朱桜司
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貴女を初めて見たのは弓道の大会でした。
アイドル科と言うこともあり練習の時間から騒がれてした私たちは正直周りにもそれを仕方ないで片付けるstaffにもうんざりしていました。
でも、貴女はそんなのも気にせずただ的を見つめ弓を射る…。そんな姿に柄にもなく見惚れてしまったのです。
ーーそう、この朱桜司…貴女に一目惚れをしてしまいました。
次に会ったのは、なんと『Knights』のライブでした。貴女は楽しそうな笑顔でpenlightを振ってらっしゃいましたね。
その時は驚きと喜びで声を出してしまうところでした。そして、そんな貴女をあの大人数の中ですぐ見つけてしまう自分に「あぁ…本当に好きになってしまったのだ」と確信してしまいました。
そのあとは大変でした。ライブが終わったあとに騒ぎになるのも気にせず客席まで走って、貴女がいた席を目指しました。
朱桜「…あの!」
キャアア、と周りが騒ぐなか貴女はまっすぐ私の目を見てくださいました。それが嬉しくて嬉しくて…
朱桜「お名前を聞いても…?」
『…え…』
友達「なまえ!名前だって!教えてあげなよ!」
『…ぇ…でも』
友人に促されながら少し小さな声で自分の名前をいう貴女が愛らしくて…遠くから見ても近くから見ても自分の目に狂いはなかったと思うほど貴女はそのままの美しい方でした。
朱桜「急に、こんなことを言われて驚くかもしれませんが…」
『…?はい』
朱桜「私と…付き合ってくださいませんか」
そんな公開告白に周りが騒ぐなか、貴女は真っ赤な顔で目を見開く。隣にいたご友人も驚いた顔で貴女の細い肩をものすごい勢いで叩いていました。今でも覚えています。
それから…
『ご…ごめんなさい。私、ファンとして司くんが好きだけど…普段の司くんのことは何も知らないから…お付き合いは…ごめんなさい』
断られたこともしっかり覚えています。
貴女は凛月先輩のように黒く美しい髪を遊ばせもせずまっすぐに伸ばされていて、それが歩くたび揺れるのがなんとも言えないのです。
leaderのように大きい猫目が印象的でそれが弓を射ると細くギラギラと光るのがその視界に入りたいなんて思ってしまうのです…。
鳴上先輩のように歩く動作が美しく立ち姿も美しい、瀬名先輩のようにまるで自分の魅せ方を知っているといった動きが私の心を離さないのです…。
凛月「ゾッコンだねぇ〜ス〜ちゃん」
朱桜「ふみゃあ⁉︎な…驚かせないでください!凛月先輩!」
凛月「俺がいたところにス〜ちゃんがいきなりきて物思いに更けてたんだよ?」
朱桜「…いらっしゃったなら先に声をかけてください」
凛月「んふふ…、まぁだあのお姫様をおってるの?」
朱桜「あの方はお姫様…なのでしょうか」
凛月「ス〜ちゃんのファンだから『Knights』のお姫様でしょう?」
そう…あの方はidolである私のファンであって…一人の男としての私には興味がない…。だから、告白を断られてしまったしどうにかして会おうとしてもファンとアイドルである関係に満足している彼女に無理に関係を迫ることもできない。
凛月「…なまえだっけ?」
朱桜「呼び捨てにしないでください」
凛月「ス〜ちゃんはなんて呼んでるの?」
朱桜「なまえさんと…」
凛月「話もできないのに?」
凛月先輩の辛辣な言葉にグッと言葉を飲み込む。そう……結局彼女がどこの学校の生徒で『Knights』のファンで…弓道の世界ではかなり名の知れた選手であること…他にもいろいろ…彼女の情報は知っているが彼女自身のことは何も知らない…。
朱桜「どうすればいいのでしょうか…」
凛月「…ス〜ちゃんはどうしたいの?」
朱桜「私は、あの方の迷惑にならない範囲でお近づきになりたいです…」
凛月「それは無理だろうねぇ…だって、相手は『Knights』のファンなわけだし
ス〜ちゃんが近づけば相手には確実に迷惑がかかるし、仮に付き合ったらその子はライブ見にこれなくなっちゃうかもねぇ…いい方は悪いけど『Knights』のファンは過激な子も多いから…
ス〜ちゃんが公開告白した時点でどうなってることか…」
私は凛月先輩の言葉に焦りを覚える。どうしようかと焦り立ち上がる私の腕を掴んで元の位置に座らせる。
凛月「とりあえず、お近づきになるのは後回しだね…
まずは周りに認めてもらうところからだと思うよ。一生懸命歌って一生懸命パフォーマンスしている姿を見ればファンもその子もわかってくれるんじゃないかなぁ?」
凛月先輩はそう言い残していつものようにあくびをしながら立ち去っていった。
一生懸命performanceをして…歌う…そうすれば納得してくださるのでしょうか。そうすれば…なまえさんも私を見てくださるのでしょうか…?
