猿山の大将さんよォ!」
そう吠えているのは2年生の大神晃牙、そんな晃牙に空手部の2人はまた言い合いを始める。
鬼龍くん…冷静っていうか大人な対応だ…
それを無視して晃牙は舞台上で吠え続けている。
鬼龍「…上級生を呼び捨てか
教育がなってねぇな、軽音部の『狂犬』は」
大神「はんっ、他人の顔色うかがってペコペコ頭さげんのは性にあわね〜んだよ!」
そういいながら晃牙は武道がなんだと侮辱する。なんでそんな人を煽るようなことを…いや、あの子はそういう子だ。仕方ないか、喧嘩したくてウズウズしてるんだろう…
そう思っていたが鬼龍くんには通じな…
鬼龍「腹ごなしに、遊んでやろう」
通じた。
本当にやるのか。そうだとしたら晃牙に勝ち目あるわけないじゃん。
鬼龍「鉄」
南雲「押忍☆」
鬼龍「その前に、ハンカチか何か持ってねぇか
ナポリタンで、口元が汚れてるんだよ。こんなみっともねぇ顔で、舞台に立つわけにはいかねぇ」
あ…それナポリタンだったんだね。優雅にランチしてたんだね鬼龍くん…
そう思いながらポケットに入ってたハンカチをだして、鬼龍くんに渡そうとする前に
鬼龍くんの前にはハンカチが差し出されていたーー
鬼龍「気遣い無用
この嬢ちゃんが、ハンカチを貸してくれた」
『あ…』
あの子だ。周りの子からも転校生と呼ばれている。
間違いはないだろう。彼女がこの学院初となるプロデュース科の生徒。
"立花あんず"ちゃんだーー
あんずちゃんからハンカチを借りた鬼龍くんは衣装に着替えるためにステージサイドへと消えていった。
声をかけるべきか…?いや、こんな状況で…
大神「…って、うぉ!?」
鬼龍「避けたか
口だけじゃねぇな、小僧」
考えている間に鬼龍くんは着替え終え、舞台上にいた晃牙に足蹴りを食らわしにかかる。それを反射的に避ける晃牙
バトル開始ってやつか…
会場は大盛り上がりだ。改めて南雲くんが鬼龍くんの紹介をすると
2人の攻防が始まるーー
なんでこう喧嘩じみたことを…と考えていると鬼龍くんが曲終わりだから、といってケリをつけにかかったのがわかった…
『えっっ…えええええ!?』
鬼龍くんのキレキレな技が決まり、ギターと一緒に晃牙が吹っ飛んだ。
鬼龍くんがいくら強いとはいえ晃牙も男の子だ。吹っ飛ぶなんてそんな…ていうかその方角は…
『…危ない!!』
あんずちゃんがいる…!!
そう思い振り向くと、周囲は堅苦しく制服を着た生徒集団に囲まれていた。
まずい、生徒会だ…
**「はい、そこまで〜♪
はしゃぎすぎだよ家畜ども。こんなに騒いでさ〜、ボクたちに気づかれないとでも思った?」
そう可愛らしい声で、恐ろしい言葉を吐くのは1年生の生徒会役員姫宮桃李だった。
まずいまずい、南雲くんと姫宮くんが言い合いをしているうちにあんずちゃんを探さないと…
『…あっ!』
そこに居たのは顔面を押えるオレンジ髪とあんずちゃんを押し倒してる晃牙の姿だった
**「お、おまわりさ〜ん!ここに性犯罪者がいますっ、逮捕して〜!」
そう叫ぶのは2年生の遊木真くん、その隣で驚いてるのは同じく2年生の氷鷹北斗くんってそんなことは今はどうでもよくて…!
大神「うるせ〜ぞ、眼鏡!ふふ〜ん♪なかなか良いクッションじゃね〜か、俺様の役に立ったな!
褒めてやるぞ、テメ〜!誰だか知らね〜けど!」
『女の子を踏み台にするんじゃありません…フンッ』
大神「ってぇ〜な!なにしやg…紡さん!?」
気絶したあんずちゃんの上からどかない晃牙の頭目掛けて1発お見舞いすると晃牙はギロりとこちらを睨むが怖くもなんともない。
大神「でも、俺はまだ負けてねェんだ!まだ土に1歩足をつけてねェ!だから…」
『口答えしないで早く降りなさい!いつまで女の子の上に乗ってんのよ!変態!それにどう見て吹っ飛ばされてる晃牙の負け!それにあんずちゃん気絶してるじゃない!』
大神「うぁっ…マジじゃねぇか、ひ弱だなコイツ」
氷鷹「勝手に巻き込んでおいて、何という言い草だ?夜永先輩の言う通りだ、転校生の上からどけ、大神。そいつは、俺たちのクラスの転校生だ」
そう言って怒りを顕にする氷鷹くんに噛み付こうとする晃牙にもう一発いれる
『勘違いしないで、晃牙。喧嘩相手を間違えないで周りをよく見なさい。』
**「全員、静粛に!生徒会執行部である!」
その声に一斉に声の主を見る。蓮巳敬人、生徒会副会長ーー。現在のトップ権利者である。
『氷鷹くん、遊木くん、早くあんずちゃんを運んで…!』
明星「紡ちゃん先輩、俺もいるよー☆」
『あ…明星くん…!?いいからあとでね、あとあと!今は逃げるよ!』
生徒会とやり合ってる空手部を背に私たちは、あんずちゃんを運び出した。
あぁ…この瞬間もすごく音楽で溢れてる…
あんずちゃんのおかげか、それとも楽しそうに逃げる彼らのおかげか、
明星スバルくんと氷鷹北斗くんと遊木真くんと…
それと…
**「おーい、こっちこっち…!」
衣更真緒くん
なんで彼らが揃うとこんなに霊感(インスピレーション)が湧いてくるんだろう…不思議…
初対面
『っていうか、あんずちゃんとは対面もしてない…!これは初対面じゃないのでは…?』
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