凛月先輩にadviceを頂いてから私は一生懸命練習にも勉学にも励みました。ライブでは皆さんに喜んでいただけるように、そして貴女に見てもらえるようにperformanceをしました。
ライブ中に貴女を見つけるといつも以上にうまくできた気がするのです。私は貴女から力をもらっているから…
だから、いつか貴女のそばに立てる立派な騎士になります。…絶対に
そのように心に決めてから何度目のライブを乗り越えて来たのでしょうか…。だんだんと私の想いにmemberはもちろん、ファンの皆さんも…貴女も気づいてくれているのではないでしょうか…
鳴上「ちょっとォ!司ちゃん、聞いてるのォ?」
朱桜「っへ?…あ、鳴上先輩どうかされましたか?」
鳴上「どうしたもこうしたもないわよォ…この後の握手会、あの子来てるわよっ!」
『あの子』という言葉に反応してバッと幕をめくり外を見ると、ライブ後の興奮した様子で一緒にきたであろうご友人と熱く語り合っているなまえさんがいらっしゃいました。
あぁ…なんと可愛いことでしょう…。あんなに目をキラキラさせて…
鳴上「んふふ、もしかしたらいいお返事があるかもね☆」
そういって鳴上先輩は自分の持ち場へと戻りました…。いいお返事とは?と思いながら自分も持ち場へと戻ると『Knights』のmemberが等間隔に並ぶ。staffのかたの掛け声で順番にファン方が入って握手をする。
応援してくださる方やライブの感想をいってくださる方…様々な言葉に丁寧に答えていく。誰のファンかはなんとなく服装や雰囲気でわかるので、自分のファンには少しでも長く会話ができるように心がける。
すると、少し女性にしてはしっかりした手が私の手を握る。ハッとして顔を上げると
『ライブお疲れ様でした』
朱桜「なまえ…さん…」
『今日もカッコ良かったです。司くん…』
朱桜「…私が一番でしょうか?」
『もちろん、司くんが一番カッコ良かったです』
朱桜「…貴女のために…一生懸命performanceをしたのです…だから嬉しいです」
『…私も嬉しかったよ』
それは初めて聞いたタメ口だった。なまえさんが初めてタメ口で話しかけてくれている。
それになぜか私が緊張してしまい、震える手をなまえさんがギュッと握る。まるで立場が逆な気がします。
朱桜「ごめんなさい…迷惑だとはわかっているのです。でも…本当に…本当に好きです、なまえさん」
『…うん、私も司くんが大好きです。だから…』
ボソボソっと私の耳元で話した後、なまえさんは私の手を離して次に待つ凛月先輩の元へと行ってしまった。
私は真っ赤な顔のままその後ファンの方と何を話したか…、正直覚えていませんでした。
ライブから数週間後、私はなまえさんの学校の近くのカフェで彼女が来るのを待っていました。美味しそうなcakeを我慢して、飲み物だけで時間を潰す。カランコロンとドアが開く音が聞こえて振り向くとそこにはなまえさんが綺麗な黒髪を揺らしながらこちらに駆け寄ってくる
『お待たせ、司くん』
朱桜「いえ…私も今来たところですので」
『うそ。飲み物冷めてる』
朱桜「…そんなに待ってはいません…」
なまえさんはクスクスと笑いながら店員さんを呼んで自分とおそらく私の飲み物を注文してくださる。
『司くん…あの時の…お返事聞いてもいいかな?』
朱桜「もちろんです!そのために来たのですから…」
あの時、握手会の時…なまえさんが私の耳元で呟いた言葉「私の…私だけの騎士様になってくれますか?」なんて、あんなとっておきの口説き文句です。私の返事などとうの昔に決まっているのですから…
朱桜「この朱桜司、貴女だけに忠誠を誓います…永遠に」
そう言ってなまえさんの左手にキスをすると、なまえさんは頬を薄っすら色づかせ綺麗に微笑む。そして「よろしくお願いします」と私だけに聞こえる声で言葉をこぼす。
その一つ一つの動作や言動が私を幸せにしてくれる。
こんな感情を与えてくれる方は今までもこれからも貴女だけなのでしょうね…。
あの時射た的は私の心だったのかもしれませんね
Happy Birthday‼︎ Tsukasa
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